レッスルキングダム15・観戦記 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

コロナ禍、しかも直前に緊急事態宣言の可能性、そしてその影響により12月29日に前売りチケットの販売が終了と、逆境に見舞われまくった今年の新日本プロレスの東京ドーム大会であったが、無事滞りなく開催された。さすがにキャパシティは普段の半分、かつこの状況では1万人集まればいい方だろうな、と思っていたがその予想はまま当たり、蓋を開けてみれば両日で2万人ちょいであった。それでも、初日のそれは暗黒期よりかは埋まっているようであり、当時であれば軽く3万人発表はされていただろう。

 

昨年7月に有観客試合が再開されたが、当然観客はマスク着用で検温も必要である。昨年の神宮球場大会ではそのあたりでいつもよりか入場に時間がかかっていたが、最近ではモールなどにもよくある一瞬で体温を測れる機械が常備してあるので、現在はかなりスムーズだ。そして、今回は両日バルコニーである。東京ドームの客席は非常に狭く窮屈であり、真ん中の席になったりすると移動にも一苦労となる訳だが、当然バルコニーではそんな心配もなく、売店もトイレもすぐなので快適な事この上ない。リングまでは遠いが、そもそもドームであればどこにいても遠く、雰囲気を楽しむために行くようなものなのであまり関係ない。

 

しかし、さすがにマスクなし、歓声禁止ではいつもの臨場感はないものだ。すでに当たり前の光景になりつつあるが、やはりかつてのUWF系のようにシーンとした中での観戦は寂しいし、選手もやり辛さはあるだろう。そして、時間制限もあるのか、最近の新日本の大会は、ビッグマッチでも基本6試合程度である。ただ、その分さすがにセミとメインは長めになるので、その御多分に漏れず今回もそうであり、しかも2日目は4年前のオカダVSケニーを超えるドーム史上最長の48分であった。正直、無理やり延ばした感も否めず、年間ベストバウトを受賞した前者と比べても、と言う感じではあったが、2日間ともセミとメインだけで十分お腹一杯だった。昔のアントニオ猪木の全盛時代は、重要なのはメインの猪木だけで、あとは何でもないカードが並んでいた、と言われるが、今回見て別にそういう方向性でもいいんじゃないか、と思ったものだった。

 

また、今回は2日目でスターダムの提供試合が行われた。こちらは配信もテレビもないので、完全にドームに足を運んだ人だけの特権ではあったが、1年前も初観戦ながらかなり楽しめたので、今回も密かな楽しみだった。と言うか、日本の女子プロレスのレベルは世界の追随を許さず、しかも女子団体トップのスターダムともなればそれも当然である。正直、選手に関しては全員把握している訳でもないのだが、それでも2試合とも十分楽しめたものだった。しかも、今回もダークマッチながら花道入場である。コロナのおかげで満員のドームではなかったとは言え、あの花道を体験出来たのはレスラー冥利に尽きたであろう。そして、1年前初めて試合を見て以来、個人的には岩谷麻優がお気に入りとなったので、ニューイヤーダッシュの会場で行われたサイン会に行けばよかった、と今でも後悔している。

 

以上のような状況ではあったにせよ、メインとセミの白熱した試合、かつ私がファンである飯伏幸太が遂にIWGP王者、かつ防衛も果たしたので、個人的にはかなり満足のいく内容であった。それだけに、早く昔のように思い切り歓声が飛び交うあの光景に一刻も早く戻って欲しいものである。