ゲーミングモニター体験談 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

現行、ゲーム用モニターのパネルはTN、IPS、VAの3種類が存在するのは、ちょっと詳しければご存知の方も多いだろう。詳細はググればいくらでも出てくるので、それらの仕組みの違いや特徴などは容易に知る事が可能だ。そこで、今回はその3種類いずれも使用したことのある私が、主観的意見を交えながら紹介していこうかと思う。

 

VAパネル。

 

何故これを1番に持ってきたかと言えば、単純に初めて「ゲーム使用」を前提として購入したモニターだからである。しかし、私の知る限り、現行のゲーミングモニターでVAパネル搭載と言うのは極めて稀である。という訳で、私が実際に使用した製品も、ゲーミング用ではなくハイセンスの一般的な民生用テレビである。

 

それでも、大手家電メーカーとしては初めてゲームモードを搭載した東芝の「レグザエンジン」のNEO版を採用している事だけあって、このハイセンスも同様0.83msという応答速度を売りにしたテレビだった。もちろん、それが決めてとなったのであるが、たしかに画面上の速度は優れていても、実際の操作遅延に関しては後述のゲーミングモニターよりも明らかに劣っていた。ぶっちゃけ言うと、この前に使用していたパナソニックの2008年のプラズマモデルと大差なかった。それだけ、プラズマの遅延が優れていた、と言う話でもあるのだが、やはりシューティングや格ゲーをするには今ひとつであった。

 

TNパネル。

 

上記のVAパネル採用のハイセンスに満足出来なかった私は、まだストVにハマっていた事もあって遂にゲーミングモニターを導入した。一般的に、ゲーミングモニターの雄と言えば、BenQ、ASUS、ACER辺りが挙げられ、おそらくほとんどのコアゲーマーたちはその中から選んでいるとは思うのだが、ゲームにそこまで求めていなかった私はまずコスパ、そして応答速度と入力端子、という事で、総合的に優れていると思われたアイオーデータの24.5インチのギガクリスタを購入した。

 

Amazonで17000円程度だったので、ゲーミングモニターの中では格安な部類と言えた。確かに作りはしょぼいし、モニターアームも上下と角度調整のみなので、そのあたりに上位との差は感じられたものの、HDMI端子が2個というのは家庭用には十分だった。

 

TNと言えば応答速度が最速な代わりに、画質と視野角がいまひとつ、というのが定説であるが、それはまさにその通り。当時はまだIPS使用前だったので、応答速度云々はさほど分からなかったものの、画質が今ひとつである事は一瞬で理解した。当然、画質調整はとことん拘ったものの、どう逆立ちしてもVAやIPSの域までには達しない。勝敗が第一のFPSプレイヤーにとってはそれでいいのかも知れないが、そうではない一般ゲーマーにとってはなかなか妥協できる要素ではないだろう。

 

現在、各ユーチューバーらがBenQの最新モデルをこぞって推奨しているが、それはあくまでガチなFPSプレイヤー向けであり、画質も重視したい家庭用ユーザー全てにお勧めできるものでは決してない、という事だ。さらに、購入から半年はゲームのみだったからまだ妥協出来たものの、ゲーミングPCを購入し、ブラウジングも使用する事になってからはさすがに不満が溜まってきたため、結局すぐに後述のIPSに買い替える事となった。マルチモニタ環境ならともかく、ゲームとPCをひとつのモニターで共有せざるを得ない人であれば、やはりTNは厳しいと思う。

 

IPSパネル。

 

そして、現行使用しているASUSと、次世代機向けにわざわざ購入したLGに採用されているのがIPSである。その画質の鮮やかさから、一般的なPCに使用されているのはまずIPSであるので、そういう意味では最もスタンダードなパネルと言える。しかし、それはあくまで一般向けのPCのみであり、ゲーミングPCであれば、どんなノートPCであろうとまずTNが基本だ。つまり、この時点でIPSはゲーム向きではない、という事が伺える。

 

しかし、前述のようにどうしてもTNに満足出来なかった私は、当時IPSでは最もコスパと評価が高かったASUSのTUFの24.5インチを購入した。初期設定が今ひとつだったので、こんなもんか、と思ったものの、映像調整をしてからはさすがにIPSと言った美しさを放ち、TNの不満点が一気に解消されていった。

 

ただ、そのままでゲームをすれば一目瞭然であるのだが、やはり応答速度は劣るのは一発で理解出来た。ストVをプレイ中、ジャンプしただけでも明らかな残像感が残るのだ。もちろん、これはモニター側で調整出来るので、適切なモードを使用すればかなり改善はされるものの、それでもさすがにTNレベルまでにはいかないとは思う。これでは確かにガチなFPSゲーマーであれば、IPSはなくTN一択である事が理解は出来たものの、そのレベル以外であればIPSでも十分、である事も実感した。もちろん、操作遅延に関してはほぼ同等であり、ブラウン管には劣るものの普通にプレイするだけなら全く問題ない。

 

LGのテレビもIPSであるが、こちらはテレビ視聴も前提としているためか残像感は薄い。普通の4K放送などは、VAと比べて思いっきり優れている、と言った感じはないものの、ゲームになればその違いは一目瞭然であり、さらに4K120Hzのゲーム機を前提のしての開発でもあるため、ゲーム画面そのものに非常に相性が良い。というより、現行PS5やXSXの機能を最大限に活かせるのは国内ではLGのみなので、ゲーマーにとってはノーチョイス状態だ。一応、有機ELもLGの売りの一つであり、正直かなり迷ったのであるが、焼きつき、仕様によりどうしても1フレームの遅延、そして液晶の技術の熟成もあって現行機種を選択した。

 

まとめ

 

YouTubeの解説などでも、「最近のTNパネルはかなり画質が向上」とたまにあるが、確かにそれは嘘ではないとは言え、それでもIPSには全く歯が立たないのは現状だと思う。なので、自身が勝敗に拘るFPSのガチゲーマー、さらにマルチモニター環境がありブラウジングメインの時にはIPSモニターを使える、という状況でもない限り、高くてもIPS、というのが私の結論である。