2020年の夏頃、香港の通販サイトであるTecobuyに旧パンテラのドラゴンボールファイターズバージョンが格安で売られているというのがアケコンマニアの間で話題となり始めていた。当時の価格はまだ16000円程度であったかと思われるが、オリジナルの旧パンテラが国内で発売していた当時は大体27000円程度が相場であったため、これは破格中の破格であった。
私は2019年の8月、急にAmazonUSAにおいて旧パンテラの在庫が復活した事を耳にし、かなり迷ったもののこれを逃したら次はないだろう、と言う事で27000円ほどで購入した。これでもマーケットプレイスや、メルカリなどで購入するよりも割安であったので、2万円弱と言うのがどれだけ破格であるか分かっていただけるだろうか。その性能は十分熟知しているため、この価格帯と言うのは非常に魅力的に映ったものであるが、中身自体はもちろん旧パンテラと全く変わる所がないし、同じものが2台あっても、と言う事で長らく買う事はなかった。
しかし、その後もどんどん値下がりは続き、さらにTwitterや5chなどでも購入報告が相次いでいったにも関わらず、今なお売り切れる様子がないのである。気が付けば14000円、そして今月末にはとうとう13000円台にまで下落した。さすがにこの価格で、ゲーム史を通しても最高級のアケコンとも言える旧パンテラが買えるというのはあまりにもお買い得、と言う訳でとうとう購入に踏み切ってしまった。
これまであまり耳慣れない通販サイトであったので、ネットで広まった当時は怪しい、もしくは詐欺サイトではないか、との噂も広がった。私は、香港資本の通販サイトでそれはないだろう、と最初から相手にはしていなかったのであるが、この当時はやたらとアケコンの価格が高騰していた時期でもあり、この製品に目を付けた転売ヤーがおそらくそんな適当な噂を流していただけ、と言うのがもっぱらな話であった。
そして、このTecobuyの使い方であるが、日本語化対応済みであるので、一応最後まで日本語オンリーで行ける。姓名やアドレスなどは欧米風の順序であるが、その辺りは日本の配達員も慣れっこであるはずなので、手順に従って登録していけばいいだけだ。
ただ、もちろん支払いはクレジットカード、そしてPayPalアカウントのいずれもが必須である。私はかなり前に後者のアカウントを作成済みであったのだが、本人確認書類などでつまずき、すぐには購入は出来なかった。ただ、必要なものとしては住所が記載された運転免許証と、クレカの明細の2つがあればなんとか行ける。後者はスクショでもOKなので、提出さえ出来ればさほど時間はかからない。
そして、支払から到着まではおおよそ1週間程度と、海外通販としてはかなり早い部類だろう。発送は香港のKwai Chungからとなっていたが、実際に届いた住所を見るとSham Shui Poの次の駅にあたるCheung Sha Wanとなっている。そこから何故か深センへと渡り、そこから日本へ空輸と言う形だ。まあ、人間でも1日あれば移動出来るような距離なので、7日で到着と言うのも別に不思議ではないのだが、それでも海外で一週間程度、と言うのは立派な早さだ。しかも6000円以上は送料無料のおまけつきである。
そして、見た目はともかく性能自体は全くオリジナルの旧パンテラと同一なので、とにかく高性能極まりない。違いと言えばナスレバーがついていない事ぐらいだが、日本のゲーマーであればほとんど関係ないだろう。これまで何度も触れてきたように、特にHORIのアケコンを使用してきた人にとっては、あまりの性能の違いに愕然となるはずだ。それほどまでに、この旧パンテラのガワによる静穏性は素晴らしく、今なお他を寄せ付けないレベルである。しかも、今なら元の半額近い13440円、つまりはHORIのRAPVよりも安価な訳だから、もはや前者を選ぶ理由はないという感じだ。唯一、ヘッドホン端子がないのが残念ではあるが、FPSなどとは異なりヘッドホンの有無は格ゲーの勝利にはほとんど影響しないと思われるので、拘る人はさほどいないのではないだろうか。
また、私がオリジナルを買った時はファームウェアが1.00のままでありアプデが必須であったのだが、こちらはすでに最新FWに更新済みのようであり全く遅延は感じられない。現在、市販ではVictrixとPanthera EVOあたりが最速と言われるが、ほとんど体感できるような違いは感じられないだろう。今なおこの旧パンテラも十分過ぎるほどの反応速度である。
相変わらず今でも在庫ありのままなので、おそらく今なお相当数の在庫を抱えているとは思うのであるが、これだけ安価であれば売り切れとなる日もそう遠くはないであろう。この旧パンテラの高性能さを未体験の人たちは、おそらくこれを逃したら最後であるかも知れないので、買える可能性があるうちにこの素晴らしさを体験してもらいたいものである。
