ゲームCDのお話・その1 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

世界で初めてビデオゲームのみの音源で構成されたCDは、マニアなら知っていて当然、1984年にアルファレコードから発売された「ビデオゲーム・ミュージック」である。当時はアナログ盤のみの発売であったが、2年後に「ザ・リターン・オブ・ビデオゲーム・ミュージック」との一部カップリングにてCD化されたものの、レーベル自体がまもなく廃盤となってしまったため、私がゲーマーになった当時はすでに幻のCDと化していた。

 

そして発売から17年が過ぎた2001年4月、ゲームミュージックでおなじみサイトロンレーベルから、遂にオリジナルの完全復刻CDが発売、当然私も速攻で購入し、ナムコアーケードゲーム黄金期のPSGサウンドを心行くまで堪能したものである。

 

しかし、これらは全て後追いのお話。詳細はググれば多分出てくるだろうとは思うが、私がゲームミュージックのサントラの発売を初めて耳にしたのは、おそらく初期任天堂のゲームであったかと思う。しかし、わざわざテレビのスピーカーから常に聞こえてくる音を、わざわざテープを買ってまで、と言う発想は皆無であったので、買う事はなかった。そんな私が初めて購入したゲームサントラは、「ドラゴンクエストII」である。

 

初代ドラゴンクエストのサントラは、当時徳間書店が発売していた攻略本で紹介されていたのだが、当時は周辺にレコード屋などは皆無であったので、その存在を目にすることはなかった。それが翌年、たまたま本厚木のレコード屋に連れて行ってもらった時に、IIのサントラを初めて目にしたのだ。それが私にとっての初めてのゲームサントラであったのだが、当然PSGのイメージしかなかったのでかけてみてびっくり、オーケストラにアレンジされた大迫力のサウンドに、アッという間に虜になったものだった。

 

それからIも買ってもらったが、さすがにこちらは曲数が少なすぎ、IIのようにどハマる事はなかった。そしてそのすぐ後ぐらいに、「オホーツクに消ゆ」のサントラの広告も目にした。ゲームをプレイした事のある人であればご存じだろうが、このゲームは非常にBGMが良く、アドベンチャーはもちろん全ファミコンソフトにおいても屈指のサウンドであったと思う。非常に興味が湧いたのだが、当時は一度も現物を目にしたことがなく、気づいた時には幻のCDと化していた。

 

十数年後、ヤフオクなどでは余裕で万超えの商品と化していたが、復刻サイト「たのみこむ」の力により、2002年になり遂にオリジナルファミコン版サウンドとのカップリングで再発売されたのだ。しかも、嬉しいことにCDのレーベル面がアポロンのコンピュージックレーベルのデザインを再現するほどの凝りよう。当然、発売と同時に購入したものだった。

 

その後、ドラゴンクエストIIIとIVのサントラも購入していったが、うち後者がゲームサントラとして初めてオリコン1位を記録したCDアルバムであったかと思う。当時はまだアナログからCDへと移行する過渡期であり、後のようにミリオンセラー連発、と言う時代ではなかったのだが、これはゲーム史に残るほどの快挙であった。

 

しかし、ドラクエのような交響組曲は別として、さすがにアーケードとは異なり家庭用でサントラの需要は大きくはなかった。なので、他に買っていたCDと言えば、せいぜいファイナルファンタジーシリーズぐらいのものだった。うちIとIIは純粋なファミコンサントラであったのだが、IIIに関しては「悠久の風」と称したコンセプトアルバムのみが長らく発売されており、純粋なファミコン音源サントラが発売されたのは結構後の事であったかと思う。

 

なので、サントラに注力する事はなかったのであるが、グラディウスIIIをきっかけとして、アーケードゲームにメインが移行するに従って、私の嗜好も変化していく。もちろん、アーケードゲームのサントラCDである。