音声合成の歴史・アーケードゲーム編。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

世界初の音声合成ゲームは、ナムコの「キングアンドバルーン」とWikipediaにあるが、実質音声合成を前面に押し出した最初のゲームと言えるのは、やはり「沙羅曼蛇」ではないかと思う。前作グラディウスとは異なり、普通にパワーアップアイテムを取りに行くだけのシステムと化した今作であるが、初見ではどれがどれだか分かりづらかったりもしたのだ。そのためだか知らないが、ゲームにおいて初回にパワーアップが出現した時のみ、スピードアップだったら"Pick it up for speed up!"と喋る。

 

北米版の沙羅曼蛇と、それを基にした国内版のライフフォースではさらに喋りまくり、新たにステージ突入時や、警告音声などが追加され余計に喋りすぎだろ、とも思ったぐらいであったが、要はそれだけ音声が売りとなった時代でもあったのだ。次回作であるグラディウスIIでもこの傾向は続いたが、IIIにおいては容量のせいもあってか、音声自体はクリアになったものの、数自体はかなり減ってしまった。そして、私がまともにやりこんだアーケード版はこのIIIからであったのだが、それまでファミコン版のIIしか喋るグラディウスは知らなかったので、開始早々からDestroy them all!と喋ったのには驚いたものだった。

 

しかし、当然何と言っているのかは全く分らなかった。私は英語の成績自体は良かったのだが、当然学校でリスニングやスピーキングの授業などは皆無だったので、ゲーメストのバックナンバーを手に入れるまではさっぱり理解どころか聞き取り事態不可能だった。

 

もうひとつの音声合成の雄と言えば、ナムコの「源平討魔伝」であろう。まあ、アーケード版であれば容量にも余裕があるし、喋りまくるのは分かるのであるが、1990年に発売されたPCE移植版ですらアーケード版と同等のクオリティ、そして数で喋りまくったのには本当に驚いた。しかも容量は1メガバイトにも満たないたったの4Mbitである。

 

そして1990年代以降で言えば、やはりストリートファイターIIだろう。当時は一部必殺技とレフェリーのボイスぐらいであったが、どこのゲーセンでも波動拳、昇龍拳、の声がやたらと店内に響き渡っていたので、ストII初プレイ前でもそれだけでもうストIIと言うゲームの存在を認識できたものだった。また、ストIIはラウンド10制だったので、1から9の数字自体も全てボイス収録されている(10はファイナル)のだが、それはコンティニュー時のカウントダウンにも流用されている。当時はすぐにゲームオーバーになったので毎回その画面を見る羽目となってしまったが、まさかそんな画面まで喋るなんて、と思ったものだった。

 

のちにSNKが格ゲー史上に参入すると、本格的に声優や舞台俳優などを起用し始め、必殺技だけではなく掛け声もここぞとばかりに喋りまくり、エンディングの一枚絵も全て音声で喋ってくれる。このあたりはネオジオの大容量の本領発揮、と言った感じであったが、一応キャラクター自体は多国籍なのに、ボスのクラウザーとアクセルホーク以外は全て日本人による日本語ボイスと言うのはリアリティに欠けていた。

 

それはカプコンも例外ではなかったのだが、ストリートファイターの版権がカプコンUSAに譲渡されてからは、主導権が移った事もあって全てのキャラクターに英語ボイスが追加、さらに家庭用ではキャラ毎に変更まで可能となった。英語であれば世界共通語なので、春麗だろうがザンギエフだろうが、英語でも違和感はない。ようやく、IIのサブタイトルであった「The World Warriors」の通りになってきたな、と実感したものだった。
 

他にもナイトストライカーなどのボイスも印象深かったが、個人的にはやはりグラディウスシリーズと、ストリートファイターシリーズに尽きる。意味も分からずになんとなく口真似していたあの当時が懐かしく思い出されるものだ。