アニメ関連のブルーレイは、まず間違いなく北米版の方が安いので、日本版が高いと感じたらすぐに北米版も検索するようにしている。北米版の方が安い、というのはDVD黎明期からの常識なのであるが、その理由は単純に英語版と日本語版の需要が桁違いに異なるからである。世界中をマーケットに出来る英語版と、基本的に日本と言う国でしか需要がないガラパゴス版とでは、それはもはや言わずもがななのである。
もっとも、前にも触れたように特にアニメの大ファンという訳ではない自分は、これまで購入したアニメかつ北米版と言えば、スタジオジブリの一部、北米版エヴァンゲリオンDVDBOX、そしてドラゴンボールZKAIシリーズのうち1枚ぐらいしかない。そして、今回それに加えて新たな作品が加わった。言うまでもなく、Demon Slayerこと鬼滅の刃である。
もちろん日本版も存在しているのだが、Amazonの説明によれば1作につき2話しか収録されておらず、さらにそれにも関わらず5500円ほどもする。一方の北米版も検索してみると、大体6500円ぐらいが相場であり、一見北米版にしては高く思える。しかし、その中身のボリュームが圧倒的に違う。なんと1商品につきディスクが3枚、ちょうど半分の13話収録なのだ。つまり2巻買えばそれだけで全話揃ってしまう、という事なのだが、あいにく後編は翌年1月発売だと言う。もちろん、ボイスは日本語と英語いずれも収録されており、日本語しか理解出来ずとも堪能出来る訳だ。
しかし、世の中そうはうまく行かないものであり、パッケージの説明文を読むと「これはアメリカ、カナダ、メキシコのみで視聴可能です」と書いてある。ブルーレイのリージョンはアメリカも日本も同じAであるはずなのに、と誰しもが思うだろうが、私はこれで初めてリージョンとは別に視聴可能な国コードが別に設定されている事を知ったのだ。
確かに、日本のAmazonでも容易に北米版が購入出来る時代、格安なそればかり購入されたら確実に日本版の市場に影響が出る訳であり、それは分かる。しかし、それならリージョンコードの意味ないじゃん、とも思ったが、まあ事情を考慮したら仕方がない。しかし、これには実に簡単な抜け穴が存在した。何故か国コードが最初からアメリカに設定、なおかつ容易に変更可能なPS3、もしくはPS4を使用すれば良いだけなのであった。
ゲームをしない人は新たに購入する必要はあるものの、ゲームと親和性が高いであろうアニメファンであれば、元々ブルーレイプレイヤーとしての評価も高い両機種であればいずれかは所有している事だろう。そうでなくとも、PS3であれば大抵1万円未満で購入出来るので、リージョンフリープレイヤーを使う以外なかったDVDの頃と比べればハードルは低い。
そういう訳で、無事新品を購入し、再生する事が出来た。さすがに4Kではないのでサブスクリプション版と目を見張るほどの違いは感じられないが、それでもさすがにビットレートは高いと思うし、そうであるとも信じたい。そして、現行英語音声はこれでしか聴く事が出来ないはずなので、日本、しかも大正時代を舞台にしている作品で英語音声、とはいかがなものかと思ったが、日本語音声はいつでも、スマホですら見れるので、ここはあえて英語音声で視聴している。
英語字幕も収録されているが、こちらはジブリなどとは異なり日本語音声を英訳しているものであり、英語音声とは合ってはいない。これは英語学習者にはあまり喜ばしくはないのであるが、逆にネイティブにとっては英語音声と合っている方が嫌うらしい。その理由は不明ではあるのだが、確かにエヴァンゲリオンの英語版もそうだったし、UK版の香港映画なども全てがそうだった。逆にオリジナルが英語音声のアメリカ映画やドラマなどは全て合っているはずなので、最初から英語学習目的の人たちはそちらを視聴してください。
なので、英語字幕があると実際のセリフと異なる事に混乱しがちとなってしまうので、ここはあえて字幕なしで見ている。ストーリーを理解しているとは言え、大体聞き取れるのは7割ぐらいであろうか。しかし、それでもやはり面白い。26話全て見終わった後でも、また新鮮な気分で見れるというのは良いものである。