電子書籍 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

ゲームや音楽、そして映像関連の物理メディアに関してはコレクションと言う要素も含まれている訳であり、デジタルの方が便利だとは理解しつつも割と最近までパッケージメディアに拘っていった。しかし、昨今の家庭用ゲームは、パッケージでも全てPCのようにインストールする必要があり、ディスクの使用はもはや認証に過ぎない訳であり、そう考えるとその入れ替えはもはや手間以外の何物でもなくなる。そういう訳で、本格的にゲームを再開してからはほぼ全てダウンロード購入で済ませている。

 

CDなどもしばらくはパッケージに拘ってきたが、結局それも買った所でCDにインストールしてiPhoneでしか聞かなくなってしまうし、また基本デジタルの方が安いという事もあるのでこちらも円盤を買う事は皆無となった。さすがにゲームのように市販品が全てデジタル化されている訳でもないので、ゲームなどのニッチなジャンルであればCDを買うしかないのであるが、それ以外は基本もう買う事はない。

 

対照的に、映画に関しては未だにブルーレイを買う事は多い。もちろん、そのほとんどはブルース・リーなど過去の香港映画のリマスターだったりするのだが、さすがにこればかりは配信とはいかないので今でも円盤を購入している。それでも、そんな特別な事情がない限りはネットフリックスやAmazonプライム、Huluで十分だし、これだけサブスクライブしていればそれなりの金額が発生してしまうとは言え、もはや動画と言うのはお金を払って自分の見たいコンテンツをいつでも見る、と言う時代なのだから、多少の出費は仕方ないものなのだ。アメリカなどではすでに30年以上前からPPVが主流であるが、日本ではスカパーなどが誕生してからもテレビは無料で見るもの、と言う固定概念が消えなかったので、30年経ってようやく日本も世界標準に近づいたと言えるだろう。

 

そんな自分が最後まで物理メディアに拘ってきたのが本である。こればかりはデジタルでは味気ないと思い、kindleなどがメジャーになってからもずっと紙に拘ってきたのであるが、2018年12月頃、ジャッキー・チェンの最新の自伝であるNever Grow Upが発売されたのをきっかけにほぼ完全に切り替えた。

 

元々は2013年頃に中文で発売された本らしいのだが、5年経ってようやく英語の翻訳版が発売された。サウスチャイナモーニングポストでも報道されたぐらいに話題となっていたので、すぐにでも読みたかったのであるが、日本のAmazonから注文は出来たものの最短でイギリスから2週間ほどかかるという事なので、さすがにそこまで待つつもりもなくそこで初めてkindleで注文した。

 

そこでようやく電子書籍の利便性に気付き、以降kindleで購入出来る本は全てそれで購入していった。昨今、「鬼滅の刃」の単行本が売り切れ続出のニュースに関して、ヤフコメでは案の定「やっぱり紙がいい」と相変わらず典型的な保守的日本人的なコメントで溢れているが、確かに紙ならではの良さはあるし、またコレクションと言う点においてはさすがに物理メディアにはかなわない。それは認めるものの、だからと言って電子書籍の存在を否定する必要もない。むしろ総合的なメリットを考慮したらどう考えても電子書籍一択だ。

 

海外渡航にはガイドブック、日本人旅行者御用達の「地球の歩き方」、そして自分はそれに加えて英語版「ロンリープラネット」を持っていくのが常であるが、所有している人なら分かるとは思うが1冊持ち運ぶだけでも結構重い。2015年から使い始めたLCC、「香港エクスプレス」では7kgまでしか機内に持ち運べないのであるが、これだけで貴重な重量を結構使用してしまう。もちろん、街歩きに関しても結構な負担だ。それが、kindleにしたら全て解決。タブレットを運んでもせいぜい300グラム程度だろうし、もちろん何冊入っていても重量は変わらない。そして、その使い方ゆえにガイドブックはすぐにボロボロになりがちであるが、電子であればその心配もない。当然、バッテリーが切れればそれまでとは言え、海外旅行にはモバイルバッテリーは必須だし、ガイドブック程度の使用であれば1日でバッテリーが切れるという事もない。これはもう大変なアドバンテージだな、と実際に渡航した時に改めて実感したものだった。

 

「鬼滅の刃」に関しても、これだけの作品であれば紙で購入する事も考えたが、どっちで読んでも内容は変わらないし、とにかくすぐに読みたかったので映画を見終わった後に即kindleで購入した。電子書籍どころかネットすらなかった時代は、当然行ける範囲の本屋でしらみつぶしに探すしかなかった。「ドラゴンボール」の最新刊なども初日に完売してしまっていたので、大きな本屋が出来る前などは学校に行く前にセブンイレブンで購入したものだった。まあ、それはともかく、前者に関してはそれはそれで楽しかったりもしたのであるが、やはりそんな経験をしてきた自分からすれば、本当に電子書籍と言うのは便利な事この上ないものだ。

 

音楽や映像のサブスクリプションや、kindleのサービスももちろんアメリカから誕生したものであり、特に音楽などはもはやデジタル購入どころかアップルミュージックなどのストリーミングが完全に主流だと言う。となると、欧米人と言うのはパッケージなどなくともなんでも見れれば聞ければいいと言う考えなのだろう。それが良いのか悪いのかはともかく、なぜアメリカの企業がつねに世界のトップを走っているのかが分かる気がする。