香港・台湾においての漫画事情。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

今回の「鬼滅の刃」のように、日本で特大ヒットする漫画やアニメが公開される度に、必ずする事が香港や台湾での人気ぶりをGoogleで調べる事である。日本で人気のある漫画はほぼ100パーセントに近い確率で近隣諸国でも人気爆発するのが恒例なのであるが、当然の如くこの「鬼滅の刃」もその例にもれず、やはり大人気のようであり、YouTubeで台湾のニュースなどを検索すると、すでに日本で記録更新した一連のニュースなどがすでに報道されているほどだ。

 

香港においての報道は発見する事は出来なかったが、こちらも11月12日に封切りがすでに決まっており、おそらくこちらもすでに公開済みである台湾並のヒットを記録する事は間違いないであろう。香港では中文と英文の字幕が表示されるのが普通なので、音声は日本語と言うのは珍しくはないのだが、YouTubeを見る限りすでに広東語版も存在するようなので、おそらくそちらで公開されるのであろう。

 

さて、これまで触れてこなかった香港・台湾でのアニメ事情であるが、まあ一度でも足を運んでみた人であれば一目瞭然、ほぼ100パーセント近くは日本の漫画ばかりである。前述したように、日本で大ヒットした漫画はほぼ現地でも人気が出る事は間違いないので、街中を歩けば様々な日本のキャラクターを見る事が出来る。ここ10年ぐらいは現地でも韓流の勢いが凄く、残念ながら日本の文化は全盛期に比べれば衰退気味なのではあるが、さすがにメイドインジャパンの漫画とアニメは別格であり、他を全く寄せ付けない確固たる地位を誇っている。

 

そんな日本の漫画で溢れている現地であるが、その中でも別格的存在のキャラクターがいる。それはまごう事なき「ドラえもん」である。専門店へ行かずとも、香港の街を歩けばセブンイレブン、吉野家、お土産グッズ、そしてマクドナルドのハッピーセットと、まずお目にかからない事はない、と思えるほどの人気ぶりである。それは2015年1月、香港版アニメで長年声優を務めた林保全氏の訃報が、各新聞で一面で報道された事からも伺える。日本でももちろんドラえもんは国民的キャラクターであるものの、それでもドラえもんを含む声優の訃報が一般紙の一面を飾る事はないのではないだろうか。

 

私が愛読する英字新聞である「South China Morning Post」でも大きく報道されたのだが、この時に掲載された「今の40代で誰がドラえもんの声を知らないであろうか?」や、「声優であれば誰もが留守番電話のメッセージに彼の声を使用したかった」と言うコメントなどにはさすがに私もぐっとくるものがあったものだ。

 

まあ、香港だけではなく、東アジアであれば日本並みの認知度を誇るドラえもんなのであるが、それでも香港でのドラえもんの愛され方と言うのは別格である。もはやメイドイン香港と言っても過言ではないほどの愛されぶりなので、日本人としては「ドラえもんは日本で生まれたキャラクターなんだよ!」と言いたくもなるほどなのであるが、さすがに良識ある香港人の事なので、その辺りの認識はしっかりしているようである。

 

ここで何故、現地では日本の作品ばかりが席巻し、相変わらずご当地のものはさっぱりなのか、と言う理由なのであるが、華人は子供の頃から将来お金持ちになって安定した生活を送るべき、と言う思想が植え付けられているので、まるで対照的な漫画家と言うハイリスクな職業を選択する人たちなどほとんど居ないからである。

 

まあ香港だけではなく、諸外国ほとんどそうなのかも知れないが、まあそれを抜きにしても日本のレベルが世界一なのは間違いない所だろう。さすがに北米ではマーベルとディズニーにはかなわない、と言うのが私の認識ではあるものの、世界規模で言ったらやはり日本のほうが受け入れられているのではないかと思う。昨今、家電製品などは中韓に押されっぱなしであり、あのメイドインジャパンの栄光はいずこへ、と言った感じではあるのだが、それでも漫画・アニメで日本を脅かせる存在は皆無だろう。

 

そして、当然これらの作品は、特別なお店ではなく普通に本屋やCD・DVDショップにて買う事が出来る。さすがに中文漫画は買っても仕方がないのであるが、DVDであれば日本語音声もあるし、価格も正規品であっても日本よりかはかなり割安で買う事が出来るので、英語音声などが不要なのであれば穴場だ。自分的には買ってまで見たい作品と言うのはないのであるが、シティーハンターの映画版DVDが格安だったので3本ほど買った事がある。もちろんリージョン3であるが、マルチリージョンプレイヤーを使用している自分であれば問題ない。また、かつてジャッキー・チェンが映画化した事からも、シティーハンターもかなり現地では人気のあった漫画のひとつだ。

 

大体現地では以上のような感じであるが、やはり海外で日本のキャラクターやゲームなどが席巻している様子を肌で感じると、改めて日本人として生まれた事に誇りを感じるものだ。そしてそのオリジナル版を真っ先に堪能出来る事に感謝である。