今現在でもたまにあるが、当時購入していたDVDのほとんどが海外盤だった時は、日本で公開中、あるいは公開前の映画を自宅で
楽しめるというのが最高の優越感だった。そこで、ここでは私自身が日本劇場公開中、あるいは前に自宅で鑑賞していった作品を順に紹介していこうと思う。
香港国際警察 NEW POLICE STORY(新警察故事 New Police Story)
香港でのDVDリリースは非常に早く、この作品も劇場公開からわずか3ヵ月ほどで発売されたと思う。香港盤なのでリージョン3、言語は広東語と中文、英語である。当時はまだまだの英語力であったとは言え、一応「英語は絶対勉強するな」方式の勉強を1年以上は続けていた頃だったので、映画の英語字幕ぐらいであったらなんとか理解は出来た。日本では翌年の3月頃にようやく公開されたが、当時は韓流真っ盛り、相対的に香港映画の公開が少なくなっていたため、劇場数は極わずかであり大作の続編としては寂しいものがあった。ただし映画自体は大変面白く、後に英語版も発売されるとすぐに購入した。もちろんジャッキー・チェン本人の吹き替えである。他は知らないが、英語が堪能、と言うかほぼネイティブのNicholas TseとDaniel Wuもそんな気がする。
力道山(역도산 Rikidozan)
韓国では2004年12月に公開されたが、どういう事情か日本での公開はそれよりも1年以上遅れ、2006年3月になってようやく公開と相成った。と言う事は、その時点で当然韓国版はリリースされていたものの、これだけはさすがに劇場で見たかったので、地元のシネコンで鑑賞した。当時はプロレス暗黒期であり、それでいて力道山のメモリアルイヤーでもなんでもなかったため、あいにく館内はガラガラであったものの、私自身は非常に感動したため、鑑賞後すぐにCDWOWにて購入した。
英語と韓国語字幕のみであるが、話の大半は日本語で進行されるためにほとんど問題なく見れる。韓国語で会話されるシーンは当然英語字幕が頼りであるが、かなり簡潔な翻訳なために高校生レベルの英語でも理解可能だろう。また、オリジナル版では力道山自身がシャープ兄弟と思われる外国人に、勝敗について相談し金銭を授与するシーンがあるのだが、さすがにそれは大人の事情か日本版ではカットとなっている。
ベスト・キッド(The Karate Kid 2010)
ちょうどフィリピン留学と同時に英語圏で公開され、2か月後に日本でも公開されたが当然その時はまだフィリピン滞在中、帰国後はすでに上映終了ととうとう劇場鑑賞がかなわなかった映画である。もちろん、正確に言えばフィリピンでも見れたのであるが、公開直後はまだ敷地内に引きこもっていたし、また当然英語音声のみなので、当時の英語力では理解も出来なかったと思うので断念した。
北米版ブルーレイリリースは同年10月なのであったが、どうした事かクレジットが簡体中国語のDVDが8月頃にはセブ市に出回っており、日本劇場公開中真っただ中ひとり部屋で鑑賞出来た。もちろん英語字幕が頼りであったが、それだけでも十分ストーリーを理解出来たぐらい、自身の英語力向上を実感したものだった。
42~世界を変えた男~(42)
それなりに野球に詳しい人間であれば、42がジャッキー・ロビンソン、かつMLB全球団の永久欠番を思い浮かべるだろうが、その通り彼の物語である。とはいうものの、普通の一般日本人はほとんどの人が知らないと思われるので、その辺りの事情か北米よりも半年以上遅れての劇場公開となった。しかし、内容は素晴らしく号泣必至であり、鑑賞後すぐにすでにリリースされていた北米版を安く購入したものだった。
BRUCE LEE MY BROTHER(李小龍)
ブルース・リー実弟のロバート氏原案による、これまであまり描かれていなかったブルースがアメリカへ行くまでの香港生活を描いた物語である。2010年11月香港公開であったが、翌年2月に初渡航した際にすでにブルーレイ化されていたので、迷わず購入した。198香港ドルと、平均的な香港ドルの市場を考慮すると3000円程度になるのだが、当時は超円高時代だったために2100円程度と破格であった。内容も悪くはないが、他の伝記映画とは異なり、当然アクションシーンが少なくドラマ中心なのと、日本軍による侵攻も描かれているため、個人的には複雑な気持ちになってしまった。
Ip Man 3 and 4(葉問3,4)
フィリピン滞在中にスピーキングの先生が絶賛しており、当然私も購入してみたのだがどうにも広東語音声+英語字幕と言うのは今一つ見る気がなく、結局数年後に香港で北米版ブルーレイを買うまで見る事はなかった。しかし、それまで見なかった事を後悔するぐらいに内容は素晴らしい。ただ、日本版では2が初めに劇場公開された事から、正規の1は序章と言うサブタイトルが付けられているのだが、こちらは日本軍と、そして前者は終戦後のイギリス人たちと闘う、と言う、日本では力道山時代的な映画が未だに制作されているというのはいささか複雑な感情は覚えた。まあそれだけ、外国勢力の侵攻がどれだけ華人社会に傷を負わせたかが窺い知れるのであるが、それは私たち日本人が考えている以上に深い傷跡として残っているという事なのだろう。
マイク・タイソンが出演して話題となった3と、最終となる4は日本でも劇場公開されたが、やはり小規模であり、いずれも公開前、公開中に英語版ブルーレイをAmazonで購入し鑑賞した。