海外盤DVD購入歴・その1 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

私が初めて購入したリージョン2・NTSC以外のDVDは、1999年に北米でリリースされた5枚組の「BRUCE LEE MASTER COLLECTION」だ。「燃えよドラゴン」以外の主演4作品と、「ブルース・リーの神話」が収録されているBOXセットであり、全て当時の北米劇場公開版がそのまま収録されている、今となっては貴重なバージョンとなっている。

 

当時の国内盤のブルース・リーを始めとする香港映画のDVDは、リマスターはもちろんアナモフィック画面でもない香港メガスター盤をそのままパッケージを変えただけのものばかりであり、一部ジャッキー・チェンの作品を除けば当然英語音声も字幕もないものばかり、しかもNTSCにも関わらず、PALマスターの早回しバージョンと言う有様であった。

 

当時すでにブルース・リーの海外盤DVDをサイトで紹介している方がおり、そこから上記北米盤の存在も知ったのであるが、管理人曰く「世界最高のクオリティ」と言う触れ込みであり、もちろん英語音声・字幕入りなのでこれが欲しくてたまらなかったのだ。しかし、当時の海外盤購入のハードルは非常に高く、英語もままならなかった私は個人輸入などままならず、基本輸入DVD屋へと直接行くしかなかった。

 

そこで、目を付けたのが新宿のビデオマーケットである。かなり割高であったが、当時発売開始されていたUKのHKレジェンドなども扱っており、輸入盤を購入するのには最も手っ取り早い場所であった。幸い、上記のBOXも在庫があったので、取り置きしてもらった。ちょうど1万円と、定価の倍はしたとは思うが、当時の国内のDVDの相場からして、1枚あたり2500円であれば十分安いと言えた。

 

しかし、手に入れても再生できるプレイヤーがなければどうしようもない。当時、リージョンフリープレイヤーはまだまだ出回っておらず、安くとも5万円程度はしたのであるが、さすがにそのBOXだけのためにそこまで払えなかった。ただ、当時はPCで色々していた時代であったので、辛うじてPS2でも再生する事は出来た。

 

ちょうどその頃、フランス盤の「千と千尋の神隠し」が発売され、国内盤とは異なり「赤くない」事が一部で話題となっていた。それからさらに数か月後の2003年4月頃、北米でも同作品が発売されたのであるが、多少劇場版とは色調が異なってはいたものの、こちらも「赤くない」、さらには国内盤では未収録であった英語音声も当然ながら収録されていた。俄然興味を持った私は、すでに当時存在していた、日本語で北米版DVDを注文できる「Fantasium.com」より、(日本人が運営するサイトとは言え)初めて北米版DVDをオンラインストアにて購入した。

 

片面2層の同作品はさすがに色々は出来なかったので、ここで遂にマルチリージョン機を購入する必然性が生まれた。その頃、国内サイトでもじわじわと、パイオニアやJVCのアジア仕様を改造したマルチリージョン機が発売されていったのだが、まだまだ高額な代物であった。しかし、当時逐一それらの情報をチェックしていた私は、名前はもう憶えては居ないが、韓国メーカーのある廉価プレイヤーが、コマンドによりリージョンを無効にできる機能が搭載されている事を知った。

 

幸い、町田のヨドバシに在庫はあったので、早速購入してコマンドを入れてみた所、見事成功。無事、「千と千尋の神隠し」はもちろんの事、ブルース・リーの北米版BOXもそのままで再生する事が出来た。がしかし、その反面画質の悪さに愕然とした。当時はまだPS2メインで使用していたが、D2出力すら対応していないタイプにすら大きく劣る画質であったのだ。当時はHDはもちろん、プログレッシブ出力すら未対応の4:3ブラウン管を使用していたとは言え、それでも一応D端子によるコンポーネント接続が可能だったソニーのWEGAだ。決して粗悪品ではない。にも拘わらず、あまりの画質の悪さに、そこで初めてプレイヤーによるクオリティの差がある事を知ったのだった。

 

どのぐらい使ったのかは全く覚えていないのであるが、2004年初頭ぐらいからそれなりにクオリティが高く、しかも1万円台で入手できる中華製マルチプレイヤーがドンキホーテや、秋葉のお店を中心に出回るようになり、それらが容易に手に入るようになると速攻で前述の韓国メーカーのはヤフオクで売り飛ばした。これらのプレイヤーは概ね満足であったのだが、やはり国内メーカーと比べると安っぽいし、何よりリジューム機能がないのが面倒であった。

 

この2004年と言う年は、個人的にはマルチリージョン機全盛とも言っていい年であり、ネットでもパイオニアやJVCのメーカー製がようやく3万円未満で買えるようになってきた頃だ。個人的にはJVCがお気に入りであり、画質はもちろんの事、PAL-NTSC変換もパイオニアより優れており、さらにリジュームが30枚分可能、と言う事で、しばらくはメインで使用していった。

 

しかし、当時はまだ4:3ブラウン管を使用していたのだが、16:9対応のDVDを再生すると、画面が自然に上下に圧縮されて走査線がきめ細かくなるというモードがついていた。ソニーの場合はV圧縮と言い、この項でもそれに従うが、後期のあるJVCプレイヤーは自動でそれに対応していなかったのだ。

 

これは国内の独自端子によるD端子オンリーの機能であり、それが付いていない海外プレイヤーでは不可能、と言う事であったのだが、以前のJVCのプレイヤーや、パイオニアの全プレイヤーではコンポーネント・D端子変換ケーブルを使用した場合可能であったので、ここでひとまずJVCの選択肢は終了した。

 

それから、国内のプレイヤーでもフリーに改造可能なファームウェアまで出回ったりしたおかげで、以降はパイオニア一択となり、現在も2008年に購入したフラッグシップ機を使用している。ブルーレイはめでたく北米と同じリージョンAとなったが、その報を聞いた時は歓喜したものだった。

また、話は前後するが、当時はまだ国内Amazonでは輸入盤は取り扱っていなかったので、北米版の入手先は主にAmazonであった。もちろん送料は割高になるが、価格自体は非常に安かったので、エヴァンゲリオンのDVDボックスなどもトータルで6000円程度だった気がする。前述のFantasiumに関しては、Amazonよりも割高なので、余程の事がない限り使う事はなかった。また、初期の頃はヤフオクで代行業者も居たので、1回だけ北米版の酔拳2を頼んだこともあるが、まあほぼ北米Amazon一択だった。

 

しかし、ひとまず香港映画に関しては、北米版はそれほどクオリティは高くはなかった。さすがにブルース・リーの新BOXではそんな事はなかったが、英語音声が収録されていても、そのほとんどが新規録音であったので、これにもがっかりさせられた。なので、当時の香港映画ファンにとってのメインは、UKの香港レジェンドを始めとする欧州版であり、これは避けては通れない道であったのだ。