XboxOneユーザーを最も悩ましたのはアケコンの供給不足である。初期はHORIがRAP、そして旧マッドキャッツもアケコンを販売していたが、私がXを購入した2019年4月の時点ではすでにいずれも入手困難であり、仕方なくBrookのコンバーターをいくつか購入していったもののいずれも遅延が大きく使い物にならず、しばらくの間まともにアクションやシューティングをプレイする事はかなわなかった。一応、RazerのAtroxがまだ入手可能であったとは思うのだが、360にもコンパチならともかく、格ゲーやシューティングが不毛のOneのためだけに25000円ほど払うつもりなどはさらさらなかった。
秋になり、BrookがUFB用の専用ケーブルを発売してからは、UFB化のハードルが一気に下がり、私も旧360のアケコンをそれに換装したおかげで、ようやくまともにプレイする環境が整ったのであるが、初代TEとプレミアムVLXはすでに10年以上前の代物であり、確かに当時の最高級アケコンだけあって今でも通用するクオリティ、特に前者はそうなのであるが、さすがにPS4は最先端のアケコンを使用している以上、出来ればOneでもそうしたい、と言う願望は消えなかった。
そこでAmazonで検索していった所、発見したのがRAPNを元にしたソウルキャリバー仕様のXbox360とOneコンパチアケコンであった。当時、すでに旧パンテラやオブシディアンを愛用していた私にとって、HORIはすでに眼中になく、さらにキャラクターコラボアケコンにはどうしても抵抗があったので、買う気は起きなかった。しかし、2020年夏ころから、それまで18000円ちょいしたにも関わらず、在庫処分なのか一気に12000円ちょいぐらいまでに値下がりしたので、購入を検討するようになった。
同時期にBrookの新コンバーターも発表され、大いに迷ったのであるがマイクロソフトがXSXにおいてもOneの周辺機器が使える事を発表、それに、いくらUFBやコンバーターが使えても、可能であればやはりライセンス品を使用したいのが本音。もし、運よくXSXを購入出来れば、買ったその当日からいきなりアケコンを使用出来る。そして、もはや在庫限りの代物で12000円と言う値段も破格だ。
と言う訳で、10月5日頃に注文し、アメリカから直輸入ながらもわずか10日で届いてくれた。作りはAmazonにもあるように、完全にRAPNと同じではなく、そこから連射装置と裏面のすべり止めを抜いたものとなっている。パーツはもちろんお馴染み、かつ今なお賛否両論あるハヤブサパーツだ。試しで動かしてみるだけだといい感触に映るのだが、実際にゲーム上でプレイしてみるとどうしても三和電子との違いに違和感を覚えてしまい、結局これまで買ってきたHORIのアケコンは全て換装してしまった。
しかし、思った以上にBrookのコンバーターが優秀だったので、三和を使いたければPS4のを使えば済む事。と言う訳で、今なおそのまま使用しているのだが、音こそ多分にやかましいものの、操作性に関してはそれほど悪くはないと感じた。もちろん、格ゲーに最も使いやすいように開発されているのだろうが、正直三和にセイミツのバネの強さをミックスしたその操作性は、格ゲーよりもシューティングに向いているような感じがした。言うまでもなく、360はシューティングの宝庫なので、360にも使用可能、と言うのは何よりもの強みだ。
もちろん、360にはRAPVXSAと言う、完全三和使用、かつ今なお歴代最強レベルの無遅延と言う傑作アケコンが存在するものの、正直今となっては古さがぬぐえないし、何より個人的に天板に完全に手のひらを置けるタイプが好みであるので、ゲーセンのコンパネを模した旧RAPはいまひとつ自分には合わないのだ。それに、応答速度に関して言えばRAPNも最速レベルなので、体感出来るほどの差もないだろう。
連射装置はともかく、底面のすべり止めがないのは明らかにマイナス点ではあるが、それ以外は概ね満足、特に半透明のガワと、キャリバーの美しいイラストレーションが思ったほどカッコよく、箱から取り出した瞬間はかなりテンションがあがったものだった。テンションが上がるイコール所有欲が満たされる、イコールゲームをもっとやりたくなる、楽しめる、と言う意味にもなるので、個人的には大満足。買って良かった。