アーケードスティックのお話・その11 個人的なベスト5 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

国内外の主要アケコンはほぼ網羅してきたので、この辺りで超主観的なベスト5を挙げていこうかと思う。

 

5. HORI REAL ARCADE PRO HAYABUSA N

 

 

筐体自体はPS3時代に開発されたものであるが、PS4バージョンはさらにその側面にタッチパッドが付き、そしてもちろん曰くつきのHAYABUSAレバーとボタンが標準装備されている事が特徴である。これより半年前に発売された、2017年RAPHAYABUSAと並行に発売されているので、どちらを選ぶか悩んだ人も居るかと思うが、配置に拘らなければ断然こちらである。

 

まず、利点としては手のひらが完全に置ける事。リモデルしてからのRAPはビュウリックス筐体の感覚に近づけるため、天板が小さく斜めの所に手のひらが被さるようなフォルムとなっているのだが、個人的にはこのタイプはやり辛く、そう言う人は断然Nの方が良いだろう。そして、Vは各種ボタンが真横に付いているのだが、一応天板に名前は貼られてはいるものの、これが非常に使いづらいのだ。大会での押しミスを避けるため、とあるが、それなら無効化するスイッチでもつけておけば済む事だ。それに対して、このNは左上に全て位置しているので、押しミスがなくVを使った後だと使いやすい事この上ない。正直、これだけでもVよりかはこちらを買った方が良いと思えるほどだ。

 

そして、何気に連射装置が付いているのも大きい。今はシューティングでもほぼソフト連射が付いているので、不要に思えるかも知れないが、PS3で初代PSのソフトを起動する時などには実はかなりこれは使える。なので、今でもアーカイブスをプレイしている人ならこれも十分買う理由に値するだろう。もちろん、初期のストIIで本田やブランカを使う時にも有利だ。
 

欠点は、重さの割には中身はスカスカであり、天板も薄いのでレバーとボタンの音がかなり響く事だ。三和電子のレバーに換装してもそうなのだから、この点で上位機種にはかなり劣るし、作りの安っぽさも感じてしまう。それが嫌なのであれば、もっと上を狙った方が良いだろう。

 

4.HORI FIGHTING EDGE 刃

 

 

 

現行におけるHORIのフラッグシップである。まず、天板が金属なので汗がついてもすぐに落とせるのが大きい。もちろん手のひらを完全に天板におけるし、かつ横長の作りでもあるのでいかにもアケコンと言うフォルムも良い。おそらく天板の面積は現行のアケコンで最大だと思うが、それを活かすためかどうかは不明なものの、ノアール配置と言うのもポイントだ。正直、ビュウリックス配置だとかなりスペースが余るだろうし、手のひらを完全に置こうにもポジションが違ってくるはずなので、構えた時の安定性を考えたらノアール配置しかなかったと思う。もちろん、筐体の安定性も素晴らしく、この安定感の安心感は最高峰である事は間違いない。

 

欠点は、こちらもV同様にボタンが側面である事、しかもデザイン性を重視してかボタン位置の表記もないので、これだけで色々やろうとするのは無理がある事だろう。そして、もちろんHAYABUSAユニット内蔵であるが、慣れれば十分行けるだろうとは思うのだが、やはり三和電子がなじみきったゲーマーには合わないだろう。ボタンのカラーは刃オリジナルとなっているが、押しづらくはないものの、表面のザラザラが安っぽさを醸し出していてしまうというのも、2万円のアケコンには不向きだろう。もちろん、三和への換装は容易であるが、天板はともかく筐体は結局プラスチック製であり、中の空洞も大きいので他機種ほどの静穏性は感じず、フィーリングも劣ってしまうのが残念。それでも、さすがにフラッグシップモデルだけあって、下位の機種よりかは間違いなく使い心地はいいし、モチベーションも上がるのは間違いない。

 

3.Victrix PRO FS

 


ここからのトップ3が本命である。現行のアケコンでは、Brookの完成品を除けば最も高い350USD超えのこのVictrix FS PROである。金属製のフォルムは素晴らしく、そしてボタンの下がなだらかな曲線を描いているのがとても美しく、そして使いやすい。配置はビュウリックスが基本であるが、本来のよりもレバーとボタンが若干離れており窮屈ではないので、ポジションも安定する。そして、ワンタッチで筐体を開く事が出来る作り、ケーブルをガワにそのまま巻ける仕様、そして天面のボタンと側面が光るというゲーミング仕様として、これだけ見るとさすがに4万円のアケコンだな、と唸らざるを得ない。もちろん、レバーを簡単に外せるLink2も特徴であるが、個人的にはアケコンを運ぶ必要もないし、またそれによってフィーリングも変わって来てしまうので、すぐにノーマルに戻してしまった。

 

それがなぜ3位なのか、であるが、これは単純にレバーとボタンの静穏性とフィーリングが、今一つ上位には劣るからである。これは個人の好みに過ぎないのであるが、正直4万円としては期待したほどでもなかった。なので、所有欲は間違いなく感じられるものの、それを求めなければあえてこれを選ぶ必要はないとは思う。また、Brookなどのコンバーターへの対応もほぼしていない。

 

2.Qanba Obsidian

 

 

海外の上位機種では最も入手性が高いのがこれである。ボタン配置がビュウリックス完全オリジナル、と言う事で、ノアール配置が好みだった自分としては買うのに長らくためらいがあったものだったが、実際に使ってみると杞憂に過ぎなかった事を思い知らされた。まず、膝置き、机置きとどちらでも安定するそのフォルムが素晴らしい。そして、何と言ってもレバーを動かした時のフィーリングが気持ちいい。旧パンテラほどの静穏性はないものの、とにかく常にレバーを動かしていないと気が済まない、と思うぐらいにその感覚が最高なのだ。もちろん、ボタンのフィーリングも素晴らしく、さらに天板にほぼ手のひらが収まるのはもちろん、下に向かって微妙に傾斜しているのもとてもやりやすい。

 

欠点は、見ては分からないがレバーが若干長めな所だ。これは触れば一瞬で分かる事なので、最初はこれは合わないな、と思ったほどであるが、これはスティックの金属板にナットを1枚だけかます事で直す事が出来る。レバーのネジは赤い接着剤できつく締められているので、回す時は必ずまともなドライバーと、出来ればネジのすべり止め剤を使う事。

 

今でもアタッサストアに定期的に入荷しているし、性能、入手性を総合的に考慮すれば今からアケコンを買うとなるとこれ一択に等しいだろう。何故か人気がHORIに集中し、こちらの定価よりも遥かに高値で転売されていたりもするが、はっきり言ってナンセンス。HORIのどのアケコンであろうと、このオブシディアンを上回っている面など皆無に等しい。それぐらい、全てにおいて高いレベルでまとめられているアケコンと言える。絶対おすすめ。

 

1.Razer Panthera

 

 

そして1位は文句なしでこの機種、通称旧パンテラである。とにかく、レバーを動かした瞬間に、他のアケコンとはモノが違う事が一瞬で分かるだろう。筐体が音を抑える作りになっているのだとは思われるが、とにかく同じ三和パーツを使っていながら、どうしてこうも感覚が違うのか、と思うぐらいに他機種との差は歴然だ。マニアックな例えであるが、それまでアルミフレームのロードバイクしか乗った事のない人が、カーボンの上位機種に乗った時と同じぐらいの差は感じるであろう。もちろん、ボタン一つで簡単に開ける作りも素晴らしい。よってパーツの換装も非常に容易ではあるのだが、個人的にこのアケコンだけは黒以外は合わない、と感じ一切の手を付けてはいない。

 

難点は、ヘッドホンジャックがない事と、そしてケーブルが特殊で壊れたら替えがきかないかも、と言う事ぐらいだったのだが、最近なんと日本のAmazonで取り扱いが始まったので、とりあえず今なら壊れても大丈夫である。ヘッドホンが使えないのは、格ゲーにはあまりヘッドホンのメリットは感じられなかったので、些細な問題であろう。今オリジナルを入手するのは非常に困難であるものの、天板が固有のゲームの物は今でも新品で入手可能なものもあるので、それが気にならなければ絶対にお勧めだ。今でも、このアケコンを超えるものは個人的には存在しない。