アーケードスティックのお話・その10 MadCatz TE | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

すでに倒産してしまった旧マッドキャッツが、日本初進出を果たしたのがストリートファイターIVとコラボした初代のトーナメントエディションのアケコンである。当時、どのような形で日本で販売されたのかは良く分からなかったのだが、とにかくそれまで日本では全くの無名だったメーカーが、かのウメハラ氏が日本人として初のプロゲーマー契約を結んだことにより、一瞬で日本のゲーマーにその名が知られる事となったというのはちょっとした事件であった。

 

その2か月前となる2008年年末、HORIがそれまでのブラスト配置が基本であったRAPのデザインを一新し、当時すでにアーケードで主流となっていたビュウリックス筐体を元とした新生RAPを発表した。早速私も購入したのであるが、やはりストII世代の私としては旧RAPの方がしっくりきたし、さらには遅延もかなり分かるレベルで発生してしまったので、これは使い物にならない、と思い速攻ヤフオク行きとなってしまった。それでも、一応最新のストリートファイターシリーズは体験しておきたかったので、安くなってから買ったと思うが、その時は仕方ないので変換機を使ってプレイした事かと思う。

 

当然、変換機を使用すると遅延は避けられなかったのであるが、正直、RAPの遅延もかなり酷かったおかげで、その差はあまり感じなかったとは思う。そして、それが影響してかPS3では私好みのゲームがあまり発売されなかった事により、ほとんどブルーレイ専用機となっていったのだが、とうとう2009年9月にXbox360エリートを購入してからは、すでにWiiも所有していたとは言え、自身のメインストリームはほぼ360へと移行していったのである。

 

当然、メイン機となる以上、必然的にアケコンも必要となるのであるが、当時まだHORIは360用のRAPは未発売だったため、選択肢としてはマッドキャッツしか存在しなかった。しかし、個人的にコラボのアケコンはあまり欲しくはなかったので、前述のストIV仕様のは買う気はなかったのであるが、ほぼ同時期にアジア仕様となる通称白TEを発売と相成ったので、それを購入していく事にした。

 

それまでのRAPはまだ1万円台前半だったので、実売18000円前後とは当時としてはとんでもない高額と言う感覚だったのであるが、私は運よく16000円ちょいで購入する事が出来た。HORIの新生RAPは前述のようにビュウリックス筐体を元にしたものであるが、個人的にボタン配置も手前の傾斜もあまり好みではなかった。ゲーセンではスペースの都合上横長だけであり、家庭用ではやはり手のひらをしっかりと天板に置いておける方がいい、そんな自分にとってこのTEと言うのはまさに理想的なフォルムであった。

 

発売前、ファミ通のレビュー記事も参考にしていったが、やはりそれに関しては好意的に触れられていた。そして、ボタン配置こそビュウリックスと呼ばれる一番左以外のボタンは全て水平となっているのが特徴であるが、レバーとボタンの位置は元のビュウリックスよりも若干離れている。アメリカ人の体格なども考慮したのかも知れないが、これが絶妙で実にやりやすいのだ。現在でもパンテラやVictrixのように、ボタン配置こそビュウリックスなものの、レバーとの間は若干離れているのが存在するが、これも同じ理由だろう。個人的には元の配列でもやり辛くはないのであるが、それでも幅広い方がやりやすくは感じるものだ。なので、この白TEの配置と、そしてボタン下部の天板スペースは文句のつけようがなかった。

 

そして、ストII世代、かつシューティングゲーマーの私としてはやはりセイミツレバーが一番しっくりきたので、入手とほぼ同時に換装した。無改造でつけられるのであるが、当時のセイミツレバーにはシャフトカバー付のものが存在しなかったので、シャフトがむき出しとなり錆びてしまうのが難点ではあった。それでも、当時の自分にはセイミツへのこだわりは捨てられなかったので、しばらくはそれで通した。ボタンは三和の方が連打しやすかったので、レバーとボタンで違うメーカーと言うのは基本好きではないが、変える理由もないのでそのままにしておいた。

 

翌年、RAPプレミアムと、そして通常のRAPいずれも販売され両方購入したが、さすがに前者はとっておいたものの、後者はやはり傾斜が自分には合わずにすぐにヤフオクで売ってしまった。前者は正直実用性には欠けたし、なのでゲームに飽きるまで実質白TE一台で凌いでいった。

 

そして、PS4時代となり、メイン機が完全に移行してからはほぼ使う機会もなくなってしまった。しかし、XboxOneXを購入した時、PS4に比べアケコンが充実していない事に気付くと、Brook製のコンバーターを購入し、久々に日の目を見る事となった。最初は違和感なくそのまま使えていったのであるが、すぐに遅延が大きい事に気付いた。さすがに360では感じなかったので、完全にコンバーターの仕様だったのであるが、これをきっかけにアケコンについて興味を抱き始めると、なんとこのアケコンそのものにも遅延が発生していたのだ。

 

さらに、それとは対照的に、以前売却したHORIのRAPが歴代最速の反応速度だという。早速Amazonマケプレで購入し検証した所、確かに明らかに反応速度が異なっていた。遅延にシビアな私としてはここで完全に見切りをつけざるを得なかったが、それでも歴代の名器として名高いこの白TEを単なる置物にしておくのはもったいない、そこで思いついたのがUFB化であった。

 

高度な改造は私の技量では無理なのだが、ちょうど千石電商でコネクタが販売開始されたので実に簡単にUFB化する事が出来た。PS4仕様のボタンは不要なので、改造も横にXボタン用の穴をつけるだけで済んだ。そこで久々に中身を空けてみたのであるが、天板こそ一枚構造なものの、ベースのガワが極力空洞を排除する作りとなっており、これはスカスカなHORIとは全く対照的であった。これがどういった違いを生むのか、のであるが、要は静穏性とレバーとボタンの感覚がまるで異なっていくのだ。パーツ自体は同じ三和製品なのだからそう違いは生まれないはずなのだが、なかなかどうしてこれだけでまるで違う製品じゃないか、と言うぐらいに変わって来る。

 

この時、すっかり慣れた新品の三和電子のレバーに再換装したのであるが、非常に感覚も静穏性も素晴らしく、それは現行のパンテラやオブシディアンと比べても全く遜色ないものであった。なるほど、これがHORIではなくマッドキャッツが一時はアケコン界を支配した理由か、単に契約したから使っている、と言う理由だけではなく、やはりかのウメハラ氏が長年使い続けていっただけの理由がやはりそこには存在したのだ。

 

そして、しばらくはその改造を施しただけだったのであるが、今日になってわざわざ秋葉原へと出向き、メインボタンを全て新品に購入した。PS4は全て最新のアケコンなのに、Xboxだけが旧型機だったので、せめてボタンとボールのデザインだけでも、と言う気持ちだったのだが、いざ換装したのを見ると思いのほか格好よく、これならまた新鮮な気持ちでプレイ出来る、と言う気になれたものだった。

 

一応、元からUFB基板を積んだ台湾製のアケコンも販売されているが、完成品で49800円、ガワだけでも29800と言うのはさすがに高い。なんのアケコンも持っていなければそれ1台で済むので経済的かも知れないが、さすがにほぼXbox専用機となるであろう自分にとっては割高であり、それなら旧型機をUFB化した方がよっぽど経済的である。なので、Oneを所有しているけどアケコンが手に入らない、と言う人は、格安で360のアケコンを購入し、それでUFB化に挑戦してみてはいかかだろうか。