久々のWindowsPC | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

実に5年半ぶりぐらいにWindowsPCを購入した。家族で購入した最初のシャープ製のメビウスこそラップトップであったが、それなりにPCに詳しくなった2台目以降は全てデスクトップに拘ってきた。自作まではしなかったものの、CPUやビデオカード、サウンドカードの交換などは自分でやったし、ベンチマークにハマっていた頃は何種類ものビデオカードを試してはヤフオクで売る、の繰り返しをしていたほどだった。

 

そんな拘りは2010年頃まで続いていったので、フィリピン留学の時は改めてラップトップを買わざるを得なかったのだが、この時は携帯性を考慮し、当時ちょっと流行っていたネットブックを購入していった。今となってはほとんど聞かれる事はないのだが、一応説明しておくとネットブックというのは単なる性能が低いだけの小型のラップトップPCだ。当時はよく知らないまま買ってしまったのだが、搭載されているCPUはセレロンどころかもはや地雷CPUの代名詞とも言えるAtomであり、それはそれは何から何まで遅いことこの上なく、せいぜいネットサーフィンとブログの更新程度にしか使えなかった。

 

もちろん、帰国と同時にお蔵入りとなったので、2011年に2度目の留学へと向かう前は、ディスクドライブ付きのフルスペックのラップトップを購入していく事にした。時代はすでにいよいよスマホやタブレットに突入していこうか、という頃だったので、2000年代前半のようにPCで動画や音楽CDの編集を行う事が劇的に少なくなっていき、PCゲームもやらずせいぜいCPUに依存するだけのエミュレーターオンリーだったので、ビデオカードはオンボードで十分だった。

 

そこで選択肢に上がったのが、当時すでに世界でトップクラスのシェアを誇っていたLenovoであり、PCの世界に入った頃では考えられない5万円台で購入する事が出来た。もちろん、それよりも安いのはあったのだが、最低でもCorei3以上のCPUが欲しかったので、それにした。Coreiの中ではエントリークラスに位置するものの、それでも2000年代初頭のPentium4などとは比較にならないほど早く、当時どうにもならないぐらい遅かったサターンのエミュもサクサク動いたので、自分的にはそれが動けば十分だった。

 

それから3年後、もう少し速いCPUが欲しかったので、再び同じLenovoのB590のCorei5モデルを購入した。しかし、1年ほど型落ちのモデルとは言え、スペックほど高速には感じず、さらには立ち上げからOSが安定するまでも異様なまでに時間がかかったため、すでにiPhoneやiPadを愛用していた事もあって、結局PC離れを加速させるだけの結果となってしまった。

 

それからと言うものの、PCへの関心は一気になくなり、ネットもスマホとタブレットオンリーになってしまったのであるが、両者ともアップル製品だった事もあって、次第にMacへの憧れも抱くようになっていった。しかし、特にクリエイターでもなく、今やネットやオンラインショッピング、そしてiPhoneのバックアップ程度にしかPCを使う事のない自分が、最低でも12万円ほどするMacbookを購入する事はかなり長い間躊躇ったものだった。結局は2018年6月に決断していったのであるが、型落ち品とは言えさすがに高級機であるMacbook Proなだけあって何から何まで爆速、あっという間にどハマっていき、PCは完全にMac中心、Windowsにはもう戻れないな、というほどであった。

 

しかし、そうであっても数時間も使えば不満は溜まって来る。一番は、やはり外付けHDDに残しておいたWindowsの遺産が活かせない事であった。動画とかならなんとかなるが、ゲーム系のアプリなどはほとんどWindows専用となるためこればかりはどうしようもなかった。もちろん、Steamも登録こそ出来たものの、お目当てのゲームの大半、というか全てはWindows専用。端子もUSB-Cが2つあるのみで、そのままではこれまでの周辺機器を接続する事すら出来ず、USB-Aに変換するハブの購入は必須だった。

 

しかし、その辺りのデメリットを考慮しても、Macの使い勝手は最高だったし、今更エミュレータを使うほどゲームにも凝ってはいなかったので、しばらくの間は問題なかった。そんな時、思わぬ所でWindowsの必要性を痛感する出来事に遭ってしまう。2019年の7月頃からアケコンにハマりだしたのだが、超名機であるRazerの旧Pantheraを購入した時、ファームウェアが更新されておらず遅延が大きいままだったので、改めて最新のFWをインストールする必要に迫られたのだ。

 

しかし、ダウンロードしたファイルはMacBookでは開けず、先述したLenovoのPCを使わざるを得なかったのであるが、久々の起動だけあってデスクトップ画面から安定するまでも時間がかかりまくり、さらにそこから解凍してダウンロードにさらに時間と、この時に初めてWindows機も必要だな、という事を実感させられたのだ。

 

もちろん、アップデートは1度で良いので、この時だけ耐えれば良かったのであるが、その後Brookのコンバーターをアップデートした時も散々待たされたため、その度にWindowsの必要性を実感していった。

 

その後はお店などでも物色はしていったのだが、やはりMacBookの洗練されたフォルムに比べると、どうしてもWindows機はダサく感じてしまい、実際に目の前にしてしまうとなかなか購買意欲はそそられていかなかったものだった。

 

その中で、あからさまにMacをパクった感じのHUAWEIのMatebookなどは良さそうな印象を受けたのであるが、こちらもMac並に12万円はする代物だったし、さらにゲームを動かすには向いてなさげな印象も受けたので、良さそうとは思いつつも購入に至る事はなかったのだ。

 

しかし、5月に入りSteamのセールでいくつか購入するものの、やはり起動までに異様なまでに時間がかかる、かつゲームを選択すると落ちるコナミアーケードクラッシクスなどの存在もあったりするなど、やはりWindowsは必要だな、という事を再認識させられ、再び価格コムなどで物色していったのだ。

 

最初は、AsusのゲーミングノートPCが良さげな印象を受けたが、ゲームメインでラップトップを購入するのはなんか違うな、と思い、またそこで躊躇いが生まれていった。そこでさらに他を物色していくと、なんとHUAWEIのMatebookの7万円台の新作が発表されているではないか。確かに上位機種に比べると落ちる点はあるものの、YouTubeやネットのレビューを見る限り、これは買って間違いのない製品だと確信、そして運良く町田のヨドバシに在庫がある、との事で、購入を決めた翌朝にはすでに片手に握りしめていたのだ。

 

そして5年半ぶりの新品のWindowsPC、そして初のHUAWEIのPCでもあった訳だが、ダークグレー自体はあまり好みではないものの、MacBookを思い起こさせるボディやキーボードの質感はやはり素晴らしいものがあった。画面は15.6インチと、ブラウジングするだけであれば4:3に近い方が理想なのであるが、今回はゲームも考慮した事もあるので意図的に選んだ画面サイズであったので問題なかった。

 

そして、MacBookはもちろん、Lenovoもグレア液晶だったので、ノングレアという事を知った時は少しがっかりもしたのだが、今や世の中のほとんどのPCは後者だし、そして長時間ブラウジングをした際に明らかに目へのダメージが少なかったので、もはやグレアの方が違和感あるぐらいだ。動画ならテレビを使えば良いし、ゲームもHDMIで映し出せば問題ない。ただ、その場合多少の遅延は感じてしまったので、利便性も考えたらそのままで良いだろう。

 

そしてそして、ゲームと同等の利点として、外付けHDDに溜まっていた過去の遺産を再び活かせる瞬間がやってきたのは何より大きい。ほとんどが5年以上前のファイルであったが、中には10年以上前に撮影した自身の画像などもあったりして、それだけでも懐かしく何時間も費やしてしまったのものだ。

 

そして、Lenovoで散々悩まされた読み込みの問題も、SSDだけあって爆速。確かにハードとOSを一体で設計されているMacには敵わない面もあるかも知れないが、やはりそれまでがそれまでだっただけに、Windowsでもこの速さは本当に感動ものだった。指紋認証も爆速であり、特に私のMacBookには内蔵されていない事もあって、これは本当に便利だと思ったものだった。

 

文字はMacの方が読みやすいし、タッチパッドの使いやすさも遥かに上、そしてiPhoneやiPadなどとのリンクを考えたら、まだまだMacの存在意義は大きいのであるが、それでもやはりWindowsPCは必要なのだ、という事を改めて実感させられたものだった。本当、初めてPCに触れたあの時を思い起こしてしまうほど、今回も夢中になってしまったものだ。