皆が入れ替わりで記念撮影って感じだったんだけど、
ホントに精巧に出来ているものだから、
本当に本物と一緒に写真を撮っている感じで楽しめましたね。
アジアの映画俳優を初めとして、
世界中の著名な政治家、歌手、スポーツ選手、
そしてイギリスの皇室一族まで、
ありとあらゆるセレブリティがそこには居ましたが、
やはり俺のテンションを最も高めていったのは、
香港の偉大なクンフースターたち。
ミシェール・ヨーを初めとして、
順にジェット・リー、ドニー・イェン、ジャッキー・チェン、
そして…もちろんブルース・リー!
いつ、どこにブルース・リーの人形があるのか、
やっぱりそれが一番気になって、
ドキドキしながら中を回っていたものだけど、
「死亡遊戯」のトラックスーツに身を包んだ彼を見た瞬間、
俺のテンションは最高潮に達したものです。
が…前回「一部の人形を除き精巧に」と書いたように、
その一部はあまり似てはいないんだけど、
「その一部」に残念ながらブルース・リーが当てはまっていてしまったんですよね。
だから俺が発した第一声は「似てないな!」

設置場所も前に写真で見た時と違って、
何か中途半端な場所でぞんざいだな、とも思ったし、
隣のジャッキー・チェンが異常に似ていて、
しかも良いスポットだったものだから、余計に憤りを感じたね。
ジェット・リーもスポットは良かったけど、
本物に比べたら異常にショボくれた感じだったし、
肝心要の2人がこの出来では正直期待外れな面もありました。
で、とりあえずそれはさておいて、
世界中のセレブリティが居並ぶこのマダム・タッソーにも、
少なからず日本人もそこには含まれては居ました。
俺が確認出来たのは、
吉田茂元首相、千代の富士、
そして通称歌姫の浜の3人、
他には鉄腕アトムが居るぐらいだったんだけども、
前者3人が他の世界的人物と、
同等のネームバリューがあるかどうかと問われたら…。
もちろん歴代で歌姫と言われた連中や、
その他の著名な歌手、そしてJの連中などは、、
いわゆる漢字文化圏では
圧倒的な知名度を誇っているのは確かなんだけども、
世界中の人間が知っているか、と問われたら、
やっぱり知っている訳がないんですよね。
映画「SAYURI」でチャン・ツィイーが日本人を演じた時も、
「ああ、やっぱり日本人ではハリウッドでは主役は取れないのか」と
俺的にはかなり悔しい思いもしたし、
何で先進国のひとつでありながら、
世界的に著名なスターを生み出せないのか、と思う度に、
歯がゆい気持ちになってしまいます。
実際他のスターは記念撮影でごった返していたのに、
その3人の周りはガラガラで、
彼女もほとんど興味を示していなかったし、
そういう意味では屈辱的な面もありました。
まあそんな複雑な思いも馳せつつ、
外に出ると先ほどの写真販売、しかし当然スルー、
土産屋もめぼしいものはなく、
それ以前に金がなかった事もあり同様にスルー、
そのまますぐに展望台へと向かいました。
そこへは当然エスカレーターで向かうんだけども、
いわゆる吹き抜け状態、
上から下が一気に見下ろせる作りなんですよね。
少年時代、海老名のダイエーに初めて行った頃から、
どうしても俺的にはこの作りが苦手で、
この手の場所に行く度に足がすくんでしまうんだけども、
ここは高さがその比ではなかったから、
真面目にエスカレーターの上で動けなくなってしまったほど。
幸い下まで見える場所はわずかだったから、
何とか上までは行けたんですけどね、
でも出来れば登りたくねえな、と普通に思った。
そして改めて入場券を買い、
いよいよ展望台に辿り着くと…目の前に広がるのはもちろん、
あの「百万ドルの夜景」がそこにはありました。
これは本当に言葉では表現出来ないぐらい美しく、
人生の中においてもこれだけ美しいものを見たのは、
おそらく初めてではないか、そのぐらいの光景でしたね。
出る言葉は感嘆詞しかなく、
ひたすらこの場所に居たい、俺の頭にはそれしかありませんでした。

もちろんさすがにそういう訳にも行かないし、
彼女に「Enough?」と言われた事もあって
名残を残しつつもピークの夜景を後にしたのです。