村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」
そして読み始めたのだが、もう、ひとつひとつの言葉が響きます。
はっ!としてばかり。
走らない方からよく聞かれる例の質問。
「走っている時に何を考えていますか?」
わたしは、いつもうまく応えられなかったのだけど、
春樹様もその質問には考えこんでしまうらしい。
でも、さすがは世界の村上春樹です。言葉力がぜんぜんちがう。
こう例えている。「走るときに浮かんでくる考えは、雲に似ている。形をかえ、さっていく。で、そこには必ず空が残る」と。
で、その空のことも、また的確に書いてらっしゃるのだが、まあ詳しくは本をよんでください。(手ぬき)
それにしても、たった32Pでムチウチになるくらい頷いてしまった。
仕事もあるのに、読みきりたい衝動にかられてきた。困ったものだ!!
わたしが高校生の頃、「ノルウェーの森」がでた。小説家志望だった高校生の私は、とても感銘したと同時に、自分の居場所をみつけたようでほっとした。
村上春樹なら私のことわかってくれる・・・と、なんだかわからないけれど、深く共感し、それから20年弱、彼の本を読み続けている。
でも思春期を通り越し、大人になるにつれ、わたしは、少しずつ、春樹ファンではなくなっていった。なんだかもっと現実的なものを好むようになった。
けど、今、久しぶりに、この本にであったら、女子高生だった頃のわたしが、顔をだし、
「ほら、いったじゃない。春樹はわかってくれるよ」と言っている。
わたしが言葉にしたいのにできなかった、走る世界が、活字ですらすらと表現されていく。
勝手に運命を感じてしまう。・・・って、これって、ただのファンってことか。
