所有権=(法令の制限内で)所有物を自由に使用し、利益を得、処分できる権利
所有権の取得
①無主物先占
無主の動産を所有の意思をもって占有するとその所有権を取得することができる
(野生の動物など。判例ではゴルフ場内の池の底のボールはゴルフ場の所有に属するので無主物ではないとしている。)
なお、無主の不動産は国庫に帰属する
②遺失物の拾得
公告手続(一定の事項を広く一般に知らせること)をとることによってその後3ヶ月以内に所有者が判明しないとき、拾得者が所有権取得する。
③埋蔵物の発見
公告後6ヶ月以内に所有者がしれなかったときは、発見者が所有権を取得。
ただし、他人の土地、建物の中で発見されたときは発見者と土地あるいは建物の所有者が折半して所有権取得。
④附合
所有者の異なる2個以上の物が結びついて分割できない1コのものになること
○不動産の附合
土地に木を植える・賃借人が借家に造作を施す等
不動産と動産が結びついた場合は不動産の所有者が所有権を取得
○動産の附合
壊さないと分離できない、あるいは分離に多額の費用を要する等
附合した動産のうち、主たる動産の所有者が合成物の所有権を取得
しかし、主従の区別がつきがたいときは各動産の価格の割合に応じて共有することとなる。
⑤混和
所有者の異なる2個以上の物が混じってどれが誰のものか識別できない場合
たとえば穀物や酒などが混じりあう等 附合と同様に扱われる
⑥加工
他人の動産に加工して新たな物をつくり出す。
附合・混和と違い、モノに労力を加える。
加工物の所有権は原則、材料の所有者が有する
加工者が材料の一部を提供した時は提供した材料の価格+加工費が他人の材料費を超える時に限り
加工者は加工物の所有権を取得できる。
⑦添付(附合、混和、加工)の効果
添付により所有権が消滅した時はそのものの上にあった権利は消滅しかわりに合成物の上に存在することになる。また、添付により損失を受けたものは、相手方に不当利得を理由として償金をせいきゅうすることができる。
相隣関係(隣人との紛争調整)
①隣地使用請求権
垣根や建物をつくったり修理したりするときに隣地に立ち入る必要が生じた場合
必要な範囲内で隣地の使用を請求できる。
なお、この使用により隣人が損害を受けた時はその償金を請求できる
②公道にいたるための他の土地の通行権
自分の土地が袋地などのとき、公道に出るために他の土地を通行することができる。
ただし、通行する場所、方法は通行権者が必要とし、かつ、隣地のためにもっとも損害が少ない方法を選ばなければならない。
なお、通行権者は必要があるときは隣地に通路を開設することもできる。
通行権者は通行権行使により隣地に損害を与えた場合は償金を支払わなければならない。
ex.土地を分割あるいは譲渡したことにより公道へ通じなくなった場合は
元同じだった土地のみ通行可。そこを通るときは償金を支払う必要はなし。
③自然流水の受忍義務
低地の所有者は土地の高低により隣地から自然に流れてくる水を妨げてはならない
ただし、土砂崩れなどにより低地へ水が流れないような場合は高地の所有者が困るのでこの場合は自らの費用で工事することができる。
④境界標
境界を示す境界標の設置および保存の費用は隣接する土地の所有者が平等の割合で負担
ただしその際の土地の測量費用は土地の面積に応じて分担しなければならない。
⑤塀(囲障)の設置
塀の設置および保存費用をそれぞれ平等の割合で負担しなければならない
ただし、これと異なる慣習がある場合はその慣習に従う。
※境界標、塀などは隣同士の共有物と『推定される』
これをくつがえす証拠があればどちらかの所有物という主張もできる
⑥境界を越える竹木
枝が境界線を越えてきたときはその竹木の所有者にその枝を切るよう要求できる
枝→要求のみ
根→切り取ることができる
⑦境界線付近の建築物の建設
境界線より50cm以上の距離をおかねばならない。
かりにその距離をおかないで建築しようとするものがあった場合その建築の中止あるいは変更を請求できる(ただし工事着手から1年経過後または建物完成後は損害賠償の請求のみ)
⑧観望の制限
土地の境界線より1m未満の距離において窓あるいは縁側・ベランダを設けるものは目隠し(ブラインド等)をつけなければならない。これと異なる慣習がある場合はその慣習に従う
共有
複数の所有者が共同して所有。
各共有者は共有物の全部をその持分に応じて使用できる。(全面的所有権ではない)
持分は共有者の合意や法律の規定で決まる。不明確な場合は持分は等しいと推定される。
各共有者は持分については他の共有者の同意ナシで処分できる
共有者の1人が持分を放棄した時、あるいは死亡した際相続人がいないとき、その持分は他の共有者に帰属する
共有物の処分、変更→共有者全員の同意が必要
共有物の管理→持分の価格に従い過半数で決する。ただし、共有物に対して不法行為を行う者の排除(保存行為)は単独で行うことができる。
共有物の分割→いつでも共有物の分割を請求できるが、5年を超えない期間内で分割しないという特約を締結できる。5年を超えない範囲で更新もできる。
なお、境界標や塀は分割しては意味がなくなるので分割請求の規定は適用されない
分割の協議が調わなかった場合、その分割を裁判所に請求することができる。
251にち