正当な理由なく債務不履行があった場合、
法は、自力救済を認めず
国家機関が債権実現の手続きをする←強制履行という
◎強制履行するには。
「債務名義」という文書が必要
債務名義・・・本当に債務があり履行すべき状態にあることを証明する ex.確定判決
注:自然債務(裁判所に訴えても履行を求めることが出来ない債務)は強制履行できない。
◎強制執行の種類
①直接強制
債務者の財産を裁判所が差し押さえ、競売して、その売却代金(売得金)を債権者に交付する
動産の引渡が目的の債権の場合裁判所の執行官が債務者の占有を解いて債権者に占有を移す等
②代替執行
裁判に基づき債権者が債務者の代わりに第三者に債権の内容を実現させその費用は債務者から強制的に徴収するという方法
③間接強制
定められた期間内に債務を履行しないと一定金額の金銭支払いを命じる等の方法で債務者を心理的(間接的)に圧迫し債権の実現を促す方法。
その債務者でなければできない債務を強制する場合に使われる
また、債務者が法律行為をすべき義務を負っているときは
債務者が意思表示しなくても
「債務者は○○という意思表示せよ」という判決を得ることで
債務者が現実に意思表示した場合と同様の法律効果が生じる
履行期の種類
①確定期限
期日が確定しているのだから当然その期限の到来したときから遅滞になる。
②不確定期限
○○が△△したら、とうように期限が到来することは確実だがいつかは明らかでない期限。
期限が到来し、かつ債務者がこれを知った時から履行遅滞になる
③期限の定めのない債権
債権者はいつでも履行を請求できる。
債務者が履行の請求を受けた時から遅滞になる
ただし、消費貸借契約における返還債務は債権者の催告から相当期間経過後に遅滞となる。
判例:不法行為に基づく損害賠償債務は催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥る
債務不履行の種類
①履行遅滞
要件
・債務を履行すべき期日(履行期)に債務の履行が可能なこと
・債務の履行期が過ぎたこと
・債務者の責めに帰すべき事由があること(債務者に故意・過失または信義則上これと同視できる事由があること)注意:逆にいうと、債務不履行責任を免れるためには債務者が故意過失がなかったことを立証しなければならない。
・履行しないことが違法であること(債務者に留置権や同時履行の抗弁権などの正当な理由があるときは履行遅滞責任生じず。)
効果
客観的には履行可能なので、債権者は強制履行の方法により債権をそのままの姿で実現させることができる
同時に履行が遅れたことによる損害の賠償も請求することができる。
参考:履行補助者(債務者が履行のために使用するもの。債務者の使用人)の故意・過失は
債務者の故意・過失と同視するのが一般的(使用人を使うことで利益を得ているのだから当然その者の落ち度についても責任を負うべき、という考え)
②履行不能
要件
・債権成立後に履行が不能になったこと
・債務者の責めに帰すべき事由があること
・履行不能が違法であること
効果
履行不能の場合は履行を請求できないので履行に代わる損害賠償を請求することになる
③不完全履行
要件
・不完全な履行があったこと
・債務者の責めに帰すべき事由があること
・不完全履行が違法であること
効果
追完できる場合は、あらためて完全な履行をせよと請求することができる
もちろんこの場合も最初に不完全だったことにより生じた損害賠償を請求できる
追完しても無意味な場合は履行に代わる損害賠償を求めることになる。
追完できる→履行遅滞として処理
追完できない→履行不能として処理
損害賠償
・賠償の範囲→『債務不履行によって社会通念上通常生ずべき全損害』というのが原則
・方法は金銭賠償が原則
・債権者に過失があった場合、裁判所は賠償額を決める際『考慮しなければならない』(不法行為の場合は『考慮することができる』である)
・賠償額をあらかじめ当事者間で決めることができる(違約金は賠償額の予定と推定される)
・債務者がすべて賠償したときは債務者が債権者の地位に取って代わる(損害賠償者の代位)
例)修理を依頼された店にドロボーが入り、修理品を盗まれたので依頼人に賠償した。その後に盗まれた品がでてきたら債務者はその品の所有権を取得できる。
受領遅滞
債務者が本旨に従った弁済の提供をしたにもかかわらず債権者が協力(受領)しないために債務の履行ができないこと
・その責任は債権者が負担
・債務者は債務不履行を免れる
・目的物の保管に関しての注意義務が軽減され、増加した保管、弁済費用を債権者に請求できる
240にち