◎保証債務
債権者・保証人 間の保証契約。
債務者が債務を履行しない時にその債務を保証人が履行するという債務
元金のみならず利息、違約金、損害賠償など、債務者と同じ範囲の責任を負うのが原則。
保証債務は主たる債務を担保するための債務であることから付従性、随伴性、補充制の性質を有する。
①付従性
・主たる債務がなければ保証債務ば成立せず
・主たる債務の内容が変更すれば保証債務の内容もこれに応じて変更し
・主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅し
・保証債務はその目的又は態様において主たる債務より重いものであってはならない
したがって、
主たる債務が100万で保証債務が120万→×・・・
主たる債務が条件付で保証債務が無条件→×・・・このような場合は主たる債務と同等まで減縮される。
※例外として保証人はその保証債務についてのみ違約金、損害賠償の額を約定することができる
②随伴性
主たる債務が移転されたとき、保証債務もこれとともに移転する
ex、債権者が主たる債権を譲渡した場合保証債務も譲渡されたことになる。
③補充性
主たる債務が履行されないときはじめて、債務を履行すべき義務を負う。(補充性)
そのため
保証人は債権者から保証債務の履行を請求された時
催告の抗弁権と検索の抗弁権を主張できる。
○催告の抗弁権
債権者が主たる債務者に支払いを催告せず、いきなり保証人に対して請求してきた場合
保証人は、まず、主たる債務者に請求するよう主張できる。
催告の抗弁権を行使したのに主たる債務者への催告を怠ったために主たる債務者から全部の弁済を受けられなくなったときはただちに催告していたら弁済をうけられたであろう限度内で弁済の義務を免れる。
○検索の抗弁権
主たる債務者に催告した後で保証人に請求してきた場合でも、保証人は主たる債務者に資力があり、執行が容易であることを証明して、まず主たる債務者の財産について執行するよう主張できる。
こちらも、検索の抗弁権を行使したのに、債権者が執行を怠ったとき、弁済の義務を免れる。
保証人の要件
原則として制限ナシ。
しかし、債務者が保証人を立てる義務を負う場合
①行為能力者②弁済可能な資力を有する者
とする。もっとも、債権者が保証人を指名した場合は適用されず。
保証債務の効力
・主たる債務者に生じた事由の場合
債権者と主たる債務者の間に生じた事由は
両者間の新たな契約によって主たる債務の内容が拡張ないし加重された場合を除き
ことごとく保証人に及ぶ。
ex.消滅時効の中断、債権譲渡の通知、時効の完成→時効の援用等
また、
保証人は、主たる債務者の有する債権による相殺を主張することで債権者に対抗することができ
同時履行の抗弁権を援用できる。
※同時履行の抗弁権・・・契約の両当事者がともに債務を負担する場合、相手方が債務を提供するまでは自分の債務を履行しない、と主張すること。
・保証人に生じた事由の場合
債権者と保証人の間に生じた事由は保証人が弁済した場合を除き、主たる債務者に影響ナシ
①債権者が保証人に債権譲渡の通知をしても主たる債務者に対する通知とはならず
②債権者が保証人に請求し、または保証人が債務の承認をしても、主たる債務の時効は中断されない。ただし、
債権者が連帯保証人に請求した時は主たる債務の時効は中断する。
保証人の求償権
保証債務を履行した場合、主たる債権者に対し弁済した額の返済を求めることができる。
要件
保証人は債権者に弁済する前と後に主たる債務者に通知せねばならない。
通知を怠った場合で、
主たる債務者が債権者に対抗できたとき、(債権者から免除を受けていた・相殺できる債権をもっていた等)や、
主たる債務者が二重に弁済してしまったとき
には求償できなくなることがある。
『事前の求償権』
原則、求償は弁済の後にできるものだが、
委託を受けた保証人は次の場合、あらかじめ求償権を行使できる。
①主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産団体の配当に加入しない時
②債務が弁済期にあるとき
③債務の弁済期が不確定でかつその最長期を確定することができない場合において、保証契約の後10年を経過したとき
このような保証人の事前求償に対して主たる債務者は担保の提供を求めたり
あるいは逆に担保を供するなどして、求償を拒絶できる。
範囲
委託を受けた保証人は
弁済額のほか、弁済した日以後の法定利息と費用などを請求できる。
委託を受けない保証人(主たる債務者に頼まれずに保証人になった者)のうち、
保証人になったことが主たる債務者の意思に反しないときは
弁済の当時において、主たる債務者が利益を受けた限度内で求償できる。
主たる債務者の意思に反する場合は求償時において
主たる債務者が現に利益を受けている限度で求償できるにとどまる
『弁済による代位』・・・主たる債務者に対し、債権者が抵当権などの担保権がある場合
主たる債務者に代わって弁済した保証人は債権者の担保権を代位取得する。
◎連帯保証
保証人が主たる債務者に近い立場で責任を負担する特殊な保証。
主たる債務者に生じた事由はすべて連帯保証人に及ぶ(保証債務の付従性)
しかし、次の点で通常の保証債務と異なる。
①補充性がない。
通常の保証債務は主たる債務が履行されないとき初めて保証義務が発生する(補充性 有す)
しかし連帯保証契約ではこの補充性はなく、
債権者は、主たる債務者に請求することなく、いきなり連帯保証人に債務の履行を請求したり強制執行をすることができる。それにともない、当然催告の抗弁権や検索の抗弁権が連帯保証においては無い。
②それぞれ全額保証。
通常の保証債務では保証人が複数いる場合、負担部分を定めるなどの分別の利益があるが
連帯保証においては債権者は連帯保証人に対し主たる債務の全額を請求できる。
③連帯債務規定の準用
「連帯保証人に履行を請求すると、主たる債務者にも効力を生ずる」→したがって主たる債務の時効も中断する
「連帯保証人と債権者との間に混同が生じたときは弁済したものとみなされる」
◎共同保証
保証人が複数いること。
普通の保証人には分別の利益があるが
連帯保証の場合は分別の利益は無く各保証人はそれぞれ全額の弁済義務を負う。
◎貸金等根保証契約
根保証契約・・・一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約。
その要件は→書面によること。極度額を定めること。
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