民法は多数当事者の債権債務関係について
分割債権債務・不可分債権債務・連帯債務・保証債務 の規定を設けている
①分割債権・債務の原則
別段の意思表示(または法律の定め)がない限り
各債務者・各債権者はそれぞれ等しい割合で権利を有し、義務を負う。(427条)
②不可分債権・債務
上記の分割債権債務は給付が分割可能であることが前提。
給付が分割できないもの(不可分給付)である場合においては・・・
各債権者は単独で債務者に対し債権全額を請求できる。(他の債権者にも効力が及ぶ)(時効も中断)
また、債務者は債権者の一人に弁済すれば他の債権者にも債務を履行したこととなり債務は消滅する。
債務者が複数の場合も債務者全員に履行請求でき、債務者の一人に請求すると他の債務者にも効力が及ぶ(時効も中断)債務者の一人が弁済すれば他の債務者の債務も消滅する。
不可分給付には性質上のもの(建物など)と意思表示(特約など)によるものとがある。
③連帯債務
複数の債務者が同一の給付について、各自独立してその全部の弁済をすべき債務を負担するもの。
一人が弁済(代物弁済、供託もOK)すれば他の債務者も債務を免れる。
しかし、連帯債務者は各自独立して債務を負担しているので
債権者と連帯債務者の1人との契約について、無効または取消の原因があっても他の債務者にその効力の影響は及ばない。弁済などのように債権を満足させる事由意外は連帯債務者の1人に生じた事由の効力は他の債務者には及ばない(相対的効力)のが原則
時効の放棄などもこっち
ただし、いくつかの事由は例外。(絶対的効力)
以下の場合は連帯債務者の1人に生じた場合その効力が他の債務者にも及ぶ。
B、CがAから連帯して100万円を借り受け、その負担部分を平等と定めた場合を例に。。。
負担部分・・・連帯債務者相互において各債務者が最終的に分担することとなっている債務の割合。特約がなければ平等の割合。
①請求
BがAから履行の請求を受けるとCも受けたことになる。その結果B、Cの消滅時効は中断する。
②更改
BがAとの間で100万円の連帯債務を消滅させて自動車を給付するという契約(更改)を締結した時は反対の特約がない限りCも債務を免れる
③相殺
本人Bが相殺した場合・・・BがAに対して有する80万円の債権で相殺したときはBが80万の弁済をしたことになり、その結果Cも80万だけ債務を免れ、BとCは、Aに対して20万の連帯債務を負担することになる。
他人Cが相殺を援用した場合・・・CがAに対してBのAに対する80万の債権をもってBの負担部分について相殺を援用したときは、B、CはBの負担部分だけ債務を免れる。その結果B、CはAに対し50万の連帯債務を負担することになる。
④免除
BがAから債務を免除されたとき、CもBの負担部分の債務を免れる。結果、Cの残債務は50万となる。
⑤混同
たとえばBがAを相続したことによってBとAの地位が混同したときはBは全額弁済したものとみなされます。その結果Cの債務も消滅します。
⑥時効
Bの債務が時効で消滅した時はCもBの負担部分だけ債務を免れる。結果Cの残債務は50万となる。
○連帯債務者間相互の求償関係○
連帯債務者の一人は自分が弁済したことによって他の債務者が債務を免れた場合はほかの債務者に対し
負担部分に応じた額の返還を求めることができる。この権利を求償権という。
上記の例でBが100万弁済した場合、BはCに負担部分50万を請求できるということ。
もっとも無資力で負担部分の支払いのできない債務者がいる場合は、他の債務者がそれぞれの負担分に応じてこれを負担することになる。
なお、他の債務者に事前に通知することなく弁済した場合等について
他の債務者が債権者に対抗すべき事由(相殺できる反対債権など)を有してた時は、その債務者はその負担部分についてその事由をもって弁済した債務者に対抗(弁済者からの求償を拒む)できる。
また、弁済した債務者が他の債務者に事後の通知を怠って他の債務者が善意で第二の弁済をしてしまったとき
第二の弁済者は自己の弁済を有効なものみなして第一の弁済者からの求償を拒み逆にこれに対し求償することができる。
しかし、第二の弁済者が債権者から履行の請求を受けていて、履行を請求されたことを第一の弁済者に通知してない場合は事前通知を怠ったとして、第一の弁済者は第二の弁済者からの逆の求償をも拒むことができる。
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