留置権
成立要件
①債権者の債権がその物に関して生じた債権であること
②債権が弁済期にあること
③債権者がその物を占有していること
④占有が不法行為によって始まったものでないこと
留置的効力はあるが、優先弁済的効力はないので目的物を処分してその代金から弁済を受けることはできない。
しかし、弁済をうけられずに長期にわたり目的物を留置せざるをえない不便から留置権者を解放するため民事執行法195条では留置権者に競売権を認めている。
果実収取権・・・留置物から果実が生じたときは留置権者が優先的に債権の弁済に当てることができる
充当の順序は①債権の利息②元本の順である
留置権者の権利義務
目的物の占有にあたって善良なる管理者の注意義務をもって目的物を管理しなければならない。
債務者の承諾なく使用、賃貸、担保に供することはできない。
ただしその保存に必要な使用は管理行為として承諾なくすることができる。
留置権者が上記の義務に反した場合債務者は留置権の消滅を請求できる。
一方留置権者が管理に際して必要費や有益費を支出した場合はこれらの費用の償還を所有者に請求できる。
留置権の消滅
債権が消滅すれば当然に消滅する
そのほかに
①留置権者の義務違反の場合
②債務者が相当の担保を供して留置権消滅を請求した場合
③留置権者が留置物の占有を失った場合
なお留置権は被担保債権の消滅時効を妨げないので消滅時効にかかった場合も付従性により消滅する。
先取特権
一般の先取特権・・・債務者の全部の財産から優先的に弁済を受けることのできる権利
①共益の費用②雇用関係③葬式の費用④日用品の供給
まず、不動産意外の財産から弁済をうけ、それでもなお不足がある場合にかぎり不動産から弁済を受けることができる
特別の先取特権(動産の先取特権・不動産の先取特権)
(1)動産の先取特権
①不動産の賃貸借②旅館の宿泊③旅客または荷物の運輸④動産の保存⑤動産の売買⑥種苗または肥料の供給⑦農業の労務⑧工業の労務
これらのことから生じる債務において、動産に対して先取特権を有し優先弁済を受けることができる
(2)不動産の先取特権
不動産保存の先取特権・・・その不動産の保存に要した費用(修繕費など)についてその不動産から優先的に弁済を受けられる
不動産工事の先取特権・・・工事に要した費用(新築費用など)についてその不動産から優先的に弁済を受けられる
不動産売買の先取特権・・・不動産売買の代価とその代金の利息についてその不動産から優先的に弁済を受けられる
※保存、工事の先取特権は登記をすれば常に抵当権に優先するという強力な効力がある
また不動産売買の先取特権と抵当権では対抗要件である登記を先に備えた方が優先する。
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