「不幸探し」よりも「よかった探し」
ちょっといい天気になったと思ったらまた雨。
春の天気は周期的に変わるものだが、ちょっと違うのは雨の後に温かくならず、寒い日が続いているというところか。
まだ「三寒四温」の季節になっていないのかなぁ。冬としてはまるで積雪のない暖かなシーズンだったのだが。
昨日も少し触れたように、NHKの正午の放送時間帯の構成が以前のものに戻り、全国ニュース、地方ニュースの後に流していた「令和六年能登半島地震被災地の給水・物資配布情報」をやらなくなっている。
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穴水町で断水解消、1カ月前倒し 最大3300戸、奥能登初
能登半島地震で一時全域で断水していた石川県穴水町で、断水が1日に解消したことが4日、町への取材で分かった。最大約3300戸で断水したが、予定より約1カ月前倒しでの復旧となった。特に被害が大きかった奥能登地域の2市2町で、断水が解消するのは初めて。
町によると、神戸市水道局の職員が中心となって漏水検査を担い、町内外の県内業者が参加して作業に当たったことで、スムーズに復旧できたという。水質検査で飲用も可能と確認された。断水解消は当初、3月いっぱいを予定していた。下水も通常に使用できる状態に戻っている。
町の担当者は「一日でも早く水を届けることを考えて休みなくやってきた」と話した。
共同通信 3/4(月) 11:09
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被災地の一つでも、断水が解消されているというし。下水も直りつつある。
地元からの発信では、「とにかく早く」で地上に配管を通している地域もあるということなので本格的な復興ではないが、人々の生活は徐々に戻ってきている。
だというのに、
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発生2カ月「何も変わらない」 遠い復興、人通りまばら 卒業生は決意新た・能登地震
(写真、時事通信より。卒業式を終え、笑顔で記念撮影する石川県立飯田高校の卒業生=1日午後、同県珠洲市)
能登半島地震の発生から2カ月となった1日、被災地は厚い雲に覆われ、時折冷たい雨が打ち付けた。
変わり果てた市街地は人通りもまばらで、復興には程遠い。「何も変わらない」と嘆く声の一方、この日門出を迎えた多くの卒業生は、ふるさとの再建へ決意を新たにした。
避難所となっている石川県珠洲市立宝立小中学校では、地震発生時刻の午後4時10分に合わせて、約20人が1分間の黙とうをささげた。
同市のタクシー運転手森下透さん(57)は今も親族宅に身を寄せる。「自宅は日に日に傾いていく。つぶれるのが先か、壊されるのが先か」と肩を落とした。地震後初めて帰省したという男性(27)は「2カ月たってもこんなに変わらないんだと衝撃を受けた。(復興には)時間がかかると思う」と語った。
大規模火災があった輪島市の観光名所「朝市通り」でも焼け跡はそのままで、市内にはあちこちにがれきが散乱する。酒店を営む日吉童子さん(45)は「商売の町で楽しい場所だったのに、地震後から何も変わっていない。ひど過ぎて何も感じられない」と漏らした。連絡がつかない俳句仲間の友人宅を訪れた女性(80)は「どこへ行ったのか。元気にしているのか」と案じた。
この日は多くの県立高校で卒業式が行われた。珠洲市の飯田高校では卒業生87人が久しぶりの再会に笑顔を見せた。生徒代表の安宅良太さん(17)は「この日を迎えられて本当に良かった」と喜び、「被災で地元を離れて、地元の良さが分かった。いつか教師として飯田高校に帰ってきたい」と力を込めた。
体育館が被災した輪島高校の卒業式は避難者の多い金沢市内で開かれ、卒業生105人が出席。平野敏校長(59)が「輪島に残るみんなは一緒に新しい町をつくろう。いったん離れるみんなもいつの日か帰っておいで」と呼び掛けた。3年生の吉浦葵咲さん(18)は「地震では募金や自衛隊などに助けてもらった。今後は困っている人に自分から声を掛けたい」と話した。
時事通信 3/2(土) 5:55
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まだこんな見出しで記事を書いてしまうマスメディアの「不幸探し病」は救いようがない。
変な「政治的意図」でもあるのかもしれないが、この手の「遅い遅い」「何も変わらない」式の報道はもういい加減にしよう。
せっかく「前を向いて進む卒業生」の写真をつけているのだから、そちらに主眼をおこう。
はっきりいって、輪島の朝市通りのような大規模範囲火災のあったところで「二カ月たって片付けも終わらない」のなど普通。
一昨年の4月に大火事のあった北九州の旦過市場など、はじめの火災の復興途上の8月に二度目の類焼があったこともあり、
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これは1年前の記事です。
北九州市の旦過市場、焼け跡に仮設店舗「旦過青空市場」オープンへ
(写真、朝日新聞デジタルより。完成した旦過青空市場=2023年3月30日、北九州市小倉北区魚町4丁目、城真弓氏撮影)
北九州市は3月30日、小倉北区の旦過市場一帯の焼け跡に建設中だった仮設店舗が完成したと発表した。名称は「旦過青空市場」とし、火災で焼けた店など計21店が入る予定。うち10店が4月中の営業開始をめざす。整備費は約2億5千万円。
(中略)
この日の定例記者会見で発表した武内和久市長は「青空の下で新たな船出をする市場をより多くの方が訪れ、言葉を交わすことのできる場所にしたいという思いが込められている」と説明した。
旦過市場一帯では昨年2度の火災があり、再整備事業の対象エリアまで焼けた。市は対象エリア内の店の一時的な移転先として仮設店舗を建設していた。(城真弓)
朝日新聞デジタル 2023/3/31(金) 21:00
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はじめの火災からほぼ一年。二度目の火災から八カ月たってようやく仮設営業ができるところまでこぎつけられた。
東日本大震災に至っては、(2012/02/18の記事、梅まつりの宣伝(笑))で取り上げたように、ほぼ一年経ってもまだ「瓦礫の山」に悩まされていた。
大規模災害の復興に時間がかかるのは「当たり前」なのだ。
東日本大震災の時に家屋倒壊が一件しかなかったわが水戸市でも、一か月以上常磐線の「音」が聞こえなかった。そういうものだ。
だからこそ、人々は明るい話を見て進む。
「あの」共同通信ですら、
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開業で被災地に「明るい話題を」 北陸新幹線、一番列車の乗務員
(写真、共同通信より。北陸新幹線金沢―敦賀間延伸開業日の一番列車に乗務する車掌と運転士ら=4日午後、福井県敦賀市)
北陸新幹線の金沢―敦賀(福井県敦賀市)間が開業する16日に延伸区間で上りと下りの一番列車に乗務するJR西日本の車掌と運転士が4日、敦賀駅で報道陣の取材に応じた。能登半島地震の被災地出身の運転士もおり、開業で明るい話題を届けたいと意気込んだ。
下りの一番列車で、6時金沢発敦賀行きの「つるぎ1号」の新谷均運転士(42)は、震度6強を観測した石川県珠洲市出身。地震で実家は無事だったが、発生後数日間、母親と連絡が取れなかったという。
上りの一番列車で、6時11分敦賀発東京行き「かがやき502号」の和泉雅寿車掌(41)は「当日は安全第一を心がけ、皆さまに最高の1日を」と話した。
共同通信 3/4(月) 18:24
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「前に進むぞ!」という人たちを取り上げているというのに、うつむく人の首にさらに重りをぶら下げてルサンチマンを増幅させんばかりのネガティブな姿勢は、うんざり。
東日本大震災で停まっていた常磐線がようやく全線開通するという時にも、(2020/01/19の記事、現実を見れない新聞記者なんて……)や(2020/03/14の記事、「まっすぐ事実だけを見る目」を養う)で取り上げたように、「新聞記者」さんは散々厭味ったらしいことを書いて「前に進もう」という被災地の気持ちを折ろうと頑張ってくれた。
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ブルーインパルス、 3月に能登の被災地上空飛行に「見ると腹がふくれるのか?」「支援が先だろ」とネット反発
木原稔防衛相が、能登半島地震を受けて3月に航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」を被災地上空で飛行させる考えを示した。現地での復旧・復興がままならない中でのこの報道に、ネット上には「やることがとてつもなくずれている」「支援が先だろ」「ブルーインパルス見ると腹が膨れるのか?」と批判の声がうずまいた。
ブルーインパルスは北陸新幹線の金沢―敦賀間が開業する3月16日に石川、福井両県で展示飛行を予定している。各社の報道によると、木原防衛相は27日の衆院予算委員会分科会で、「被災者を元気づける一つの方法として大変意義がある。前向きに進めていく」と語った。
一連の報道を受け、X(旧ツイッター)では「ブルーインパルス」がトレンド入り。「もうたくさん!被災地で苦しむ人にブルーインパルスを見せてどうなるの? 当たり前の支援をしないでこんなことばかり」「そんな税金あるなら一個でも多くの物資や仮設住宅持って行かんかい」「輪島市に物資届けに行ったときに見たものと言えば、雨が降る外を一家全員がスリッパで歩いていたんだよ。そんな中でブルーインパルスで感動?バカバカしい」「被災地の人は暖かいご飯を食べて暖かい布団で安心して寝たいんや‼ やることズレすぎてるやろ‼」と怒りの声が殺到した。
建物が崩壊したり焼け落ちたりした画像とともに、「被災地のこの空にブルーインパルス飛ばすのか…」「ブルーインパルスでこれ撤去してみな」「この街の上を飛び回るブルーインパルスを見上げて誰が、心から喜べるんだろ…と」と批判するコメントもあった。
中日スポーツ 2/28(水) 12:33
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まるで自衛隊が空爆したかのような印象操作画像を拡散しているような「それを望むやつら」の声ばかりが流れてくるタイムラインをあたかも「世間の声」であるかのように拡散して「上を向かせまい」とするスポーツ紙など、「クズ中のクズ」だ!(怒)
本日の残り火。
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超新星爆発の残骸捉えた画像公開 観測衛星「XRISM」が撮影
(写真、共同通信より。観測衛星「XRISM」が撮影した、超新星爆発の残骸「SN1006」=2月(JAXAなど提供))
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日、天体や高温ガスから出るエックス線を捉える観測衛星「XRISM(クリズム)」が撮影した新たな画像を公開した。地球から約7千光年の距離にある爆発した超新星の残骸「SN1006」で、直径65光年の球状天体に成長している。
JAXAによると、名前は「源氏物語」を執筆した紫式部らが活躍した西暦1006年に超新星爆発を起こしたと考えられることに由来する。現在も秒速5千キロで膨張し続けているという。
年老いた星は爆発し、宇宙空間にさまざまな元素をばらまく。今回の観測からは、膨張の詳しい状況や元素の放出量を調べられるとしている。
共同通信 3/4(月) 18:29
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えっ? これ本当に7000光年先にある星の写真?
すごい解像度だ。
X線観測したものを可視光線変換しているから「そのもの」ではないのだが、すごいな。
「直径65光年の球状天体」って。さすがにそれは「天体」ではなく「ガス雲」のようなものではないかと思うのだが。かに星雲と比べると、ずいぶんはっきりしている。
これだけの大きさがあると、中で新しい星が生まれている可能性もある。
さすがに1000年ではまだだろうが、もしそこに知的生命体がいたら。彼らに宇宙はどんな風に見えるだろう。
「直径65光年」の範囲のものと観測するだろうか。
「65光年の壁」を突破しようとするモノが現れたりするだろうか。
我々地球人も、実はこんな感じの「半径130億光年の球状天体」の中にいるだけかもしれない……。