ブレーキ踏んで停まっても「事故事故」と囃し立てるのだ | 偕楽園血圧日記

ブレーキ踏んで停まっても「事故事故」と囃し立てるのだ

 ちょっと雪が舞っていたが、さすがにすぐやんでしまった。
 積もったら梅まつりのいい見世物になったんだけどな。


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 新型H3、打ち上がらず 補助ロケットに着火せず H2A後継の基幹ロケット・JAXA


(写真、時事通信より。中止された新型ロケット「H3」試験機1号機の打ち上げ=17日午前、鹿児島・種子島宇宙センター)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午前10時37分、新型ロケット「H3」試験機1号機を打ち上げる予定だったが、固体補助ロケットに着火せず、打ち上がらなかった。
 JAXAは同日の打ち上げを断念し、詳しい状況を調べている。
 H3・1号機は1段目の主エンジンに加え、固体補助ロケット2本を装備している。打ち上げ予定時刻の約6秒前に主エンジンには着火したが、その後固体補助ロケットに着火せず、機体は発射台にとどまった。
 JAXAの新型ロケットでは、2013年8月にも固体燃料ロケット「イプシロン」1号機で、打ち上げの19秒前に姿勢異常を誤検知し、打ち上がらなかったことがある。
 H3・1号機は先進光学衛星「だいち3号」を搭載し、打ち上げから約17分後に所定の軌道に投入する予定だった。
 H3は、2001年に運用を開始したH2Aの後継となる2段式の基幹ロケット。14年の開発開始当初からJAXAのほか、三菱重工業など民間企業が参画し、商業衛星打ち上げ市場での競争力向上を主眼に据えた。 
 時事通信 2/17(金) 11:11

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 NHKのニュースなども張り切って中継映像をとろうとしていたようだが、H3試験機の打ち上げが中断になってしまった。残念。

 本体エンジンの推力だけでは機体は動かないのか。
 だがおかげで打ち上げ途上での破壊処理と違い、エンジンが手元に残った。

 先日、宇宙飛行士の野口さんが、

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 1996年宇宙飛行士候補に選出され、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行うなどさまざまなミッションを遂行してきた野口聡一宇宙飛行士。宇宙滞在期間は344日を超えており、2020年にはクルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還を果たした世界初の宇宙飛行士」として、ギネス世界記録に認定されました。
 そんな野口宇宙飛行士が、「子どもも大人も知っておきたい、驚くべき宇宙の世界」について紹介したのが著書『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』です。
(中略)
 ロケットが地上から宇宙へ飛び立つには、大量の推進剤を短時間で燃焼して秒速約8km(時速2万8000kmにもなります)の宇宙速度に達する必要があります。
 大きな質量を持ち上げ、加速する力(推力)は、エンジンから噴射される燃焼ガスの量が多いほど、また噴射されるガスの速度が速いほど大きくなります。多くの燃焼ガスを噴射するためには大量の推進剤が必要になるわけですから、一般的な衛星打ち上げロケットは打ち上げ前の重量の90%以上を推進剤が占めています。
 巨大なロケットは、実は飲料のアルミ缶のようなもの。機体は限界まで軽さと丈夫さのバランスを追求して作られていて、スペースXが「ファルコン1」という最初のロケットを開発していたころ、飛行機での輸送中に急激な気圧差で機体がへこんでしまったというエピソードもあるほどです。
 一方でスペースシャトルのオービタは私たち宇宙飛行士が搭乗する船室や大きな貨物室を持っていて、通常のロケットのように燃料をたくさん積むことができません。
 そこで、スペースシャトルの打ち上げ時には、全長37.2mのオービタよりもさらに大きな全長56.2mの外部燃料タンクと、補助ロケットの固体ロケット・ブースタの3つを組み合わせます。
 巨大な外部燃料タンクいっぱいに往路の燃料を積み、さらに固体ロケット・ブースタを加えることで初めて、スペースシャトルは宇宙速度に到達できるのです。この状態では飛行機のように水平に滑空して速度を出すことはできないので、スペースシャトルが滑走路を使用したのは帰還のときだけということになるのです。
 東洋経済オンライン 2/11(土) 18:02配信「スペースシャトルが『帰還時』だけ滑走路を使う訳 大量に積み込んだ『燃料』に理由があった」より

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 という解説記事を書いているものに、

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アメリカのスペースシャトルに対して旧ソ連が開発したブラン。ソ連版スペースシャトルと言われましたがシステムとしては全く異なった物でした。オービターにメインロケットエンジンを搭載していたスペースシャトルに対してブランは本体には姿勢制御と軌道変更、大気圏内での飛行を補助するジェットエンジン以外の推進力を持たず、軌道上への飛行はエネルギアロケットが担っていました。これは有る意味スペースシャトル依りも合理的なシステム。積載量に応じてエネルギアロケットの構成を変える事で多種多様な任務に対応出来ますし、メインエンジンを搭載しない事から搭載量の面でも有利でした。旧ソ連の崩壊でたった1回のテスト飛行で計画終了になったのが本当に残念でした。加えてエネルギアロケットが未だに現役だったらアメリカがスペース・ローンチシステムを開発する必要が無かったかもしれません。

 東洋経済オンライン 2/11(土) 18:02配信「スペースシャトルが『帰還時』だけ滑走路を使う訳 大量に積み込んだ『燃料』に理由があった」コメント欄より

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 こんな「知ったかぶり」コメントをつけているものがいたが、ロケットで一番金がかかるのがエンジン。
 スペースシャトルは機体にそれを積んで「回収」することで打ち上げコストを下げることを目的としていたのだから、このコメントはまったく「非合理」的。

 そのエンジンが今回の中断では手元に残されたし、固形燃料の補助ブースターもまだ点火することはできる。
 H3ロケットの一番の目的は「コストダウン」なのだから、「なにかあっても即中断ができて、エンジンや搭載衛星が守れる」という体制を確立するのも大切なことである。
 次の打ち上げに向かってしっかりと点検を行ってもらいたい。


 ……のだが、

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「あり得ない」「敬意のかけらもない」 H3打ち上げ中止、JAXA会見で反発広げた「記者の捨て台詞」


(写真、J-CASTニュースより。JAXAユーチューブチャンネルより)

 新型ロケット「H3」初号機が発射できなかったトラブルで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と記者とのやりとりがクローズアップされている。
 かたくなに「失敗」を認めないJAXA担当者に対し、記者が「わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」とあきれるように質問を終えた。

■堀江貴文氏も反発
 鹿児島県の種子島宇宙センターから2023年2月17日に打ち上げを予定していたH3ロケットだが、この日のカウントダウン中にシステムが異常を検知し、打ち上げは中止となった。
 記者会見にのぞんだJAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャーには、報道陣から「失敗ではないか」と認識を確認する質問が相次いだ。
 通信社の記者は「一般にいう失敗なんじゃないか」と追及し、岡田氏は否定。「失敗と呼ばれたからといって、何か著しく不具合があるわけじゃないですね。皆さんの中では失敗と捉えていないけど、失敗と呼ばれてしまうのも甘受せざるをえない状況じゃないんですか」と矢継ぎ早に質問すると、設計の想定範囲内での事象のため、やはり失敗ではないとの見解を示した。
 この記者は「つまりシステムで対応できる範囲の異常だったんだけれども、起こるとは考えられなかった異常が起きて、打ち上げが止まった。こういうことでいいですね」と論点を整理し、岡田氏が主張を繰り返すと、「わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」と突き放すように切り上げた。
 通信社の記者とJAXA担当者の攻防は、多くの視聴者の目に留まった。この場面がツイッターで「記者の捨て台詞」などの文言とともに転載されると1万以上リツイートされ、「あり得ない」「難事業に対する敬意のかけらもない対応」と 記者の態度を疑問視する声が広がっている。
 実業家の堀江貴文氏や、元テレビ東京アナウンサーの田口尚平氏など、著名人からも苦言が寄せられている。
 J-CASTニュース 2/17(金) 20:56

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「なにがなんでもネガティブに下げないと気に食わない」人間がしつこく「失敗」「失敗」と会見で連呼したという。
一般に失敗といいます」とこの記者は勝手な定義をしているが、ロケット打ち上げで発射前に中断することは「一般的に失敗とはいわない」。

 J-CASTでは「通信社の記者」とぼかしてあるが、この記者は共同通信の人間だという。
 そう、(2022/11/18の記事、「日本が褒められると癇癪起きる」者たちが……)でスパコン「富岳」の世界一キープを取り上げた時、わざわざ二位になったパラメータのところを取り上げて「スパコン『富岳』2位 ランキング、前回と同じ」(共同通信 2022/11/15(火) 5:32)という見出し記事を書いた共同通信である。

 当然今回も、

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 H3ロケット、システム異常検知 着火信号出ず、衛星打ち上げ失敗

 日本の新型主力機H3ロケット1号機が17日午前、発射を試みたが飛び立てなかった問題で、JAXAは午後の会見で、主エンジンに続いて作動する固体ロケットブースターへの着火信号が出なかったと発表した。岡田匡史プロジェクトマネジャーは「機体のシステムが異常を検知した」と説明。この日の衛星打ち上げは失敗となったが、岡田氏は設計通り安全に止まっており「失敗だとは考えていない」と述べた。
 発射の予備期間は2月18日から3月10日に設定されている。岡田氏は1号機の機体やエンジンに問題はないと考えられるとして、点検を経た上で改めて22年度中の再挑戦を目指すとした。
 異常を検知したのは、新たに開発した主エンジン「LE9」を搭載するロケット第1段の制御用機器。LE9は開発が難航して2度の延期の原因となったが、今回は正常に動作したとみられる。また、ロケットブースター自体にも問題はないと考えられるという。 発射に向けたカウントダウンが続く中、主エンジンが着火したが、ブースターが作動せずロケットは棒立ちになった。
 共同通信 2/17(金) 15:40

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「失敗」と書くことを忘れない。

 共同通信といえば、青山繁晴参議院議員が新入時代、先輩から徹底的に「皇室関係の記事に敬語を使うな」と指導されたというし、(2009/04/01の記事、4月馬鹿(笑))で取り上げた朝日新聞編集局員とか(2015/11/30の記事、「正義」の採り過ぎにご注意を!)の新潟日報上越支社(元)部長に続いて、

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【独占】ツイッターでヘイト発言を繰り返していた「桜ういろう」は、共同通信の社会部デスクだった

 Twitter上で過激な発言を繰り返し、炎上を繰り返していたユーザーが大手メディア共同通信社の記者だったことが「週刊ポスト」の取材でわかった。
 ユーザー名は「桜ういろう」。いわゆる“左翼アカウント”として、数年前からユーザーに認知されていた。フォロワーは1.6万人にのぼる(現在はアカウントごと削除)。作家の百田尚樹氏や有本香氏らの有識者に執拗に絡み、〈【朗報】ホラノ門ニュース(編集部注:百田氏が出演していたニュース番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』を指しているとみられる)の百田尚樹氏、やっと自分をサイコパスであることを自覚する。コバンザメの有本香氏もすかさず「『天才』は往々にして勝ち組サイコパス」とヨイショ!つーか、気付くの遅すぎ〉などと過激な投稿を繰り>返していた。一般ユーザーに対しても〈ネトウヨ(ネット右翼の略称)は知識が足りない〉などと馬鹿にした言動が目立ち、問題視されていた。

 桜ういろうの発言がSNS上で大炎上したのは昨年7月。在日ウクライナ人政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏が〈人類史上、最も人を殺したカルトは「共産主義」という〉と投稿したところ、桜ういろうは〈日本人は満州や朝鮮で、ソ連人に強姦され虐殺されました。日本人にとってナザレンコ・アンドリーさんの祖国ウクライナもまた加害者なんですよ〉〈お金が欲しいのは仕方ないかもしれませんが、どうかインチキ宗教のお金目当てで日本人を扇動するのはやめてください〉とリプライを送っていた。
(中略)
 はたして桜ういろうは共同通信の記者なのか。同社関係者が語る。
「桜ういろうはネットで指摘されている通り、共同通信記者です。現在は名古屋社会部のデスクで、2月16日には緊急の会議が開かれました。その結果、当該記者は10日間の自宅待機が命じられた。会社としても事態を非常に重く見ているようで、すでに代わりのデスクを募集したという話もある。10日間の自宅待機の間で、ツイートを精査したうえで正式な処分を下すとみられています」
 当該記者の携帯に電話したが、留守電だった。メッセージを残したが返答はない。共同通信に話を聞くと、「ご質問いただいた内容については、回答を控えさせていただきます」(総務局)との回答だった。
 桜ういろうはプロフィールにこう記載していた。〈もともと残酷で有名でした。譲歩もない。躊躇もない。示談も許しもありません〉。ナザレンコ・アンドリー氏は、桜ういろうに対する裁判を検討しているという。この言葉が今度は自身に降りかかることになるかもしれない。
 NEWSポストセブン 2/18(土) 17:25

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 またもや「それなりの地位」にいる人物がこんなことをしていたという話が出てきたりするぐらいだから、

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 日本、新たな主力ロケット「H3」の打ち上げに失敗…白い煙だけが立ち上った

 約30年ぶりに開発された日本の新しい大型ロケット「H3」の打ち上げが実現しなかった。補助ロケットの着火に至らなかったものと把握されている。
(後略)
 ハンギョレ新聞 2/18(土) 9:14

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 こんな記事を書く国のメディアと同じく、「とにかく日本を貶したい」という人間が集まっているのだろう。

 何度も書いているように、この共同通信の記事は多くの地方新聞が買い、そのまま紙面埋めに使われる。
 地方の高齢者宅などでは「新聞は取るのが当たり前」と思われているところもまだあるから、こんな「日本はダメ」系の見出しがそういう人たちの目に留まるのだ。
 いったいそれがどれほど世論をネガティブな方向に誘導するだろう?

 まあ、救いといえばその新聞自体が「もはやラテ欄しか読まれない」存在になり果てているというところかな(笑)。
 できれば見出しも目に入れないようにしてもらいたいものだが。


 本日の奇祭。

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 燃えさかる大たいまつ、次々に飛び込む男たち 鳥羽の火祭り


(写真、朝日新聞デジタルより。男たちは燃えさかる炎に飛び込んだ=2023年2月12日午後8時9分、愛知県西尾市、古沢孝樹氏撮影)

 愛知県西尾市の鳥羽神明社で12日夜、国の重要無形民俗文化財「鳥羽の火祭り」があった。
 祭りは、1200年ほどの歴史があるとされる。境内の一角には、高さ約5メートルの「すずみ」と呼ばれる大たいまつ2基を設置。午後8時ごろ、たいまつに火がつけられると一気に燃え上がり、水をかぶった男たちが中に入った神木などを取り出そうと、次々と飛び込んでいった。「すずみ」の燃え具合などから今年の天候や豊凶を占う。
 新型コロナウイルスの影響で、祭りは3年ぶりの開催となった。(古沢孝樹)
 朝日新聞デジタル 2/12(日) 21:30

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 見出しといえば、この記事の見出しもすごいな。

「燃えさかる大たいまつ、次々に飛び込む男たち」。
 だがつけられた写真を見ると、これはもう「松明」というレベルのものではない。「家並み」の大きさがある。
 なるほど確かに、これに取りつくのは「飛び込んでいく」という表現にもなるな。

 冬になると各地で「火の祭」や「水の祭」が開かれる。
 どちらも非常に危険なので、参加する方たちには万全の注意を望みます!