宇宙(そら)へ…… | 偕楽園血圧日記

宇宙(そら)へ……

 いい天気になったけど、胸の苦しさが収まらない。


 今日は、「本日の持続性」から。

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 タカラトミー、電池を使わず走行する「プラレール」 62年の歴史で初


(写真、ITmedia ビジネスオンラインより。「電池いらずで出発進行!テコロでチャージ」シリーズ)

 タカラトミーは9月3日、プラレールシリーズの新商品として、電池なしで電動走行するプラレール「電池いらずで出発進行!テコロでチャージ」シリーズを発表した。プラレールとして初めて電池なしでの電動走行を可能とし、子どもが遊びながら再生可能エネルギーの仕組みを学ぶことができる商品として訴求する。
 同シリーズの第1弾として、10月21日に「E5系新幹線はやぶさ」と「E6系新幹線こまち」(希望小売価格:各4180円)を発売する。車体を床やテーブルの上などで前後に転がして車輪を回転させることで発電する仕組みを採用。約30秒間チャージすることで約7メートル(正円に組んだレイアウト約5~6周分)を、電池を使わずに電動走行できるようにした。
 必要な電力を子どもの手の力だけで作りだすため、新たに特殊なシステムを開発。前進・後進両方向からの手転がしにより発電・蓄電するメカニズムで電動走行する。
 1959年に発売したプラレールは、2021年3月末現在、日本国内で累計約1800種類、1億7700万個以上を販売している。電池を使用せずに電動走行する商品は、プラレール62年の歴史の中で初めてだという。
 ITmedia ビジネスオンライン 9/5(日) 7:05

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 蓄電池の環境負荷などを考えると、この程度ならばゼンマイの方が合理的だろう。

 なるほど。「約30秒間チャージすることで約7メートル(正円に組んだレイアウト約5~6周分)を、電池を使わずに電動走行」させることで、いかに再生可能エネルギーと呼ばれているものが非効率で実用にならないかを子供に教える知育玩具か。
 タカトミさんも面白いものを作ってくれるな。


 というところで……(2021/07/08の記事、イベント制限は公平に)で中国が宇宙空間に太陽光発電所を作る計画をしている話を取り上げたが、

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「宇宙太陽光発電」実証実験へ…天候に左右されない「新エネルギー源」


(図、読売新聞より)

 政府は「宇宙太陽光発電システム」の実現に向けて、2022年度から宇宙空間で太陽光パネルを展開する実証実験を開始する。パネルの大型化や送電技術の確立などの技術面や、コスト負担などの予算面での課題を克服し、脱炭素社会を支える新たなエネルギー源として、50年までの実用化を目指す。
 
政府、来年度から
 
実証実験は宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))と文部科学省が共同で実施する。22年度に、国際宇宙ステーションに物資を届ける「新型宇宙ステーション補給機1号機」にパネルを搭載して打ち上げ、23年にパネルを展開する計画だ。当初のパネルは縦2メートル、横4メートルほどだが、将来的に搭載するパネルの枚数を増やして大型化する。
 宇宙太陽光発電は、地上の天候や昼夜に左右されず、安定的に地上よりも強い太陽光を利用できるのが利点だ。発電時に温室効果ガスも排出しない。政府が6月末に開いた宇宙開発戦略本部は、50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)達成に向け、「(宇宙太陽光発電の)実用化に向けて取り組みを強化していくことが求められる」との方針を確認した。
 パネルは30年代に約30メートル四方、実用化段階では約2・5キロ四方に大型化する計画だ。実用化すれば、原子力発電所1基分の1ギガ・ワットを想定している。現状では、大型パネルを配置するには、分割したパネルを数回に分けてロケットで運ぶ必要があり、膨大なコストがかかる。
 発電後、3万6000キロ離れた地上に送電する技術の確立も課題となる。宇宙空間から無線でマイクロ波を地上に送る構想だが、現状では、地上で約500メートル先に約10キロ・ワットの電力を水平方向に送るので精いっぱいだ。垂直方向ではさらに距離が短くなるという。
 マイクロ波で送電する機能を持った発送電一体型のパネルは、経済産業省が23年度までの開発を目指している。
 米国や中国は、温室効果ガスの排出削減に貢献する宇宙太陽光発電に関して、研究開発を加速させている。米国は空軍研究所が本格的な研究に着手し、中国も宇宙空間に発電システムを建設する計画があるとされる。
(太陽光発電所についての説明・略)
 読売新聞オンライン 9/6(月) 15:23

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 日本からもようやくそういう計画の話が出てきた。

 いつものように「初めはトロトロ」だが、「始めたら早くきちんとやる」という日本の特性を見せてもらいたいものだ。

 関係者の間の話は、ちゃんとしてあるのかな。
 この計画にはいろいろなところに参加してもらわなくてはならないのだし。

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「浮体式」事業化へ注力 洋上風力、20年代後半に着手 文挟東電RP社長

 東京電力ホールディングス傘下で再生可能エネルギー事業を手掛ける東京電力リニューアブルパワー(RP)の文挟誠一社長は、海に浮かべた土台の上に発電設備を設置する「浮体式」の洋上風力発電所の事業化に「2020年代後半には取り組む」と強調した。
 オンライン形式で7日までに行われたインタビューで語った。

 政府は洋上風力発電を再生可能エネルギー拡大の切り札と位置付け、発電容量を40年までに計画ベースで最大45ギガワットまで引き上げる方針だ。ただ、欧州を中心に普及する海底に直接建てた土台の上に設備を置く「着床式」は、遠浅の海が少ない日本では適地が限られる。浮体式は深い海でも設置できるが商用化には技術面で課題が多い。
 このため、東電RPは今年2月、ノルウェー近海での浮体式の実証事業に参画した。文挟氏は「9月上旬に(送電)系統に電気を乗せられるところまで来ている」と述べ、コスト低減に向けた技術開発が進んでいると強調。国内でも国による公募の開始といった条件が整うことを前提に、事業化に注力する考えを示した。
 その上で文挟氏は、国内での浮体式の事業化では「台風の影響などを考慮すると、東北や北海道沖などが有力」と指摘。規模は20万~40万キロワット程度を想定していると説明した。
 時事通信 9/8(水) 7:19

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 東電はまだこんな寝ぼけたことをいっているようだが、「浮体式洋上発電」というならばその前に、(2020/12/16の記事、前に買ってあげたおもちゃがあるでしょ!)で取り上げた福島県沖の浮体式洋上風力発電施設の検証をしてもらいたい。

 つい先日も、

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 洋上変電所「ふくしま絆」解体へ 復興シンボル、商用化至らず


(写真、毎日新聞より。横須賀港第4区へえい航されてきた「ふくしま絆」=横浜市金沢区から、岩崎信道氏撮影)

 東京電力福島第1原発事故からの復興のシンボルとして福島沖に設置されていた浮体式洋上風力発電システムのうち、洋上変電所の「ふくしま絆」が、解体のため神奈川県の横須賀港内にえい航されてきた。巨額の国費をかけて実証研究が行われたが、不具合などで商用化に至らないまま撤去された再生可能エネルギー発電装置は東京湾で完全に姿を消す。【岩崎信道】

 同システムは、風を動力源に羽根を回して電気を起こす風車3基を、福島県楢葉町沖約20キロの海上に設置した。設備の基礎を海上に浮かべた浮体式を採用。政府は600億円以上を投じて、商社や大学などによる「福島洋上風力コンソーシアム」に、商用化へ向けた実証研究を委託した。
 2013年11月に風車第1号機の「ふくしま未来」(出力2メガワット)と、変電所の「絆」が発送電実証実験を開始した。その後、「ふくしま新風」(同7メガワット)、「ふくしま浜風」(同5メガワット)の巨大風車2基が設置された。複数の浮体式洋上発電施設による発電は世界で初めて。海底ケーブルを通じて3基で計1万2000世帯分の電力を供給できるとされ、福島復興の象徴となる再生可能エネルギーとして期待された。
 だが、3基とも不具合などが相次いだ。設備利用率の低い状態が続いた「新風」は、18年に撤去が決定した。他の2基は実証研究期間が延長されたものの、不採算から同じ運命をたどることになった。巨大風車3基は既に福島沖から撤去されている。
「絆」は水面上の高さ約60メートル、喫水部分約50メートル。変電設備のほか、人員や物資輸送用ヘリコプターデッキを備える。8月30日に福島沖を出発し、えい航船4隻に率いられて2日午後、八景島沖約2・5キロの横須賀港第4区に到着した。作業を担当するコンソーシアム参加企業の吉田組(兵庫県姫路市)によると、横須賀沖で計測機器などを取り除き、一部解体する。その後、千葉県市原市内へ運び、処分する。
 毎日新聞 9/5(日) 13:30

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 失敗を思い出させてくれるこんなこともあったばかりだし。

 これに投資された600億を宇宙開発に投じていたら、どれぐらいの技術発展が望めたことだろう。
 ちなみに、あの「はやぶさ2」の総事業費が11年間で約300億円弱である。


 そういえば、自民党の総裁選に出るといっている人も、

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 河野氏「原発を明日やめろというつもりはない」 党内に懸念に応え

 河野太郎行政改革担当相は8日、原発政策に関し、内閣府で記者団に「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」と述べた。持論とする脱原発については「いずれ原子力はなくなる。ただ別に明日、来年やめろというつもりはない」とした。

 河野氏は、菅義偉内閣が掲げた温室効果ガス排出量の「2050年実質ゼロ」に向け、「再生可能エネルギー最優先が基本だが、どうしても(電力が)足らざるところは安全が確認された原発を当面は使う」と説明した。使用済み核燃料の処理問題は「放置するのではなく、前向きに取り組んでいく必要がある。使い道のないプルトニウムをどのように扱うのか、現実的に考えていかなければならない」と指摘した。
 河野氏は党総裁選への立候補に向け、党所属議員へのあいさつ回りを重ねている。一部議員から「脱原発」を懸念する声が上がったことを受け、政府の現行のエネルギー政策を踏まえる姿勢を示したとみられる。
(後略)
【堀和彦】
 毎日新聞 9/8(水) 18:43

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「反原発」の持論を封印し、「そっち系」がまた騒いでいるようで。

 まあ。彼がいうように、もともと今使われている熱核分裂炉など、この先何十年も使っていくようなものではないのだから、使える間だけ使ってさっさと廃炉にし、それで「今輸入している燃料代」などを浮かせた金で次世代の発電システムを開発してしまうに限る。
 その時間を稼ぐためにも、私としては「ならば第四世代原子炉などにも目を向けて」といいたい。

 先月には、水戸のお隣大洗にある研究施設で、

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 茨城・大洗の研究炉、停電で緊急停止 環境への影響なし

 日本原子力研究開発機構は10日、大洗研究所(茨城県大洗町)で停電が起き、高温工学試験研究炉(HTTR、熱出力3万キロワット)を停止したと発表した。放射性物質の漏れなど環境への影響はないという。
 同機構によると、9日午後11時57分ごろ、
停電で研究炉の外部電源が失われたため、非常用電源に切り替え、約2分後に炉を停止させた。その後の点検で研究炉に異常はなく、12日に再起動させるという。
 研究炉は東京電力福島第一原発事故後、国の新しい規制基準に対応する安全対策を進め、今年7月30日に約10年半ぶりに運転を再開したばかりだった。国内唯一の次世代型高温ガス炉で、発電はせず、高温ガス炉の安全性の実証試験や、炉からの熱出力を利用した水素製造の研究を進める。(川村剛志)
 朝日新聞デジタル 8/10(火) 13:14

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 こんな事故があったのだが、高温ガス炉はまさにその設計思想の通り、「外部電源が失われても熱がたまって暴走することはなく、ただ冷えていった」。現在の炉のように停止中も「電気を使って」冷やし続けなくてはならないものではないのだ。
「福島の教訓がー」というのならば、これこそまさにその教訓を「実用」に落とし込む話で、「安全が確認された技術」ということになる。
 そしてこの手の高温ガス炉や溶融塩炉は「使い道のないプルトニウム」を使うことでその量を減らす技術でもあるのだから、今の「原子力ヤカン」の代わりに使っていくべきものではないのかな?

 ただ、河野氏の宗旨替えはただ支持を得るためのもののようでもあり、「新増設はダメ」といっているようでは技術に関する勉強もどこまでできているかわからない。
 その意識自身は「自然エネルギー」の方に行っているようなので、だったら上で取り上げた「宇宙太陽光発電システム」の推進をぶち上げてくれればいいのに。
 これには初期投資もかなりかかるので、緊縮財政路線の脱却にもつながるのだから。

 まあ、だからこそ「ケチケチ削れ」論者の彼には受け入れがたいものかもしれないけど。