前に買ってあげたおもちゃがあるでしょ! | 偕楽園血圧日記

前に買ってあげたおもちゃがあるでしょ!

 日本海側がずいぶんすごい雪になっているようだ。
 一方で水戸は快晴。ただとても寒い。
 おかげでまた具合がよろしくないので、今日は簡単に。


 世界では新型コロナウイルとが大問題になっているのだが、一方国連では、

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 国連気候サミット開催 各国首脳らが脱炭素化に意欲

 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」ができて5年になるのを記念した国連気候サミットが12日、オンライン形式で開かれた。80カ国近い首脳をはじめ、企業のトップや環境活動家らが参加し、脱>炭素社会への取り組みを誓いあった。

 国連と、来年開かれる第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)議長国の英国などが主催した。国連のグテーレス事務総長は冒頭のあいさつで「すべての国、都市、金融機関、企業は、2050年までに(温室効果ガスの)排出実質ゼロを達成するための計画を採用し、明確な短期目標も含め、すぐに実行する必要がある」と訴えた。
 菅義偉首相はビデオメッセージで、温室効果ガスの排出を50年までに実質ゼロにすることや、30年までの新たな目標についてCOP26までに国連に提出することを表明した。「日本は成長戦略の柱に『経済と環境の好循環』を掲げ、グリーン社会の実現に努力していく」と述べた。
 国際協力として「官民合わせて約1・3兆円の支援をする。(途上国の温暖化対策を支援する)緑の気候基金には最大総額30億ドルを拠出する」と話した。

 中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は「30年までに、中国の国内総生産(GDP)の単位あたりの二酸化炭素排出量を05年より65%以上減らす」などと述べた。9月の国連総会で表明した「30年までに実質的な排出量を減少に転じさせ、60年までにゼロにする」という目標の具体策を示した形だ。「非化石燃料エネルギーが1次エネルギー消費に占める割合を約25%とし、森林蓄積量は05年より60億立方メートル増やし、風力発電と太陽光発電の総設備容量は12億キロワット以上にする」とも話した。
 英国のジョンソン首相は、30年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で少なくとも68%削減すると表明。「これをするのは、私たちが樹木に抱きついたり緑豆をむさぼり食ったりするエコな変人だからではなく、地球を救い、数多くの高スキルの雇用創出につながるからだ」と語った。また、英国政府は開会に先立って、海外の化石燃料エネルギー関連事業への財政支援をやめる方針も明らかにした。
 朝日新聞デジタル 12/13(日) 6:00

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「二酸化炭素がー」をやっているようで。

 以前から書いているように、温暖化と二酸化炭素の増加は「卵が先か鶏が先か」議論に決着がついていないのが現状。つまり「二酸化炭素が増えているから温暖化しているのか、温暖化しているので海洋などに溶けている二酸化炭素が放出されて増えているのかわからない」状態で、十年ぐらい前にはメディアでも「温暖化の原因とされている二酸化炭素」という言い方をしていたもの。
 それが「排出権ビジネス」の仕組みができてからはすっかり「温暖化の原因は二酸化炭素!」という決めつけが行われるようになってしまっているのだから「なんだかなぁ」というところ。

 いったいそんな状況で何を競っているのかとも思うのだが、わが国もその中にいやおうなく組み込まれてしまっている以上、トランプ大統領のような「ケチつけてくるやつは逆に叩き潰してやる!」と言えるほど強い人間はそういないのだから、「なにかをしなくては」ならない。
 そのあたりでは、菅総理はちょっと積極的にやりすぎているきらいがあるので、私としてはもう少し「俯瞰的」になってほしいところなのだが……。

 で、その「温暖化とエネルギー政策」の一環として、政府は、

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 洋上風力発電、40年までに最大4500万キロワット導入 経産省引き上げ方針

 経済産業省は15日、再生可能エネルギーの切り札として期待される洋上風力発電について、現在はわずかな発電容量を2040年までに3000万~4500万キロワットに引き上げる方針を決めた。原発30~45基分に相当する規模で、政府が年内に公表するグリーン成長戦略の実行計画に盛り込まれる。政府と民間企業などでつくる協議会が策定した「洋上風力産業ビジョン」に明記された。
 政府の成長戦略会議が1日にまとめた成長戦略の実行計画では「40年までに3000万キロワットを目指す」と明記されたが、投資をしていくために4500万キロワットは必要と主張した産業界の意向を反映した。経産省によると国内では現在1・4万キロワット分しか稼働していないが、実現すれば欧州連合(EU)、中国に次ぐ世界3位の市場になる。
 洋上風力を巡っては19年に施行された再エネ海域利用法に基づき、政府が年に3件程度の適地を指定しているが、選定を加速させる必要があると判断。事業者が実施する風や地質の調査について、政府が主導する仕組みを新たに導入することにした。
 風車を手掛ける国内メーカーは相次いで撤退している。製造数が増えれば、部品数が多い風力発電は経済波及効果も見込めるため、産業界として40年までに国内調達比率を60%に高める目標を掲げた。海に浮かべる浮体式と海底に設備を固定する着床式があり、このうち着床式の発電コストを30~35年に1キロワット時当たり8~9円まで引き下げる目標も盛り込んだ。
 北海道や東北、九州の沿岸海域などが適地として潜在能力が高いとされるが、都市部までの送電線の確保が課題だ。アジア展開も見据え、必要な技術を特定した技術開発ロードマップも20年度内に策定する。協議会に出席した梶山弘志経産相は「洋上風力産業を国際競争に勝ち抜く次世代産業にしていきたい」と述べた。【山下貴史】
 毎日新聞 12/15(火) 20:02

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 こんなことをやろうとしているのだが、うん。そういうことは、

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 福島の洋上風力発電、全撤退へ 600億投じ採算見込めず


(写真、共同通信より。今回撤去方針が固まった福島県沖の浮体式洋上風力発電施設の1基)

 政府が、福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設を全て撤去する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故からの復興の象徴と位置付けて計約600億円を投じた事業で、民間への譲渡を模索していたが、採算が見込めないと判断した。経済産業省は、来年度予算の概算要求に撤去関連費50億円を盛り込んだ。再生可能エネルギー関連の産業を推進する福島県にも痛手となりそうだ。
 浮体式洋上風力発電施設は2012年から、原発事故で一時全町避難となった楢葉町の沖合約20キロに3基を順次設置した。最大の1基は今年6月、不採算を理由に撤去済み。
 共同通信 12/12(土) 21:04

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 このことにきっちり「カタ」をつけてから話をしような。

(2013/12/04の記事、「頭」を冷却するシステムも必要なのか)で引用した記事にあるように、福島沖の海上風力発電では「コストを四分の一にする!」と関係者は燃えていたのだが、結局はこの始末。
 梶山大臣は茨城県の人なので、神栖沖での洋上風力発電実験の話も目にしたことがあるのではないだろうか?
 あれも実験開始早々に台風の直撃を受けてからは話が表に出てこなくなった。
 その時に散々「台風などがくる日本では、着床式よりも浮体式の方が向いている」といわれていたのに、今度は「海に浮かべる浮体式と海底に設備を固定する着床式があり、このうち着床式の発電コストを30~35年に1キロワット時当たり8~9円まで引き下げる目標も盛り込んだ」だと?

 こういうことを放置したまま「洋上風力発電、40年までに最大4500万キロワット導入」などとぶち上げるのは、あまりに無責任というものではないのか?


 本日の訃報。

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 英作家ジョン・ル・カレ氏死去、89歳 スパイ小説の名手


(写真、AFP=時事より。英作家ジョン・ル・カレ氏。ドイツ・ベルリンにて(2016年2月18日撮影))

【AFP=時事】(更新、写真追加)スパイ小説の名手として知られる英作家ジョン・ル・カレ(John Le Carre)氏が12日夜、死去した。89歳。家族が明らかにした。
 家族によると、本名をデービッド・コーンウェル(David Cornwell)というル・カレ氏は12日夜、イングランド南西部コーンワル(Cornwall)の病院で、肺炎のため亡くなった。
 ル・カレ氏は、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(Tinker Tailor Soldier Spy)」や「寒い国から帰ってきたスパイ(The Spy Who Came in from the Cold)」などの東西冷戦(Cold War)時を舞台としたスパイ小説で知られる。
「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」はドラマ化された後、2011年に『裏切りのサーカス』として映画化され、英俳優ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)が主演した。
 ル・カレ氏は60年にわたるキャリアの中で、小説25作品、回顧録1作品を執筆。世界で約6000万部を売り上げた。2019年10月に出版された「スパイはいまも謀略の地に(Agent Running in the Field)」が最後の作品となった。【翻訳編集】 AFPBB News
 AFP=時事 12/14(月) 7:52

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 巨匠がまた一人、亡くなってしまった。

「寒い国から帰ってきたスパイ」は、私がスパイものにはまるきっかけを作ってくれた作品だった。
 007のような「派手」なものと違い、静かに淡々と、それでいて緊張した「空気」の流れる作品は、冷戦時代を知っている者にとっては「ドキドキ」するもので、理科系の人間が読んでも面白いトリックが……。

 ライアルもしばらく前に亡くなってしまっているし、ジャック・ヒギンズには、まだまだ頑張ってもらいたいなぁ。

 合掌。