「一強」が嫌ならば小選挙区をやめるのが筋 | 偕楽園血圧日記

「一強」が嫌ならば小選挙区をやめるのが筋

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 共産・穀田氏「生まれて初めて前原さんと肩を抱き合った」 “シロアリ”発言の仇敵と共闘…「京都の方々は驚いている」

 共産党の穀田恵二国対委員長は27日の記者会見で、同じ京都市を地盤とする民進党の前原誠司元外相と衆院北海道5区補欠選挙の応援演説で一緒に街頭に立ったことについて、「前原さんと一緒に宣伝をしたのは生まれて初めて。肩を抱き合ったというのもこれも初めて。京都の方々は驚いている」と感慨深く語った。
(中略)
 前原氏と穀田氏は平成5年の衆院選では旧京都1区で議席を争った間柄だ。穀田氏は、かつての敵と共闘した今回の補選を振り返り、「民進党との共同の関係は強まっていると実感する」と強調した。
 さらに、民進党の安住淳国対委員長が26日の会見で「(共産党との共闘で)保守票が逃げることはなかったと証明された」と発言したことについても、「なかなかよう見てはるなぁ」と持ち上げてみせ、今後の連携強化に期待をにじませた。
 産経新聞 4月27日(水)16時4分


 <共産委員長>選挙連携強化、民進に求める

 共産党の志位和夫委員長は27日、東京都内で講演し、野党統一候補が善戦した衆院北海道5区補選の結果について「共産党と組むと票が逃げるというのは杞憂(きゆう)だったとはっきりした。逃げるどころか無党派層に浸透することが証明された」と述べ、共産党との選挙協力に慎重な民進党に連携強化を求めた。
 同補選では、報道各社の出口調査で民進、共産支持層のいずれも約9割、無党派層の約7割が野党統一候補に投票したと回答。これを踏まえ、志位氏は夏の参院選で32ある「1人区」(改選数1)全てで野党候補の一本化を目指す考えを強調した。次期衆院選の小選挙区でも一本化に向けて民進党に早期の協議入りを呼びかけ、「共産党と連立すれば多数になる場合でも連立政権の道を取らないのか」と民進党に政権構想を明示するよう訴えた。【朝日弘行】
 毎日新聞 4月27日(水)18時16分

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 この間の北海道衆院補選の結果を受けて、共産党の人間がはしゃいでいるのだが……この「無党派層の七割が共同候補に入れた」という出口調査の結果と、ネットで指摘されている「前回町村氏が薄氷の勝利を得た時より票差が開いている」という事実を合わせて考えれば、「ではその無党派層と自称している人間は、この選挙区ではどれぐらいいるのだろう?」という疑問に至ると思うのだが。
 まあ、「民進党の支持者の九割が池田候補を」という報道を事実とすれば、はじめから民進党の支持者にはもう「保守・反共」はいなかった、というべきか。

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 産経FNN世論調査 内閣支持率49・4% 民進党支持率は急落7・3% 「現行憲法で平和と安全守れない」52・1%

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は23、24両日に合同世論調査を実施した。安倍晋三内閣の支持率は49・4%で前回より3・1ポイント上昇。不支持率は0・6ポイント減の38・1%だった。民進党の支持率は、結党直前の前回調査(3月19、20両日実施)を5・5ポイント下回る7・3%となり、「ご祝儀相場」すらない窮状を印象づけた。
 民進党の母体となった民主党、維新の党について個別に聞いた前々回調査(2月20、21両日実施)では民主党が9・7%、維新の党は1・4%となっており、合流によって党勢が拡大するどころか、かえって支持離れを招いている傾向が浮き彫りとなった。
(後略)
 産経新聞 4月25日(月)12時10分

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 もうすべて去ったあと、というべきか。

 全体の得票数という一番大切な数字から目をそむけて自分の見たいデータだけを見るのは社会学者系によく見られる傾向だが、政治家がそれをやってはただ痛い目を見るだけだ。


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 衆院選改革、与党案を衆院委で可決…まず10減

 衆院の定数削減と「1票の格差」是正を図る衆院選挙制度改革関連法案は27日、衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で採決が行われ、自民、公明両党が提出した与党案が、与党とおおさか維新の会の賛成多数で可決された。
 28日の衆院本会議で可決後、参院に送付され、5月中旬にも成立する見通しだ。
 与党案は「1票の格差」是正策として、衆院議長の諮問機関が答申した都道府県の定数配分ルール「アダムズ方式」を2020年の大規模国勢調査(国調)に基づき導入す>る。
 アダムズ方式導入までの対応として、15年の簡易国調に基づき、小選挙区を「0増6減」(青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島で各1減)し、比例選ブロックを「0増4減」(東北、北陸信越、近畿、九州で各1減)する。小選挙区の区割りを見直すことで、格差は2倍未満となる。
 読売新聞 4月27日(水)12時13分


 「0増6減」自公案、来月中旬にも成立へ 特別委で可決

 衆院の選挙制度改革を審議する衆院特別委員会は27日、小選挙区を0増6減、比例区を0増4減し、総定数を戦後最少の465とする自民・公明提出の改正法案を可決した。自公両党に加え、おおさか維新の会も賛成に回った。28日の衆院本会議で可決、参院に送られ、来月中旬にも成立する見通し。
 青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で小選挙区を各1減。東北、北陸信越、近畿、九州の比例4ブロックの定数を各1減する。選挙区の区割り見直し作業と周知期間を経て、新制度で衆院選を行うのは早くても来年以降。それ以前に衆院が解散されると現行のまま選挙を行う。
 衆院議長の諮問機関が提言した、人口比に応じて都道府県へ小選挙区定数を配分するアダムズ方式は、2020年大規模国勢調査の結果に基づき導入するとして先送り。それまでは、14年衆院選を「違憲状態」とした最高裁判決で、格差の主因とされた「1人別枠方式」が温存される。
 27日の審議では、「自公案では違憲状態は解消されない」とする民進議員に対し、自公案提出者の公明の北側一雄氏が「自公案は20年以降にアダムズ方式を適用することを明記しており、最高裁が『違憲状態』と言う可能性はない」と反論した。
 おおさか維新は、国会改革や定数削減などを今後検討するという趣旨の付帯決議を行うことで自民、公明両党と合意し、賛成に回ることになった。民進党が提出した10年大規模調査をもとにアダムズ方式導入と定数10減を即時実施する案は否決された。
 朝日新聞デジタル 4月27日(水)12時38分

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 衆議院の選挙制度を変える方策が、どうやら自民案で決まることになりそうだ。

「一票の格差」ばかりを気にした上に、野田前総理が「身を切る」という消費税増税と議員定数削減を結びつけたすり替えごまかしに騙された有権者の声に引きずられ、どんどん怪しい「調整」で選挙がおかしくなっていく。
 議員に定数は、何度もいっているように議会の機能を最大限発揮するにはどうするかという議論の中で決めるべきものであり、変な「僻み、妬み、嫉み」を満たすために減らせばいいというものではない。
 そして、その定数割り振りが完全人口割りによる選挙区変動制などで是正されるようにできないというのならば、今の小選挙区制などやめて、以前の中選挙区か、いや、いっそのこと全国一区の超大選挙区制にしてしまうのも手だ。今では得票データの集計にコンピュータが使えるのだからまったく不可能な話ではあるまい。

 もともと小選挙区制度は「政権交代がないと権力は腐敗する。そして政権を変えるのは二大政党制だ」という小沢一郎氏などの強烈なごり押しで進められたもの。
 だが、(2016/03/23の記事、選択肢があってこそ選挙の意味がある) で取り上げたスペインなどの例に見るように、「二大政党」が議会の歴史になっている国もどんどん「選択の多様性」を求める人々によってその体制が崩れるようになっている。
 その最後の牙城になりそうなアメリカでは、今の大統領予備選に見るように、政治の劣化が激しいし、わが国でも、「小選挙区制で議員の質が落ちた」といわれるようになって久しい。
 小渕議員や山尾民進党政調会長の例に見るように、地元有権者との密着も、中選挙区時代以上に起きるようになっている。これも「一票でも相手より多ければ選挙区を制する」という小選挙区の弊害である。
 今、「自民党の一強多弱になっている! こんなのはよくない!」と野党の多くやマスコミが騒いでいるが、そういう一強を作るための制度が小選挙区制で、民主党がまだその無能さを晒す前は、彼らはその制度を「政治的に正しい」といって持ち上げていたではないか。小沢氏がこれを言い出した時の思惑も、まさにそこにあったというのに、それが自分たちの不利に働くようになったら「格差格差」とガチャガチャ言い出しているのだから馬鹿らしい。

 
 昔はよく「政治や経営なんか誰がやっても同じ」という人がいた。
 だが、シャープの身売りや、民主党政権のことなどを見て、日本人は「そんなことはない」ということを知ったはずだ。
「政治の腐敗」を是正するのは結局有権者なのだということも、もうわかったはず。 

 貴族・ブルジョアと労働者によって構成それるヨーロッパのような階級社会ではない日本に、二大政党制は必要ない。
 それを維持するための選挙制度も、無理に帳尻合わせをしてまで続けていくことはない。


 おまけ。

 選挙制度もなんだが、それ以前に、

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 NHK籾井会長発言「あってはならない」 共産・小池氏

■小池晃・共産党書記局長
(NHKの籾井勝人会長が熊本地震での原発関連報道について「住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表ベースに伝えて欲しい」と局内会議で発言していたことに)あってはならない発言だ。会長が放送内容の細部にわたって口出しをしていくこと自体、許されないのではないか。
 また、政府の発表をそのまま右から左に流すのは、ジャーナリズムとは言わない。きちっと検証し、調査をしっかりした上で、真実を国民に伝えていくことが ジャーナリズムの役割だ。公式的な発表をそのまま流すことは、ジャーナリズムの精神から全く反するものだ。そういうことを言ってしまうこと自体、「やっぱり報道されている中身が真実ではないのではないか」という国民の思いを逆にかき立ててしまう。かえって国民の不安をあおることになるのではないか。(25 日、記者会見で)
 朝日新聞デジタル 4月25日(月)22時52分

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 こういう、人の言葉尻だけを取り上げて話をすり替え、そのすり替えた言葉で作ったレッテルを貼って人を非難するという下品な人間を議会に入れないということも必要だ。

 ネットでもよく「>」を使って文章の一部だけを切り取った上で長々としたレスをつけ揚げ足取りにいそしむ人間がいるが、この小池氏のやり方はまったくそういう人間と同じである。しかも「政府は嘘しか言わないのが俺たち全体主義者の常識だ」をそのベースにして。

「公式発表をベースに」というのは、「政府の発表をそのまま右から左に流す」ということではない。
 会長が「デマに乗らないように」と報道品質に釘を刺したから「報道は真実ではないのか」などと想像をかきたてられるのならば、そういうことを思われてしまうような偏向報道をしてきたということで、その方が問題である。

 彼は、「会長はお飾りであれ」とでもいうのだろうか? 現場が好き勝手に自分の思想で動けなくなることが嫌だというのならば、はっきりとそういえばいい。
 そんな「自分の思想で動く公共放送現場」の方が、よほど国民の不安を煽ることになるだろう。


 この小池氏は悪意を持って人を貶す悪党だが、

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 「総理来ないと、激甚災害指定できぬのか」民進・山井氏

■山井和則・民進党国対委員長代理
 先週、(熊本地震の)現地へ行かせていただいた。行政の方々は「一刻も早く激甚災害に指定してほしい」と切望していた。「1週間前から要望しているのになぜこんなに遅いのか」と。
 総理が来るまで指定を遅らせ、安倍総理が来た時に激甚災害を指定し、それで一つの(衆院補選の)選挙対策にすると。まさかそういうことじゃないでしょうねと。(現地の方は)「総理の視察はいつでもいいから、一刻も早く激甚災害指定をしてほしい。それによって被災地も気分的に大きく違うから」とおっしゃっていた。
 結果的には現地が心配していたとおり、(23日の)土曜日に安倍総理が来た時に激甚災害指定(する方針)を(表明)した。これは本当に考えさせられるが、激甚災害指定は総理が現地に来ないと発表できないのか。総理が現地に来る前に、一刻も早く指定をしておくべきだったのではないかと思う。(記者会見で)
 朝日新聞デジタル 4月27日(水)13時54分

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 こういう人間はただ単にレベルが低いので議会に入れないということが大切だ。

 この山井国対委員長は、ツィッターで「緊急を要する激甚災害指定を安倍はしない!」というデマを流すというトンデモ行為(激甚災害指定は、以前も書いたように復興時に自治体の予算を国が持つ制度で、緊急に必要なものではない)を行ってくれたのだが、今回の発言を見ると、それはただデマを流したというよりは、制度の趣旨をまったく理解するだけの頭を持っていないという可能性が非常に高くなってくる

 そういう人間に、国政に必要な立法議論などできたものではないだろう。

 民進党では、

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 保育士給与「総理の感覚、二重にずれてる」民進・山尾氏

■山尾志桜里・民進党政調会長
 安倍総理が昨日(26日)、1億総活躍社会に関する国民会議で、保育士の給与水準を女性の全産業平均と比較して(引き上げの)基準にしたということを報道でうかがった
 二重の意味でかなり感覚がずれているなあと感じました。保育士は女性の職業なのか。まさに男女の性差による職業の固定化から、安倍総理の感覚は逃れられていないと率直に思った。
 こういった形で女性の平均を一つの物差しにすることは、今、大きな課題となっている男女の賃金格差そのものを是認するような方向に導くのではないかと危惧している。(記者会見で)
 朝日新聞デジタル 4月27日(水)22時46分

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 またこのこう政調会長が吠えているが、そもそも自分の党でも、

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 <民進党>子育て政策、強調へ…山尾氏起用、参院選にらみ

 民主党の岡田克也代表は24日、27日に結成する新党「民進党」の政調会長に民主党の山尾志桜里(しおり)衆院議員(41)を起用するなど人事の骨格を固めた。夏の参院選で民進党は、保育士の給与月額5万円上乗せなどの子育て政策や、格差是正策を公約に掲げる方針。待機児童問題を巡る安倍政権に対する追及で注目されている山尾氏の登用により、政権の経済政策「アベノミクス」が格差を拡大していることや、子育て政策の不十分さを強調する狙いだ。
(後略)
 毎日新聞 3月24日(木)23時32分

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「保育士の賃金アップ」というのを公約にしようというのに、何をいっているのだろうか。 

 この、民進党の「五万円」にしても

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 1億総活躍プランでは、保育士の処遇に関し、消費税増税以外の財源で賄う予定になっている全体で2%相当の賃上げ(月額約6千円)を着実に実施。技能・経験を積んだ保育士には上積みし、女性の全職種平均との賃金差(5万円程度)をなくすようにする
 産経新聞 4月26日(火)21時25分配信 「来年度から保育士の月給6000円アップ 安倍首相が待遇改善表明」より

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 この差を埋めるために出してきた数字ではないのか? 政調会長の立場にありながら、自党の公約がどうやってつくられているのかの認識もないのか、彼女は。

 山尾氏には(2016/04/11の記事、厚顔無恥も行き過ぎるとただ醜い) で取り上げた政治資金の問題で、新たに「二万円のガソリンプリカを一万五千円で売っていた」という疑惑も出て生きている。
 やはり政治資金の「付け替え、ごまかし」の線が強くなってきたのだが、相変わらず、

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 民進・山尾政調会長「今の段階で説明できることなし」

 民進党の山尾志桜里政調会長は27日の記者会見で、多額のガソリン代計上などの“不正”に関わったとされる元公設秘書側との交渉や、説明責任を果たしていない他の政治資金問題に関し「今の段階で何か説明できるようなことはない」と述べるにとどめた。
 産経新聞 4月27日(水)16時43分

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 この態度。

 行政の制度がきちんと理解できる人間、他人を罵る前にまずは自分たちでやっていることを見られる人間、を幹部につけることが、まず民進党には必要なことではないだろうか?


 本日のストップ!

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 足元の路面に信号機、ドイツで「歩きスマホ」対策

(CNN) スマートフォンの画面ばかり見ていて信号を無視してしまう歩行者の多さに業を煮やし、ドイツの2都市が足元の路面に信号機を埋め込む対策に乗り出した。
 南部のアウクスブルク市はこのほど、利用客の多い2駅に道路埋め込み式の歩行者信号を敷設した。2011年に路面信号を導入したケルン市にならった措置だった。
 コストは信号1機当たり約1万ユーロ(約126万円)。苦情も出ているものの、「損害を防止できると考えれば帳尻は合う」と市の広報は説明する。これで赤信号を無視する歩行者が減るかどうかを見極める方針だという。
 警察によると、アウクスブルク市では3月8日、ヘッドフォンをして歩いていた19歳の男性が、列車の進路に踏み込んで重傷を負った。ドイツの別の都市でも歩行者の不注意による死亡事故が起きているという。
(後略)
 CNN.co.jp 4月28日(木)10時20分

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 ドイツ人はやたらに規則に厳しいというイメージが日本ではあるが、実態はこんなもの。スマホ依存はどこの国でも問題だということだ。
 だが、それに対する方法が、なんだか「合理を突き詰めて問題点を忘れる」ドイツらしいというか(苦笑)。

 これはまさに「兵器コピペ」にある、「こうするしかなかったのはわかるが、そこまでしてやる理由がわからない」、つまり「(歩きスマホ負傷を防ぐには)こうするしかなかったのはわかるが、そこまでしてやる理由がわからない」。

 大阪の地下鉄でしばらく前、カメラで監視しながら構内放送を使って「そこのあなた!」式の注意をする実験がされたことがあるが、これはさしずめ、「こうするしかなかったのはわかるが、まさか本当にやるとは思わなかった」だろうなぁ。
 やがてアップルなどのアメリカメーカーがー、「周りの様子をセンサーで感知して画面に危険信号を表示させる」スマートフォンアプリを開発し、「必要なのはわかるが、そこまで沢山作る理由がわからない」といわれることになる。