演技の悩み解決ブログ スタニスラフスキーの孫弟子が演技力向上メソッドの真髄を大阪よりお届けします。         

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スタニスラフスキーの孫弟子アクティングコーチ田中てつが演技の悩みを解決するブログです。

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演じるために私がしたことリスト

私は演じるために何をしたのかを思い出せるだけ思い出した。
先生はそれをホワイトボードに時系列にまとめた。


①何があったのかを思い出す 

何があったのか?
何を感じたのか?
何を考えたのか?
どう動いたか?
何を言ったのか?
何を言われたのか?

 

出し切ったので次の段階へ

②思い出した後にしたこと

何があったのか流れを何度か確認

 

全てを思い出せたので次の段階へ

③演じる直前の準備として

リラックスする
忘れようとする
覚悟を決める

 

心構えができたので座った

④演じている最中に気をつけたこと

相手に集中する
相手のセリフを良く聞く
表情を良く見る

⑤ときおり過去の感情の記憶を思い出す

恐怖体験を思い出す
嫌いな人を思い浮かべる
悔しい思い出を思い浮かべる

 

 

「まとめるとこんな感じになりますが、何か抜けている事とか無さそうですか?」

 

「今のところ、大丈夫そうです」

 

「すると、あなたのしたことはこのようになりますね。

①シナリオ読む ②覚える ③演じる心構えを整える ④相手に集中する ⑤ときおり過去の感情の記憶を思い出す」

 

「はい」

 

こうやって振り返って見てみるとあまりに残念だった。


今まで色々と学んできたリアリズム演技のレッスンが身についているとは到底思えなかった。

もっと沢山の有益な事を学んだはずなのに、いざという時には全く使いこなせていない…

 

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学んだことはどこへ?

 

理想の演技の準備とは


「例えば、本当のシナリオだったらどうしてましたか?」

 

「うーん、だいたい同じだとは思うのですが、本当なら「役が何をしたいのか」を考えるべきだと色々な所で教わってきたのでそうしたと思います」

 

「なるほど」

 

「ただ、今回は「受講したい、話を聞きたい」という単純なものでしたし、もし、役の人物を演じるのであれば、その人物をもっと理解する作業も必要だったと思いますが、今回は私自身だったので、その二点は省いてました」

 

「自分を演じてみてどうでしたか?あなたは自分のことを理解できていると感じましたか?」

 

「いえ、全く…自分の事なのに、全然、分かっていないんだなあと思いました」

 

「というと?」

 

「演じていて、そもそも自分の言葉や行動だったはずなのに、言っている事もする事も、なんだか取って付けたみたいで違和感を感じていました」

 

「そうなんですか?」

 

「はい、なんで私こんなこと言ってるんだろうとか…なんか、やる必然性ないのに、さっきやってたから、やっているという感じでした」

 

「恐らく、あなたを演じるのに、あなたの全てを理解する必要は無かったとは思います。そんなこと無理でしょうし、必要ありません」

 

「はい」

 

「しかし、先ほどのあなたを演じるために、絶対に知っておかなければならないことは、理解しないまま始めてしまったようです」

 

「そのようですね」

 

「何を押さえていればそのような違和感を感じずに自分で自分を演じられたのだと思いますか?」

 

「うーん、セリフも感情も思考も動きも感覚も全ては分かってはいたんですが…」

 

「しかし、それらだけでは、その人物を演じるのに十分と言える理解には導いてくれなかったという事になりそうですね」

 

「私は私を分かっているつもりだった。でも、私は、私を演じるのに十分なだけは理解していなかった…」

 

「いえ、十分なという量の問題ではなく、必要なポイントを理解出来ていなかったということです」

 

「確かに、自分を理解するなだけでも途方に暮れる気がしてしまいます、ましてや他人である役の人物をとなると切りがないですから…」

 

「役を膨らませるのは楽しい作業でもありますので好きなだけ深めていけば良いかもしれません。しかし、仕事となればどうしても時間に制約があるわけですから、その人物を演じるうえで最も大切な人物の核とは何かを理解したいですよね」

 

「はい、役を演じるためにココだけは絶対に押さえておかなければならない、その後どれくらい深めるかは時間の制約次第という…そんなポイントが分かれば安心です」

 

「では、あなたを演じるために、あなたも、改めて知っておかなければならない最低限のこととは何かを調べていきましょう。いいですか?」

 

「はい」

 

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私は私を理解していたか?

私は誰?


「そもそも、なぜ、あなたは今ココに居るのでしょう?」

 

「…どこから話せばよいでしょうか」

「あなたの履歴書に興味があるわけではありませんので、そうですね、あれが無ければココに居なかったであろう、という最低限のモノを探ってみてください」

 

「…看板を見てきました」

 

「では、看板がなければココにこなかったでしょうか?」

 

「そうですね…はい」

 

「もちろん、そうでしょうね、しかし、逆に、看板さえ見たらあなたはココに来たのでしょうか?」

 

「?」

 

「ココの看板は13年間ずっと変わらず掲げてあったのです」

 

「…」

 

その時、ちょうど電車の走る音が聞こえてきた。

 

「あなたはこのビルの前を何回くらいあの電車で通ったことがあるでしょう?」

 

電車の振動を感じる。

 

「もう、7年ほどはほぼ毎日ですので、それこそ数えきれないほどです」

 

電車が走り去っていく

 

「普段はその存在に気づきもしなかった看板が、あの日のあなたに限っては、その眼にとまったのはなぜだと思いますか?」

 

電車が走り去っていった

 

「…ああぁ」

 

「あの日のあなたは、いつものあなたとは何かが明らかに違っていたりしませんでしたか?」

 

「はい、…そうです、全然、違いました…」


「実は、あの日は、私が長年所属していた劇団をやめた日でした」

 

「そうでしたか…」

 

「と、言っても、メールで主宰者に稽古のお休みの連絡をしただけで、そのまま二度と行かないつもりだっただけなんですけど…」

 

「そうですか…」

「女優をあきらめようと…」

 

「なのに演技を学びに来たんですか」

 

「なんだか、あの時、今頃、みんなはいつものようにかわらず稽古しているんだろうな…とか思いながら電車にのってました…」

 

あの瞬間に自分が感じた感覚が蘇る。
鼻の頭が熱くなってしまう…

 

「今、気づいたのですが、本当はあのままやめるのはスゴク悔しかったんだと思います…」

 

「悔しかったんですね」

 

「はい、悔しさを感じないようにはしていたとは思うのですが、なんだか、すごく変なんですけど…看板の、…やさしい…というのが、すごく、あやしいのに、…なんか、あやしいのに、妙に私の深いところに感じ入るところがあって…」

 

「…」

「なんだか、いつも演劇は、なぜだか、私には、やさしくなくて…」

 

なぜか私は泣きそうになっていた…

 

「心のそこから納得できた演技が一度もできていない気がして、悔しくて…」

 

「すると、あなたは、あなたにとっての理想の演技を探すためにココに来たと言えますか?」

 

「そうかもしれません、ココに来て、やはり、それを目指せないと分かればもう演技の事はスッパリ諦められる気がして来たのだと思います」

 

「では、あなたは行きたいことろがある、それにはもしかしたら、このスタジオが役に立つかもしれないと私を訪ねてくれた」

 

「はい、その通りです」

 

「では、あなたの行きたいところがどこかを調べてみましょう。私はあなたにスタニスラフスキーシステムを教えたいわけでは決してありません」

 

「?」

「もし、あなたの行きたいところに行くのにスタニスラフスキーシステムが役立つのであればその使いこなし方を伝えたいだけです」

 

「あなたが何処から来て、どこへ行こうとしているのか?これが今のあなたを演じるためにどうしても理解しなければならないことです」

 

「どこからきて、どこへ行こうとしているのか?それが、私の核…」

 

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あの日の私

どんな演技ができると思ったから俳優を目指したのか?


「あなたが、どこから来たのか、それは少しヒントをもらいました。では、あなたの行きたいところ、あなたの理想の演技を教えてもらっていいですか?」

 

「理想の演技…と、言われても、その時々で、良いとか悪いとか判断していましたが、あまり立ち止まってじっくりと考えたことが無いかもしれないです」

 

「では、考えなくていいです、少し、想像力を膨らませて見てみましょう」「目は閉じても閉じなくてもどちらでも大丈夫です」

 

「はい」

「「俳優サイコー」と思える状況を思い描いてください」

「過去にそんな経験があればそれを思い出しても良いです。編集しても大丈夫です。経験がなければ想像でも妄想でも構いません。なるべく、都合よく思い浮かべて、思わずニヤニヤしてしまうような想像を膨らませて下さい」

「本当に今、ココで、それを経験しているかのように思い浮かべてみましょう」

 

「あなたはどこにいるでしょうか?」


「何か見えるとすれば、何がそこから見えるでしょうか?」


「その目に見てみましょう」


「何か聞こえるとしたら、どんな音が聞こえるでしょうか?」


「その耳に聞いてみましょう」


「その音が声だとしたら、誰が何を言っているでしょうか?」


「その言葉に耳をすましてみましょう」

 

先生の誘導にも関わらず、私はさっぱり想像できていなかった。
私は想像力に乏しい…

 

「何かに触れているとしたら…どんな感触でしょう」


「その手に感じてみましょう」

「何か、匂いが、するのだとしたら」

 

一瞬、汗の匂いが鼻をついた。

 

「それはどんな匂いでしょう」


「あなたのその鼻に刺激を感じてみましょう…」

その途端、握っている相手役の手の感触が手に広がる。


私はなぜか舞台の上にいてスタンディングオベーションを受けていた。


役者仲間が手をつないでそれに応えている。

 

一気に、想像力が爆発して五感を刺激した。


私は、ニヤニヤどころか泣いていた。

 

「あなたはなぜ、俳優になりたかったのでしょう?」


「演技をすることでどんな素晴らしいことを経験できると思い描いていたのでしょう?」


「何が経験できれば良かったのでしょう?」

 

先生の誘導は続き、私は私の妄想を自在に楽しんでいた。

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俳優を不自由にしている無意識下の呪縛を解く方法とは?世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システム⑤

【※以下は既にnoteで公開済のモノです。スタニスラフスキー・システムを全ての俳優にという趣旨からも拡散に適しているほうを選んでいきたいと思いますのでしばらく複数のブログで同じ内容が投稿されるかと思います。noteのほうでは既に17回まで進んでいますのでよろしければそちらもお訪ね頂けると幸いです。】➡

 

 

覚えたことを忘れられるか?


「演じてみて、ここは良かったなというのはどんなことですか?」

 

「良かった?うーん…あえて言うなら段取りとかセリフは完璧だったような…」

 

「そうですね!素晴らしかったです!では、もし、もう一回やるとしたら100点に近づけるために、何ができそうですか?」

 

「やっぱり、先生が次に何を言うか分かってしまっていたので、さっきは感じられた戸惑いとかを全然感じられませんでした。なので…次は新鮮に捉えるために、さっき起きたことを一旦、忘れるというか、無になるというか?」

 

「それはどうやったら可能そうですか?」

 

「いや、無理、だと思います…」

 

「ですね、もし、本当にそんなことができるなら、悟りの境地かも知れません。それに全部忘れてしまってはさっきの65点を失ってしまいませんか?」

 

「たしかに…」

 

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俳優に悟りの境地は必要?

呪縛を解くために必要なモノ


「覚えたことを忘れるなんてできませんし、忘れるべきではありません」


「自分のセリフや立ち位置やタイミングは忘れないが、今からどんな事件が起きるのか、相手が何を言うのか、だけを都合よく忘れるなんてことは望みようがないですよね」

 

「はい、言われてみれば当たり前の事ですが、無意識とは言え、これも本来なら両立不可能な事をなんとなく欲しがっていたんですね」

 

「はい、覚えたことを忘れるなんて、忘れましょうか、アハハ」

 

「はい」

 

「これだけは言っておきたいのですが、あなたが演技に混乱してしまっているのは、あなたの人格のせいでも才能のせいでもありません」

 

私のメールの内容について触れているのだろう。

 

「今、いくつか明らかになったように、多くの迷える俳優はいつの間にか刷り込まれてしまった、およそ実現不可能な矛盾する二つの命令に従おうと悪戦苦闘しています」

 

「自分のありったけを解放しようと喜び勇んで挑戦した演技の世界であるにも関わらず、なぜ、私はこんなにも不自由なのだろう?と自分を責めてきたかも知れません」

 

「しかし、不自由を感じている多くの俳優は無意識の内に両立しようのない逆方向の努力でがんじがらめになっているだけなんです」

 

「これらの呪縛を解くためにも、あるいは新たな刷り込みから自分を防御するためにも心の底から納得できるリアリズム演技理論が必要なのです」

 

「さて、このレッスンは何点取れたかが重要だったのではありません。重要なのは、なぜ、あなたが椅子に座ったのかということなんです」

 

「?」

 

「私は演じる準備が整ったら座ってくださいと言いました。そして、あなたはしばらくして座りました。つまり演じる準備をし、準備がができたと判断して、座ったわけですよね。」

 

「はい」

 

「つまり、あなたは無自覚だったかもしれませんが「自分なりに定義してしまっている演技という行為」のため、それを実行する準備をしたわけです」

 

「はい」

 

「そして、必要な条件がそろったと思ったので座ったわけですよね」

 

「はい」

 

「では、あなたが現時点で演じるために必要だと思って実際にしたことは何だったのかを調べてみましょう」

 

「なるほど」

 

「そうすれば、「自分なりに定義してしまっている演技という行為」をあぶり出すことができます」

「今のところ、その定義は結果的に満足の行く結果を生んでいません」

 

「はい、その通りです」

「あなたが本当に目指している演技とはなんなのか?それを実現するために必要な準備は本来どうすれば良かったのかを調べていきましょう」

 

教えましょう、ではなく調べていきましょう。と言った。その言い方に、このレッスンは私の納得が伴わなければ進んで行かないんだという安心感を覚えた。

 

演技を左右する魔法の言葉 世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システム④


 

考えるな、感じろ!正確であれ



「パチン!」

 

アクティングコーチが手を打ち、言わばテイク2が終わった。

 

「はい!ありがとうございます!実に素晴らしかったです!」

 

「いえ…はい、ありがとうございます」

 

「今の演技を少し振り返ってみましょうか?演じてみてどうでしたか?」

 

「うーん…。何とも言えない感じです」

 

「100点満点で点数をつけるとしたら?」

 

「…65点ですかね」

 

「随分、きびしいですね。35点はなにゆえの減点でしょう?」

 

「頭で考えすぎたというか…もっと衝動的に動きたかったというか…」

 

「なるほど、頭でっかちで演じている時って辛いですよね。感情が追いつかない感じで」

 

「そうなんです、そのタイミングでどんな感情になっていなければならないかは分かっているので、無理に感じようとしたり、感情を絞り出そうとしたりして…」

 

「もっと衝動的になれて、考えずに演じられていたら90点あげていいですか?」

 

「はい、そうかもしれません」

 

「本当にそう思いますか?」

 

「多分ですけど…はい、そう思います」

 

「そうですか…では、あなたが実際にはどうだったか少しだけ思い出してもらって良いですか?いわばテイク1の時です」

 

「はい…」

 

「いいですか、思い出してください…現実だった時のあなたは…ほんとうに衝動的…でしたか?」

彼は非常にゆっくりと間をおいて衝動的を強調した。いや、と言うよりも頭だけで考えていた私を、身体ごと、あの瞬間の私に、引き戻した。

もっと正確に言うなら、ちゃんと戻って良いんだよ、そこでちゃんと見て、感じて、それから言葉にして良いんだよ、という許可を与えたのだと今なら分かる。

 

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あの時の私をじっくりと振り返る

無意識に自分を縛る二つの矛盾する命令


「いえ、…あれっ、いや…むしろ私はすごく慎重だったと思います」

 

「…ですよね、衝動的という言葉を使いたくなる気持ちは理解できます。ところが、この場合、文字通り衝動的になることを目指しても場面は改善されないどころか全く違う場面になってしまうのは想像できますね」

 

「ですね、あっ、しかも…」

「そうです、あなたは考えないどころかテイク1の時はむしろ、もっと、もっと沢山の事を考えていましたよね?」

 

「確かに…」

 

「時々、演技の良し悪しを、衝動的だったか?解放されていたか?などで判断する人がいますが、そのような尺度で演技を判断するのは大雑把で役に立たないことが多いです」

 

「そうなんですか?」

 

「中には演じている最中にむやみに衝動的になろうとして、役になりきれそうなのをわざわざ自分で自分を邪魔していたりする場合さえあります」

 

「役になりきる邪魔?」

 

「この世には、衝動的になってしまう人は現実にも作品の中にももちろん沢山います。ただし、衝動的になろうとしている人間がどこかに存在しうると思いますか?」

 

「たぶん、ないでしょうね…想像できないです」

 

「ですよね、いずれ心の底から納得することになるかと思いますが、役になるには目的にかなった意図的な行動こそが重要です。ところが衝動的というのはどういう意味か検索してもらって良いですか?」

 

「はい。…えぇ…はい、衝動 目的を意識せず、ただ何らかの行動をしようとする心の動き」

 

「やろうとしているベクトルが全く逆なの分かりますか?」

 

「ですね」

 

「これで演技が嫌になる人を何人も見てきました。いわゆる、二つの矛盾した命令を自分に投げかけているダブルバインド状態です。アクセルとブレーキを同時に踏んで不完全燃焼でストレスフルになります」

 

まさに私の事だった。

いつの頃からか、考えるのは悪い演技、衝動的は良い演技という図式が出来上がっていて、演技中に少しでも思考が働くと自分にダメ出ししている自分が居て演技が面白くなくなっていった。

 

衝動的になることに大きな憧れとコンプレックスを抱いていた。

つい、頭で考えてしまう自分はどこか理性的でつまらない人間だと自分をジャッジしていた。

だから、衝動的になれるのは憧れだった。

 

ところが、衝動的になれたらなれたで満足だったかというと、なんだか、どんな人物も粗野で感情的になってしまい自分の演じているその役を好きになれなくて悲しかった。

 

いつからこんな風になってしまったのか、私の中で衝動的であることはかなり重要な要素になっていたのにまさか自分にブレーキをかけていたなんて…

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「実際のあなたは衝動的にはほど遠かったし、実に様々な事を考えていました。あなたが、90点取るために必要だと思ったことを正確に言うならば、それらの感情や思考が自然に生まれていたら良かったという事ですよね」

 

「そうです、その通りです」

 

「言葉は強力な魔法です。私達は好むと好まざるとに関わらず言葉でしか思考できません。しかも選択した言葉に大きな影響を受けてしまいます。演技を準備する時や振り返る時の言葉の選択はなるべく正確であるよう気をつけたいのです」

 

「はい」

 

「演技が好きだったにも関わらず、現在あなたが迷子になってしまっているのは、本当は心の底から納得していないにも関わらず、分かったつもりで使っているいくつかの曖昧な演技用語だったりするかもしれません。それらの正体を明かしてスッキリと腑に落していきたいと思います」

 

私は曖昧な言葉を使い自分で自分を混乱させている…なんだか分かる気がする。いつも演技について考え始めると堂々巡りが終わらなかったのはそのせいなのだろう…

では、テイク3があるのだとしたら、私はどんな言葉づかいでどんな準備をすれば良いのだろう…

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サイコパスなアクティングコーチの正体とは?世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システム③

【※以下は既にnoteで公開済のモノです。スタニスラフスキー・システムを全ての俳優にという趣旨からも拡散に適しているほうを選んでいきたいと思いますのでしばらく複数のブログで同じ内容が投稿されるかと思います。noteのほうでは既に17回まで進んでいますのでよろしければそちらもお訪ね頂けると幸いです。】➡

 

 

無邪気なアクティングコーチのいたずら



「さあ、始めましょう。しかし、演じてはいけない…」

どうやって、ココを抜け出そう。
と考えていると突然。

「パチン!」

と、灯りがついた。

そして、彼が笑っている。

 

「いや…アハハ!…というか、これじゃあ、演じるも何も…」

 

腹を抱えて笑っている。

「何もできませんよね。真っ暗になっちゃいましたもんね、アハハ!」

 

「なっ…??」


なんだか、本当に無邪気に笑ってる。

 

「ああ、あっ、ほんとごめんなさい!真っ暗になっちゃったのに、それに気づかないふりしてスタニスラフスキー気取ってしゃべってる自分思い出すと…おかしくって、ヒー」

 

「はい…」


なんだか、本当に無邪気だ。

 

「電気付けますね」

あっけに取られている私をよそに、今度はスタジオ中の灯りを付けて回っている。

 

「あっ、カーテンもあけてもらっていいですか?」

 

言われるがままにカーテンを開けた。

 

外の世界がやけに新鮮に感じる。
たかが、パチンコ店なのに。

 

少し安堵している自分に気づく。

 

「いやっ、そのカーテンはそのままで良いですよ~」

 

「ああっ、すいません。…てっきりこのカーテンのことかと…」


と、私は聞き間違えたふりをしてカーテンを閉め直す。

 

が、完全にはしめ切らずネオンが差し込む隙間は残した。
何の役に立つのかはなはだ不明だけど。

 

明るいスタジオの中、他にカーテンらしきものを探す。

 

窓の横の壁一面に様々な俳優との写真が無造作に貼ってあった。


その中の一枚に私が長年憧れていた女優を見つけた。


無邪気に笑うアクティングコーチと笑顔でツーショットに収まっていた。

 

「どうしました?」

 

「あっ、カーテンを探しています」

 

「カーテンってほかにありそうですか?」

 

「いえ、…」

 

「私はそのカーテンはそのままでと言っただけです」

 

「あっ、そうか…」

 

私は、カーテンと窓を開けた。
そして、窓を開けたままカーテンだけ戻した。

 

「あの、窓を開ける必要もないですよ。息苦しかったですか?」

 

「いえ…、ですよね」

 

私は再び窓もカーテンも閉めた。

 

「窓を開けるように言われたかと勘違いして…すいません」

 

なに言ってんだろう私?
と思いながら私は引きつった笑顔で謝っていた。

 

男は突然、手を打った。

 

「パン!」

そして、なぜか満面の笑みだ。

 

「はい!ありがとうございます!終わりました。本当にすみません!」


「今のはレッスンのためのちょっとしたいたずらなんです。」

 

「いたずら?」


私は思わず自分の考えを声にだしていた。

「はい、レッスンの一部です。後で必ず全ての意味がわかります。本当にごめんなさい!アハハ!」

 

まだ、笑っている。

録画も可能な安心の演技レッスン



「あなたのスマホ、録画する余裕あります?」

 

足元のバッグからスマホを取り出す

 

「はい、2、3時間は大丈夫だと」

 

「では、録画か録音しといてください。後で復習できると良いでしょ?」

 

「はい…」

 

「すいませんね!本来は私が録画するんですけど。今日はカメラが故障しちゃってて…いつもはYouTubeの限定公開でレッスンの録画を生徒さんと共有するんですけど、お手数かけてしまって、ごめんなさい!」

「あっ、いえ、大丈夫です。じゃあ、そうします」

 

今度はやけに明るくなったスタジオではっきりと見える彼の表情を読む。

この人は私を戸惑わせたことを子供みたいにまだ喜んでいる。

本当に無邪気な人なのだろう。
と信じてしまいそうになる自分に少し警戒を促した。

それくらい飾らない柔和な笑顔。

なぜか、保育園児だった頃の自分を思い出す。

母親との帰り道、先回りしていつもの壁のくぼみに隠れていた私。


バーッ!と飛び出す私。
大げさに驚く母親の顔。
自慢げで無邪気な私。

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自慢げで無邪気だった私

「演技は学び、磨ける技術」という認識が演技の悩みを解決する

 

「実はドアが開いた時からレッスンは始まってました。今、あなたが経験したことを材料に、役になりきる仕組みと秘訣をひも解いていきましょう」

 

「…はい」

 

「やがて演技は限られた人にのみ与えられた才能でも魔法でもなく、誰にでも学び、磨ける技術だということを納得していただけると思います。」

 

「学び、磨ける技術」という言葉にどこか味気なさを感じた。
と同時にとても救われる気もした。

そう、私が知りたかったのはそういう事だったのかもしれない。

 

「そうすれば、先日、あなたがメールで打ち明けてくれた演技の悩みは全て解決できると思いますので安心してくださいね。」

 

全て解決できるとまでは期待していない。
ただ、せめてもう一度、演技を好きになりたい。


私は興奮してかなり長文になってしまったメールのことを思い出した。

自分でも何を書いたのか全てを思い出せない。

というよりも、書いている時点で自分でも何を書いているのか混乱して分からなくなっていた。

伝わらないだろうなと思いつつも、恐らく書き直し始めたりすると、二度と連絡できない気がしてそのままメールを送信した。

 

「さて、さっきは、怖がらせてしまって本当に申し訳ないです。もう二度とこんないたずらはしませんので安心してくださいね」

 

「はい」

ほんとお願いします!
と思いながら私はスマホの設置場所を探す。

 

「動画にします?」


「はい」

 

「なんなら、お知合いに配信とかでも良いですよ」


「いえいえ、録画で十分だと…」

 

「なら、これ使って下さい。で、ここからなら全部入りますよ」

 

私は手渡されたスマホ用の三脚をさっきの窓の
横に設置しながら彼の話を聞く。

 

「最近はパワハラ・セクハラまがいの演技指導されたなんてひどい話も良く聞くのでワークショップとか全部、配信や録画ありにしたほうが安心ですよね」

 

良く言うよ!どの口が!
と思ったが、心の中のツッコミはなんだか軽妙だった。

 

早いよと思いながらも、既に私は彼を信用し始めていたのかもしれない。

 

「このスタジオ始めた13年前からレッスン全部録画して共有してきたので安心してくださいね!クレームつけるにも便利でしょ!証拠有るから!」

アクティングコーチの驚くべき観察能力


「さて、今の一連の意味不明な私とのやり取りが、ある物語の一場面だとしましょう。」

 

「はい?」

 

「実に色々な感情や感覚を経験されたと思います」

 

「ええ、まぁ、ですね」

 

「あなたが先ほど感じた感情、思考、感覚、生まれた表情、選択した動き、発した言葉、その全てがその台本に要求された通りだったとします」

 

「はい…」

 

「つまり、ドアが開き、私を見て、知り合いだったかしらと思案し、私をサイコパスに違いないと勘違いするに至り、灯りや笑いで安堵したにも関わらず、カーテンのくだりで意味不明の会話に再び戸惑ってしまったところまでです。」

 

「!」

この人には私が感じていた事、考えていたことが全部見えている。
というか、私にだって分かってなかったのに…。


自分が何を感じ、何を考えていたか…今、言われて初めて気づいた!

 

「監督は先ほどのあなたの演技を完全に気に入りました。」


「ワダフォーと叫んでます」

 

「はい」

 

「ところが…」


「オー!ノー!残念な事に」

 

なぜか、ざんねーんなことにーって、外人口調になっている。

 

「はい…」

 

「キャメラが…回ってえ、ませんでした~」

 

それいいんだけど…

 

「どうなると思いますか?」

 

「撮り直しですよね?」

 

「素晴らしい!そうです、その通り!あなたはもう一度今の場面を演じなければなりません。」

「はい」

「あなたがさっきの通りに演じる準備ができたと思ったらその椅子に再び座ってください。あなたが座ったら、私は状況を元に戻して同じことを始めます。言っている意味わかりますか?」

「はい」

「素晴らしい!では、十分に時間をかけて大丈夫です。さっきの自分を演じる準備が整ったと思ったら椅子に座って下さい。それが私への合図です。私も演じる準備を整えます」

 

彼は目の前の虚空に投影された何かを凝視し始めた。
私の存在などお構いなしに既に集中しきっているのが分かる。

 

私も記憶をたどり始めていた。

 

私がさっき感じた感情、思考、感覚、生まれた表情、選択した動き、発した言葉その全てを

私は久しぶりに集中している。


私はこの時間とそんな私が好きだった。

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演じる準備
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さあ、始めよう、しかし、演じてはいけない!世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システム②

【※中身は既にnoteで公開済のモノです。スタニスラフスキー・システムを全ての俳優にという趣旨からも拡散に適しているほうを選んでいきたいと思いますのでしばらく複数のブログで同じ内容が投稿されるかと思います。noteのほうでは既に16回まで進んでいますのでよろしければそちらもお訪ね頂けると幸いです。】➡

 

 

 

 

 

暗闇のスタジオ


もう、後悔していた。

 

小さなビルの一室。
私は三方を暗幕に囲まれた薄暗いスタジオの中心で椅子に座らされている。

 

私ひとりだ。
他に参加者はいない。


灯りは一灯のスポットライトのみ。
それが正面から私に当たっている。

 

なぜ、この古びたビルを見て引き返さなかったのか?
エレベーターが故障している時点で十分だったはずなのに…

 

かび臭い階段を登り、たどり着いたインタホンに反応が無いなら普通は帰るだろう。

ノックまでする必要があったの?

 

ノック、静寂。


てっきり留守だと思いました。
と言い訳するには十分と思われる数秒。

「メールになにか行き違いでもあったのかも…」
と、残念そうな思考と表情を作った。
誰が見ているわけでもないのに。

 

きびすを返そうとしたその瞬間。


ドアは開いた。
もう引き返せなかった。

 

アクティングコーチを名乗るその男性はやけにニヤついた表情で私を眺める。

 

いや、ニヤついているのではない。
私を見た瞬間、彼の眼はまるで私が懐かしい知人であるかのように輝いた。


私を見て、突然の訪問に少し驚き、懐かしみ、再会の喜びに溢れている眼差し。

そんな感じが確かにした。

 

私は直ぐに彼がかつての知人だったのだと思い込んだ。


瞬時にあらゆる場面をさらったが、やはり全く誰だったか思い出せない。


「ああっ!あなたは、あの時の…」と言い出せない自分に罪悪感をさえ感じている時。

 

「初めまして、ようこそいらっしゃいました」

 

「あっ、はい、初めまして、先日メールをさせて頂いた…」

お互いの名前を確認し合うと、彼は私を奥へ通してくれた。

 

私は安心したような表情を見せていたと思う。


「ちゃんとメールは届いていたんですね」


なんて事をモゴモゴと言いつつ彼の後に従った。

 

「初対面だった…だよね。彼のホームページもブログも確認してきたのだ。接点が皆無なの分かってたはず。なら、あの表情は一体なんだったの?」

 

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暗闇の中でのレッスン?

笑顔の解釈が変わる瞬間


私は自分が座っているのがアクティングエリアの中心らしいのに気づいた。
私の正面、やや離れたところにその男性が座っている。

暗さとライトの逆光で表情は良く分からないが、そちらが客席側という設定らしくパイプ椅子が数脚並んでいるのがわかる。

 

彼はおもむろに立ち上がるとそばの壁に手を触れた。


パチンという音と共にスポットライトが消える。

 

暗闇の中。
私のシルエットは赤、青、黄色とせわしなく浮かび上がっては消えた。

 

彼の後ろのたった一つの小さな窓。

今やそこから差し込むパチンコ店のネオンが唯一の灯り。


そのケバケバしい点滅よりも早く、私の鼓動は打っていた。

 

その窓に男が近寄る。

 

まるで、英国の執事が書斎のカーテンを夕暮れ時に閉めるかのように。


この場に不釣り合いな丁寧さでカーテンを閉めると彼は自分の席に戻った。

静まりかえる真っ暗な室内。


わずかにパチンコ店から漏れ聞こえてくる煽りの人工音。
かえって静寂を際立たせる。

 

思わず出口までの距離を背中で測っている。
ドアにカギはかけなかったはず。


ドアは外開き、出て直ぐ左に階段。


床に置いたバッグを足で引き寄せようとしたその時、

男は口を開いた。

 

「さあ、始めましょう。しかし、演じてはいけない」

 

「何これ?スタニスラフスキーの受け売りでしょ。って言うか絶対にこの人おかしい」

 

あの人懐っこい笑顔はサイコパス特有のモノだったんだ。


今更、後悔しても遅かった。


なんとしても逃げ出さねば…。

【※中身は既にnoteで公開済のモノです。スタニスラフスキー・システムを全ての俳優にという趣旨からも拡散に適しているほうを選んでいきたいと思いますのでしばらく複数のブログで同じ内容が投稿されるかと思います。noteのほうでは既に14回まで進んでいますのでよろしければそちらもお訪ね頂けると幸いです。】➡

 

 

アマンダとして舞台に立つソワレ

薄暗い、舞台袖で私は自分の出番を待っている。

 

袖に控えるスタッフの背中。
緞帳を束ねるロープ。
書き割を押さえる黒褐のシズ。

そこに現実が確かに見えている、
でも私の身体は半ば物語の中。

 

舞台に一歩踏み出せば、

私は役として生きることができるという

確信が身体の中心で熱い。

 

既にトム役のマサはプロローグを始めている。
彼の声が私をさらに物語に引き込む。

私はあのテーブルからトムを食卓に呼び戻す。


そして、人生というものの厳しさと私の愛を彼に教えたい。

アマンダとして。

 

まさか、あんなに憧れた「ガラスの動物園」を、

そして、絶対に自分には理解不能と恐れたアマンダを

この大舞台で演じられるとは夢にも思わなかった。

 

あの日、あのドアを叩いた自分を褒めてやりたい。

女優を止めようと言い聞かせた夜。

 

だからと言って、記者会見があるわけでも

ニュースになるわけでもない。


ただ、静かにちっぽけな夢が終わっていくだけ。
世界に一粒の影響も与えない。

 

電車にゆられ、どんな感情も起きない人生の転換期

を持て余している時に、ふと目に留まった看板。

 

古びたビルの3階にその看板はあった。

 

一瞬、電車のスピードが遅くなったかのようだった。
走り去る景色に読んだ看板の文字は…

 

【世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システムの教室!】

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世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システムの教室!?

易しいではなく優しいに思えたあの日の私

もう、とっくにマンションの群れとなった景色を眺めながら、

私は頭の中で看板の文字を何度も読み返していた。

 

私にはその「やさしい」は「易しい」ではなく、

「優しい」と読めたのだった。

 

あそこのドアを叩いて、同じ失望を一瞬でも感じたら、

その時は本当に女優を止めようと思った。

 

だからもう一度だけ挑んでみようと思えた。
その「やさしい」に惹かれて。

 

想えば、なぜ、それほど、

苦しまなければならなかったのか、

 

ただ、自分から生まれてくるモノを

生きようとしただけだったのに…

 

 

 

 

noteの場をお借りして「世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システムの教科書を創ろう」という投稿をしています。

 

なぜか始めると物語風になってしまっているのですが、かえって読みやすいと好評を得ています。

 

これまで有料でお伝えしていたことを無料でお伝えしている理由は以下の通りです。

 

長らくお世話になっているコチラのブログでも公開します。

 

中身はnoteと同じですが、趣旨からも拡散に適しているほうを選んでいきたいと思いますのでしばらくは複数のブログで同じ内容が投稿されるかと思います。

 

noteのほうでは既に14巻まで進んでいますのでよろしければそちらもお訪ね頂けると幸いです。➡

 

 

以下の、第一回目の予告の投稿です!

 

世界一やさしいスタシスの教科書を創る理由とは?


初めまして、アクティングコーチをしている田中徹(てつ)と申します。


普段、私はプロの俳優さん達に演技指導や役作りのお手伝いをしています。

 

今日からnoteの場を借りて、「世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システムの教科書」を執筆していきたいと思います。

 

世界で一番やさしく解説して日本でもスタニスラフスキー・システムを俳優や指導者なら誰でも知っててあたり前の新常識にしたいのです。

 

なぜならば、皆さんの演技力向上に役立つのはもちろんですが、傷つく必要のない俳優たちが無用に傷つけられていく今の環境を変えていけるはずとの想いがあるからです。

 

【編集後記】なぜnoteを選んだのか?

noteなら、学びたい人は誰でも無料で学べます。もし、仲間に伝えたい記事があれば簡単に共有も可能です。「新常識を広めていく」ためにとても良い場かと思いました。
「最近の俳優はこれを読んで勉強しているらしい。下手なこと言えないぞ…」と勉強不足の演技指導者が俳優にパワハラ・セクハラ紛いの指導をできないようにしたいです。
また、質問を頂ければ、皆さんが納得されるまで答えることで「世界一やさしい」も夢では無いと思うからです。

 

なぜ、スタニスラフスキー・システムなのか?


いずれ、納得して頂けるかと思いますが、スタニスラフスキー・システム(以下、スタシスと略します)はあらゆるリアリズム演技メソッドの根幹です。

 

つまり、今後、あなたがマイズナーテクニックを学ぼうとも、チャバックメソッドを学ぼうとも全てがスタシスのスピンオフのテクニックです。

 

あるいは特に名前がついたメソッドやテクニックでなくとも、今のその稽古が「形で表現する」演技ではなく、「心から役を生きる」演技を目指しているのならば全てはスタシスから派生しているといえます。

 

欧米の俳優なら必ず学ぶスタシスですが、日本では名前ぐらいは知っていても、本当に理解できていると自信を持って言える俳優はプロの中にも中々いらっしゃいません。

 

最近、多いケースは様々なスピンオフの演技テクニックを熱心に学んだものの、肝心のスタシスを理解していなかったせいで返って混乱してしまったという俳優さんです。

 

だからこそ、初心者からプロまで全ての俳優に是非スタシスを学んで欲しいのですが、スタシスを教える演技教師はかなり少ないです。

 

また、書籍で学ぼうとすると1500ページを超える分量や難解な用語のため、独学ではその全体像をつかむことも、本当に知りたいことを納得するのも非常に難しいと思われてきました。

 

そんなスタシスですので、もし、小学生にでも分かるくらいやさしく解説できれば「世界一やさしい」と言っても過言ではないかと思います。

 

かなり難易度の高い挑戦かも知れませんが、傷つく必要のない俳優たちを守るために、私はこの夢をなんとしても実現したいと思います。

 

ではなぜ、スタシスが常識になることが、皆さんの演技力向上だけではなく、傷つく必要のない俳優たちを守ることにつながるというのでしょうか?

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小学生でもわかるスタシスを!

「演技とは何か?」が曖昧なせいで傷つく俳優たち…


ほとんどの日本の俳優は「演技とはどんな技術なのか?」を納得いくまで教わる機会に恵まれません。

 

そのせいで、思うように演技できない時、つい自分の人格を責めてしまう俳優が実に多いのです。

 

もし、演技をするたびに次のような言葉で自分を責めているのだとしたら、次第に演技が辛くなってしまっても当然ではないでしょうか?

  • 私は開放されていない…

  • 私は覚悟が足りない…

  • 私は殻を被っている…

  • 私は鈍感だ…

  • 私は人生経験が足りない…

このような思考は自分を傷つけるだけで演技力向上にはなんの役にも立ちません。

 

もし、これがピアノや絵画であれば、思うように弾けないとき、人格を責める前に技術の習得や練習の必要性を感じるのが自然なはずです。

 

まだ、身に着けていない技術が有るのかもしれない…
あるいはその技術をさらに磨く必要があるのかもしれない…
あるいは、使うべき技術の選択ミスだったかも知れない…

 

本当は演技も上の3点を点検するべきなのです。

 

ところが演技の場合は、その失敗をまるで自分の人格や性格のせいにして、自分を責めてしまう俳優が実に多いのですがその理由は次の2つだと思います。

  1. 「何を?どうすれば?思うがままに演技できるのか?」を納得できるまで学んだことがないこと

  2. そのせいで演技に対してある誤った思い込みを刷り込まれ、日々強化していること

では、ある誤った思い込みとはなんでしょうか?

「役を生きる演技」の秘訣は次回からドンドンお伝えしていきますが、スタシスを学び始める前にこの思い込みだけは払拭しておきたいのです。

俳優が抱えがちな「誤った思い込み」とは?


普段、私はプロの俳優さん達の役作りのお手伝いや演技指導をしています。なぜか年齢層は高めで30代から50代の方が一番多いです。

 

悲しいことに、そんなベテランでさえ演技への自信を失ってしまったり、演技が嫌いになったり、怖くなってしまったという相談を受けることが少なくありません。

 

そんな彼らが再び演技を好きになり自信を取り戻すために絶対に欠かせないことがあります。

それは、「演技とはそもそもどういう技術か?」を本当に納得することです。

 

演技とはそもそもどういう技術か?」を改めて、というよりも長い俳優人生で初めて「演技とは技術である」という事を心の底から納得できると、知らず知らずのうちに抱えていた誤った思い込みの存在に気づきます。

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間違った思い込みは24時間あなたを責め続ける

演技の失敗は俳優の人格の問題ではなく、技術の問題です!

 

その誤った思い込みとは…「演技の失敗=俳優の人格の問題」という考え方です。

演技の失敗は俳優の人格の問題ではありません。演技の失敗は技術の問題です。

 

例えば、あなたがピアノを習った事があるのだとしたら思い出してください。最初に何を習ったか…

 

音が鳴る仕組み、音の鳴らし方、指の使い方、それらを鍛える基礎的な楽譜、楽譜の読み方など。

 

全ては教えることも学ぶ事も可能な技術です。

 

まず、技術を教える前に「一流のピアニストにふさわしい性格や人格になりましょう!」などという訓練や指導はありえません。

 

曲が上手く弾けない生徒に対して技術については一切に触れずに

「覚悟がたりない」
「感情を解放しろ」
「殻をやぶれ」
「人格に問題がある」

 

などと言うピアノ教師が一人でもいるでしょうか?

絶対に居ないはずです。

 

もちろん、理想を言えばピアニストも俳優も素晴らしい人格を備えていて欲しいです。しかし、人格がそう簡単に変えられるはずがありません。

 

仮に人格や性格の改造が本当にできたとしても、楽譜も読めず、想い描く音を出す技術を持たないピアニストが人の心を動かす演奏などできはしないのです。

 

もし、思うがままに弾けない曲があれば検証するべき点は他に山ほどあるはずです。曲の理解や解釈、指の使い方、姿勢、奏法の選択、基礎の見直し、訓練方法など…

 

演技も同じです。

 

あなたという楽器を想うがままに鳴らすには、

  • 楽器の仕組みの理解(演技理論)

  • 楽器の鳴らし方(無意識の操作方法)

  • 楽器をならすために必要な感覚の磨き方(五感の訓練)

  • 曲の解釈の仕方(シナリオ読解法)

  • 欲しい音を奏でる秘訣(ビート毎の行動解析)

などを知っている必要があります。

 

演技は学び、磨いていける技術ということがちゃんと納得できれば、演技を人格の問題にすり替える必要はないはずです。

 

では、一体いつのまに、こんなネガティブな思い込みが刷り込まれてしまったのでしょう?

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演技力はやさしく教えることも、学ぶことも出来る技術

思い込みの原因は?まさかの…


繰り返しになりますが、多くの俳優は演技力とはどんな能力や技術なのかを納得いくまで学ぶ機会に恵まれません。

 

そのせいで、演技力とは「学んで身に着けられる技術」というよりは「生まれつきの才能」と感じてしまうのはむしろ自然かと思います。

 

確かに、学ばなくても素晴らしい演技をする人もいれば、立派な養成所出身だからと言って必ず素晴らしい演技をするとも限りません。

 

ですから、多くの俳優は演技が失敗したとき、自分の人間性を疑いがちなのです。

 

だからこそ、演技教師は演技の問題は純粋に技術の問題であることを強調して伝えなければなりません。

 

演技力とはどういう技術なのかを教え、磨き方を伝えるだけでなく、演技を見る目や修正する能力を教えなければならないのが本来の演技指導者の役目のはずです。

 

ところが、その肝心の演技指導者自身もキチンと納得いくまで演技を学んだ経験が無い場合が多いのです。

 

演技の本質ではなく、○○メソッドのメニューや手順を学んだだけの演技指導者がいます。

 

驚くことに実際そのメソッドを使って演じた経験が無い指導者も居たりします。

ですから、知識としてそのメソッドの訓練メニューを伝えることはできても、なぜ、いつ、そのテクニックが必要なのか分からないまま「訓練のための訓練」に終始してしまいます。

そして、いざ実践で演技が上手くいかないと、結局「演技の失敗=俳優の性格の問題」という誤った思い込みを俳優に刷り込んでしまう指導になっていることが多いのです。

原因は的外れの演技指導


演技の失敗を俳優の人格や性格に問題があるかのように指摘してしまう演技指導は明らかに間違っています。

 

演技力を向上させるために性格や人格を変えるなんて的外れです。

 

もし、本当に人格改造が必須なのだとしたら、演技を教えることも、学ぶこともなんと途方もない話なのでしょう。

 

性格を変えたくて心理カウンセラーに十数年通いながらも、一向に変わらない登場人物たちを映画やドラマでどれだけ見てきた事か…。

 

そんな大変な仕事を演技教師が担えるはずがありません。

少なくとも私にはお手上げです。

 

私はその俳優の今の人格そのままでありながらも、カメラの前や舞台の上ではまるで別の人格を持ったかのように役として生きる仕組みと秘訣を教えます。

 

ただし、「身に着けた演技力のお陰でなりたい自分になれた」という人は知っています。

順番が逆なのです。

 

演技が思うようにいかない時に自分を責める必要は一切ありません。技術を磨く事によって解決できるのです。

 

ベテラン俳優でさえもがこんな基本的な事を知って安心し、再び演技に立ち向かっていける力を得られるようでした。

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磨いた技術があなたを解放する

勉強不足の演技指導から若い人を守りたい


プロまでたどり着けた人達へのケアはこのような対処療法で良かったのかもしれません。

 

しかし、最近の映画演劇界のパワハラ・セクハラの告発を見るにつけ、俳優を目指す若い人達までもが少なからず被害者になっている事を知るようになりました。

 

私にとって演劇とは常に楽しく、かつ神聖なものでした。

 

特にロシアやドイツの演技教師達の生徒に対する態度は私にとって驚くほど誠実で丁寧でした。私は生まれて初めてリスペクトの真の意味や価値を身をもって知ったかのように感じたものでした。

 

ところが、日本では映画演劇界の大人たちに酷く傷つけられ、失望し、俳優を諦めざるを得なかった若者達が大勢いらっしゃることを知って胸を痛めています。

 

稽古場や現場で指導者のパワハラ・セクハラまがいの指導をそれが酷いこと、間違っている事と見抜けず、逃げられなかった被害者たち。

 

そばで、目撃していて「何かおかしい」と感じながらも、自分の違和感に確信が持てずに助けられなかった人達も多かったであろうことが本当に残念でしかたありません。

 

俳優を目指す人たちがもし、演技を始めたころからスタシスを学び「演技とは何か?」を知っていれば、指導者に直接「ノー」と言う勇気までは持てなかったとしても彼らが明らかに間違っていると見抜くことは出来たかもしれません。

 

勉強不足の演技教師達の心無い言葉を額面通りに受け取り、長く痛み続ける深い傷を負わなくて済んだのではと思ってしまいます。

 

演技とは何かを本当に知っていれば、暴言、暴力、セクハラが俳優や演技の助けなるはずが一切ないことは明らかです。

演技を知らない演技教師達の恐るべき屁理屈


演技を知らない演技教師達がひどい指導を平気でできてしまうのは、
「俳優は様々な経験を表現しなければならない。だから実人生におけるどんな経験も演技の役に立たないわけがない!」との屁理屈を本気で信じているからだと思います。

 

こうなってくると、どんなパワハラ・セクハラまがいの要求でさえ演技指導として正当化できてしまいますので犯罪まがいのことさえ起きてしまいます

 

したがってもし次のような演技指導をする者が居たらその人からは絶対に離れた方が身の為です。

 

事情によってすぐには離れられないならば、せめて精神的に距離を取った方が良いです。そのままだと自分も演技も嫌いになるのがおちだからです。

勉強不足の演技教師や演出家の特徴とは?

 

演技ができないのを人格のせいにして個人攻撃する

  • おまえは才能がない。

  • 人格が俳優に向いていない。

  • おまえは不感症か?

  • おまえは覚悟が足りない。

  • 殻を破れ!

  • もっと、自分を解放しろ!

  • こんなことも分からないの?バカなの?

上のような発言を真に受けないようにしましょう。

暴言は暴力を受けたのと同じダメージを脳に与えるそうです。

そして、なるべくその人の元を離れましょう。

勉強不足の演技教師や監督は感情的で怒鳴ったり暴力を振るいます


また、勉強不足の演技教師や監督は俳優の出来次第で感情的になったり、時に怒鳴ったり暴力を振るいます。

 

よくよく考えてみて下さい。

 

感情のコントロールは俳優の仕事でも最も大切でデリケートな部分です。

 

レッスン中に自分の感情もコントロールできない人間が俳優を指導する資格などあるはずがないのです。

 

もちろん、所属するメンバーと別れたり、居場所を一時的に失う寂しさもあるでしょうし、勇気も必要かも知れませんし、直ぐにはその人物から離れられない事情もあるでしょう。

 

また、演技指導者としては最低でも、最高の劇団運営者であったり、天才作家という場合もあり得ます。その団体に属している事、戦わない事があなたの人生設計で必要なのかも知れません。

 

その様な時は、自分の心を少しでも守るため、以下のようにその指導者に内面で語りかけ哀れんであげてください。

「ああ、可愛そうなあなた!あなたは本当の演技を勉強をする機会に恵まれなかったんですね。演技を知らないにも関わらず偉そうに振舞わなければならないなんてとても孤独で怖いのでしょうね。今は怒鳴らせておいてあげますね。」と…

 

くれぐれも、本気で自分を俳優失格かのように捉えて、自分で自分を傷つけないように注意しましょう。

 

そして、思うがままに演技できない時は、本来、どんな考え方で、どんな技術が必要で、どう訓練するべきか等をココで勉強してください。

 

次回からあらゆるリアリズム演技メソッドの根幹スタニスラフスキー・システムを世界一やさしく伝えていきたいと思います。

 

初回につき超長文になってしまいましたが、最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

 

次回からはもっと気楽に投稿したいと思います。

どうぞ、よろしくお願い致します。

【役を生きたい俳優の為の特殊なホンの読み方をフレームワークという型で縛って強制的にホンが読める思考にするワークショップ開催】


俳優のホンの読み方は一般的なホンの

読み方と全く違いかなり特殊です。

 

通常と違う新しい読解法を

マスターするという事は

新しい思考法を身に着けるのと同じ事。

 

ところが普段私達は自分の思考に無自覚です。

 

無意識下の思考をコントロールするには

膨大な量の訓練が必要となります。

 

ところが、残念ながら独学では

何年もの経験を積みながらも

全くホンが読める自信が持てないまま…

という俳優さんが大勢いらっしゃいます。

 

何事も習熟にいたるためには

その秘訣が凝縮された型を繰り返し

実践するのが効果的です。

 

スタニスラフスキーシステムにのっとり

役作りに直結した秘訣を練り込んだ

フレームワークを開発しました。

 

そのフレームに落し込む訓練をすると

自然と演技力向上や役作りに

役立つシナリオ読解思考を駆使できるように

なってゆきます。

 

そんなフレームワークを使って

読解思考法をマスターするための

ワークショップをzoomで開催します。

 

興味を持たれた方は下の画像をクリック!してください。

 

 

しかし、そもそも、なぜ、「自分はホンが読めないのか?」

その理由がわかりますか?

 

あるいは、なぜ、あなたは皆から「ホンが読めるねー」と

感心されてしまうのか?

 

を自分で把握できているでしょうか?

 

先ずは、その違いを以下に明らかにしておきましょう!

 

2021年8月25日-9月15日 全4回毎週水曜 20:00-22:00  1週間後にアフターフォローセッションあり定員:先着8名様 zoomにて 20000円➡15000円(夏休み特別割引) 動画による予習講義、講義動画の共有、自然とホンの読み方が身につくフレームワークシート、フレームワークシートの効果的な使用法動画コース、1週間後にアフターフォローセッションなど含む。内容が気になる方は上の画像をクリック!

 
 

【ホンを読める?読めない?

第1の分かれ道 ➡そこに生きた人間を見つけようとしている?】

 

ホンを読みつつ、魅力的な場面が

想像できているでしょうか?

 

それを演じている自分を想像して

ワクワクできているでしょうか?

 

これをお客様に見せたいとドキドキしたり、

こんなこと経験してみたいとヒリヒリしてますか?

 

それらとは違って、つい頭だけで

解釈してしまっている場合ありませんか?

 

特に古典戯曲や逆にTVドラマの脇役など・・・

無意識の内に役の人物に共感することを

ある種あきらめてしまっていたり・・・

 

芝居だから…古典だから・・・

高尚な作品なのだろうから・・・

説明的な役だし・・・、引き立て役だし…

 

と、勝手に「そんなもの」と片づけてしまっている。

 

その芝居の意義や価値をうんぬんはするものの、

そこに自分が共感できる生きた人間を

見つけようとする努力を失っている場合。

 

それは俳優として読めてないです。。。

 

出発点は役の人物に共感できること!

 

その根本はその人物をあくまで自分と同じ生きた

人間として見ようとしているかどうか?

 

なのです。

 

【ホンを読める?読めない?

第2の分かれ道 ➡感情を語っているか、動詞で描写しているか?】

 

 

仮に正確に感情を分析できたとしても、

あなたの感情はあなたの意志や理性で

コントロールできません。

 

無理やりコントロールすると

いわゆる臭い芝居、大げさな芝居

痛々しい芝居・・・

 

となるのが目に見えています。

 

あなたの内面から自然と

役の人物が感じるであろう

感情、感覚、思考が生まれてくるように

コントロールしたいならば

行動に着目せねばなりません。

 

感情や精神を分析することは解釈自体を

楽しむことにはつながりますが

その行為はあなたを評論家にはしても

優れた俳優にはしてくれません。

 

数十年通っても人生や生活の問題を解決しない

精神科医のように、その人物の感情や過去のトラウマを

分析しても何も変化は起きないのです。

 

分析するべきは、あなたが望むような

人間になるために(役の人物に生れ変るために)

何をどうするべきか?

 

なにを、どうすれば、その行動が

自分にも無理なくできるのか?

 

を分析することなのです。

 

【ホンを読める?読めない?

第3の分かれ道 ➡単に動詞で刻んでいるのか?それとも、あなたをつい夢中に、繊細にさせるタスクに掘り下げきれたのか?】

 

 

その分析は面白いですか?

あなたを行動に駆り立てますか?

つい、役の人物になりきって

しまいたくなる行動になっていますか?

 

それとも、単に事務的に動作や運動を

動詞に切り刻んだだけですか?

 

その分析のお陰であなたの五感は

役の人物が働かせるであろう繊細さと同じ質で

つい、敏感になってしまいますか?

 

それとも、抽象的で大げさな表現の分析で

エネルギーは出てくるものの、

ブレーキもハンドルもない直進しか

できない暴走車のようなあなたに

駆り立ててしまいますか?

 

 

【モノの見方を調整するには型の習得が必要】

役の人物に生れ変るために

俳優はかなり特殊な観察眼で人物を

洞察する必要があります。

 

その眼を生まれながらにして持っている人も

沢山いますが、そうでない人は膨大な

経験を積むか研ぎ澄まされた訓練が必要です。

 

しかし、世間一般で言われる

ホンが読めるようになるためのアドバイスと言えば

 

  • ホンを沢山読みなさい。
  • 人格を高めなさい。
  • 沢山、良い映画や芝居を観なさい。

😞・・・

 

それらを人一倍実行したからと言ってその人が

優れた評論家になれるのか、

大いなる芝居好きになるのか

それとも優れた俳優になれるのかは運しだい・・・

 

という程度のアドバイスです。

 

あくまでも役の人物を生きた人間としてとらえ、

共感し、つい役の人物のように振舞いたくなる、

つい、役の人物のような思考や感情や感覚に

襲われてしまうためのホンの読み方があります。

 

それらの秘訣を練り込んだ

フレームワークを開発しました。

 

そのフレームに当てはめようとする努力が

自然と演技力向上や役作りに役立つ

シナリオ読解思考をあなたの中に育てる

ようになっていきます。

 

そんなワークショップをzoomで開催します。

 

ホンが読めるようになりたい俳優は

以下の画像をクリック!してください。

 

分析するのは「シックスセンス」

の感動的な場面です。

 

繊細で難易度高めの場面ですが

正しい分析ができれば演技初心者でも

演技可能になるほど緻密な

行動分析を垣間見ることが出来るかと思います。

 

これまでに私のシナリオ読解クラスに参加された方は…

 

新国立俳優養成所演技講師

国立劇場芸術監督

映画監督

2021年全国公開映画に2本に主演している映画女優

読売演劇大賞受賞俳優

某有名ミュージカル系劇団員

某有名歌劇団系劇団員

2021年ハリウッドデビューを果たした俳優

 

など多数です。

 

あなたも「ホンを読める」とはこういう事か!

を経験してたいのであれば

上の画像をクリックして内容を

確かめてみてください!

 

 

ベル 無料の動画レッスンで日本の演技力を一気に世界基準化するプロジェクト!ベル


今後どのような監督、演出家、演技教師に出会っても決してぶれることのない確固たる世界基準の演技軸が欲しくはありませんか?

 

あらゆるリアリズム演技メソッドの根幹であるスタニスラフスキー・システムの神髄を知り、全ての演技メソッドを統合する軸をあなたの中に構築する動画を受け取ってください!

 

下矢印ピンッ!ときたかたは下の画像をクリック!下矢印

 

 

 

 

 

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今後どのような監督、演出家、演技教師に出会っても決してぶれることのない確固たる世界基準の演技軸が欲しくはありませんか?

 

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【常識外れの動画レッスンをプレゼント中!】

 

コロナ禍で全てのスタジオレッスンを閉じた。現在は全てのレッスンをzoomを利用したオンラインで行っている。

 

オンラインで…と不安がる俳優さんもいなくはなかったが、私はコロナの3年ほど前からzoomで個人レッスンを行っていたので、効果的にレッスンするためのノウハウやコツを蓄積できていたので安心してスムースに移行できた。

 

当初は不安がっていた俳優さんも、むしろ、オンラインだからこそ「何をどうしたらよいのか・・・」と途方に暮れていた状態から飛躍的な成長を遂げてくれた方が沢山いる。

 

オンラインで演技レッスンなんて・・・と常識を外れた発想に疑いを持つ方々も多かったと思うが(私自身を含めて)、今やzoomによる演技ワークショップは普通になってしまったようで珍しくともなんともないようだ。

 

あの当時、常識に縛られずに動いて大正解だった。(※ある東京の女優さんに「撮影時に大阪からの電話で良いから演技指導して欲しい」と言われたのがきっかけだった) 後発組だとむしろ敬遠して今でも手を出していなかったかもしれないので(^_^;)

 

しかし、zoomを利用して安価になったとは言え、私の個人レッスンはまだまだ高い。なかなか個人レッスンに手をだせない人も多い。しかし、私も日本中の俳優さん達に伝えたいことは山ほどある。

 

そこで、引き続き常識に縛られない発想で「本当に演技力向上に貢献できる動画によるレッスンプログラム」は創れないものかと挑戦してきたがとうとう先月その全てを完成させることができた。

 

参加者の8割がたはプロの俳優さんだったが、かなりの好評を得ることができた。周囲の評価が格段に上がったという俳優さんから連絡を頂いたりしている。プログラム終了後に頂いた感想の一部を抜粋させて頂きます。

 

【先生の解釈、実演、修正のプロセスが特に勉強になりました!】

以下、感想の抜粋です。

 

自分にとっては全て学びがあるトレーニングでしたが、中でも五感の基礎トレとスローモーショントレーニングが良かったです。そして、先生の「解釈と実演と調整」を見れたことが本当に良かったです。

五感のトレーニングをこなしたことによって、自分の感覚により鋭敏になったと感じています。またその培った力をスローモーショントレーニングの際に目的や動機などが身体化されているかをモニタリングするために活用することができるようにまでなりました。


五感については、言及されている演技本などもありますが、いまいちよく分からず軽く飛ばしていました。しかし、レッスンを受けたことによって、その重要性や意味を理解できるようになったと思います。

先生の実演も、「演技が思うようにいかなかった時にどこをどう調整すれば良いかの?」ということも具体的に学べ、ビフォーアフターまで見れたので、とても勉強になりました。

 

まだまだ未熟なのでこれからもたくさんの勉強は必要ですが、まずは半年間カリキュラムをこなせたのが嬉しいです。


あまりやり切れなかった、苦手なところを中心に、2周目もやっていきたいと思います。改めて、「みん☆スタ」に参加できてとても良かったです!いつか対面のワークショップなども受けたいと思いました。約半年間ありがとうございました!

 

 

以上。

 

【演じるアクティングコーチ田中てつとして】

ロシアの演技の先生たちは必ず見本を見せてくれた。もちろん、「これが正解なので真似しなさい」という意味ではなく、より分かりやすくするために、そして、つい興奮して演じてしまうようにも見えた(笑)

 

しかし、その実演を通して、「なるほど、言いたいのはそういうことか」「なるほどこれほどエネルギーが必要なのか…スゴイ迫力だな、自分の演技とどこが違うのだろう」と、その神髄を頭だけではなく身体を通して感じ取ることが出来たと思う。

 

あるコメディーの稽古をしていた時には「全ての役を先生1人がやれば一番面白いだろうね(笑)」と皆で話したほどの演技力だった。

 

その先生の一人が「スタニスラフスキーシステムについての本は読まない方が良い、恐らく今読んでも道に迷うだけだから…」と仰っていた。「必要なことは全て私が教えるから」と。

 

そして、ずいぶん経ってから「俳優修業」などの書籍に触れたが、なるほど、本には書かれていない事を沢山教えて頂いたし、書籍に書いてある事の全てを学んだわけでもない。

 

実践を通して、あるいは実演を見て知ったからこそ、書籍に触れてその重要性や意味合いが伝わってくるが、何も知らない状態で読んでいたとしたらどれもこれもが重要かつ難解な気がしてあっという間にスタニスラフスキーシステムを小難しい机上の理論と無視を決め込んだり、逆に永遠にたどり着けない偶像として崇めたかもしれない。スタニスラフスキーシステムは崇めるモノでも無視できる代物でもない正に実践の書なのだという事が今なら分かる。

 

私も彼らから学んだこと全てを鵜呑みにするつもりはないし、このプログラムの中で自分で効果を実感できないモノを教える気になれない。役にたったこと、使いこなせることを私の実演を通して伝えている。なのでどうしても凝縮された内容になってしまったが半年で学ぶにはそれでも相当の量になってしまった。

 

しかし、永遠に繰り返すことが可能な訓練を紹介しているので、日常的に演技の神髄を太く濃くしてゆくためのトレーニングを継続したい方にはぴったりだと思う。

 

そのプログラムの冒頭は演技力向上に絶対に欠かすことの出来ない基盤について、つまり「演技とは何か?」をレクチャーしている。合計90分ほどだが、目から鱗が数枚は落ちるであろうパラダイムシフトを引き起こす内容になっている。

 

この部分を見るだけでも今後の演技がガラリと変わる切っ掛けになると思う。その部分は完全に無料で公開しているので、先ずは無料の動画だけでも受講していただけたらと思う。

 

そして、日本の映画演劇界のさらなる飛躍に貢献する学びを深めていただければ幸いです!私も演じ続けます!


 

 

 

 

 

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【演技教師は選べばいい…でも…】

 

※特報!「みん☆スタ」2週間動画ワークショップ無料キャンペーン!

今後どのような演出家、監督、演技教師に出会おうとも決してぶれない世界基準の演技軸を欲しくはありませんか?

 

スタニスラフスキーシステムを学ぶ本当の理由とはなんでしょう?

 

  • 世界基準の演技術を学ぶため?
  • ハリウッド俳優達なら皆勉強しているから?

 

もちろん、どれも正解かもしれませんが、先ずはコレ!

 

俳優が自分の中に優れたアクティングコーチを育てるため!

 

なぜなら、理論武装し自分を守らなければあなた本来の力を発揮するどころではない酷い演技環境の中にいる場合が少なくないからです。

 

 

 


付け焼き刃の知識で俳優を指導する輩は多く、その未熟な教師のせいで技術が向上しないならまだましで、中には演技が嫌いになってしまったり、精神的に弱ってしまう方までいるからです。

 

【洗脳集団に染まらないために】

 

芝居の稽古は密室で行われます。

 

自分を晒そうと必死な者たちに指導する演技教師は、時にキャスティングさえする立場なのですから、教師生徒の双方が対等の立場でいられるように余程の配慮をしなければ、いつのまにか演技教師が絶対的な影響力を持つという不健全な環境になりかねません。

情報が遮断され(何が本当の演技なのか真実を誰も知らない)、
嘘の物語が与えられ(何に最も価値を置くべきかの教義)、
お互いが監視しあうようになり(同じ価値観で言動をしているか)、

叱咤や激励を交互に与え、与え合い、互いが互いに洗脳しあうのですから、あっという間に洗脳された集団が出来上がります。
本当に怖いです。(※これ洗脳の常套手段ですね…)

 

そして、その気持ち悪い集団を離れることはできても、あなたは自分の中に培った中途半端なアクティングコーチと一生を共に過ごさなければなりません。

 

果たして、あなたの脳内でささやくアクティングコーチはあなたの演技力向上に役にたっているでしょうか?

 

【知らない間に結果を求めるウィスパー】

 

もっと、集中して…

もっと、リラックスして…

もっと、相手のセリフを聞いて…

もっと、感じて…

もっと、自分をひらいて・・・

 

これらは「北風と太陽」ではないですが、無理強いするものではありません。前回の記事にもあるように無駄どころか逆の結果を導き出しかねません。

 

  • 相手のセリフがビンビン響いてしまう
  • つい、自分をさらしてしまっていた…
  • つい、夢中になってしまっていた
  • つい、感情がおさえきれなくなっていた

 

これらは、あくまでも、ある原因のためにいつのまにかそうなってしまっていた。。。という結果にすぎません。

 

その原因にアプローチしなければなりません。

そのアプローチの方法を知らなければなりません。

そして、そもそも、何に集中するべきなのか、それはなぜなのか?を頭や知識で知っているだけでなく、心の底から納得していなければなりません。

 

すると、どうしても生半可な知識ではなく、完全に腑に落ちた理論であり、応用可能な智恵になっているべきなのです。

 

【スタニスラフスキーシステムを日本の常識に!】

 

全てのリアリズム演技理論はスタニスラフスキーシステムのスピンオフに過ぎません。本編を知らずして本当の応用は難しいです。

 

これまで、スタニスラフスキーシステムを完全に納得して学んでい頂くためには、それなりの環境や時間が必要でした。

 

短期ワークショップなどで丁寧に教えてきましたが、どうしても人数や時間の制約がありました。演技教育後進国である日本にスタニスラフスキーシステムを根付かせるには時間がかかり過ぎます。そうしている間にもいわれのない傷をつけられて演技をあきらめたり嫌いになってしまう人が今日もいます。

 

そこで、オンラインプログラムを一年がかりで構築し、今まさにプロの俳優達の手を借りて修正を重ねながら走り出しています。

 

このオンラインプログラムに取り組めば半年かけて自分で自分の演技をデザインできる、優れた、優しい、信用のできるアクティングコーチ、演技教師を自分の中に育てることが可能です。


【先ずは最初の1ヶ月を無料体験!】

 

とはいえ、私と初対面の方がこれを試すには色々とハードルが高いと思われます。誰にどんな環境で演技を学ぶかは非常に重要な決断になるはずです。

 

そこで、来月にはこのプログラムを初月無料でお試しして頂けるように計画中です。

 

最初の一月を学んで頂ければ、先ずはこれまで「演技とは一体何?」という根本的な疑問から、「決して演技教師には聞けなかった」演技についての素朴な疑問などが全て明らかになります。

 

ですので、最初の一月だけでも学んで頂ければ今後、皆さんが勉強不足の演技教師達から苦しめられることも、自分の中に居る理不尽なアクティングコーチのささやく言葉にも理路整然と向き合い、有効なアドバイスと無視してよいアドバイスの区別がつくようになります。

 



このプログラムは永遠に進化し続ける教材になっています。※「みん☆スタ」(みんなの演技力を劇的に向上させるスタニスラフスキーシステムの本当の使い方オンラインプログラム」


【理論武装は演技教師を許すため】

 

みなさんにはこの「みん☆スタ」で絶対的な理論武装して欲しいです。
別にアクティングコーチに言い返すためではありません。

 

勉強不足の演技教師の心無い言葉に傷つかないでほしいからです。


もし、演技の稽古中にあなたを傷つける教師がいれば、その人は演技について何も分かってないです。

 

ただ、その人がそんなに悪い人でない可能性も理解して欲しいです。
 

つまり、その状況(ついカリスマになれてしまう環境)がその教師をそのようにさせしめるのです。

 

そして、その教師も演技について人に納得できるまでトコトン教えられるほどの知恵を得られるような機会に恵まれずに来てしまっていることを理解してあげましょう。演技教育のスタンダードが日本にはないのですから当然、演技教師を育てるスタンダードもなかったのです。

 

憎むのではなく哀れんであげてください。

そのための理論武装です。

相手の言動の構造を見抜くことばできればその罪は許せます。

許すこととは見抜くことです。

罪を憎んで人を憎まずが、無理やりではなく、自然とできるようになるのです。

 

特報!「みん☆スタ」2週間動画ワークショップ無料キャンペーン!



本気で演技を学びたい!あるいは本気で演技を教えたい!
のであればぜひ「みん☆スタ」へのご参加を検討してみてください(^▽^)/

 

「みん☆スタ」が世界で一番分かりやすいスタニスラフスキーシステム演技教材になれるかもしれない秘密!