■直木賞決定
■第134回直木賞に決まった東野圭吾さん(47)
「白夜行」が今月からテレビドラマ化されるなど、押しも押されもせぬ人気作家だ。
デビューから21年。
競争の激しいミステリー界を生き抜いてきたが、直木賞は遠かった。
6度目の候補でようやくの栄冠。
「編集者とやけ酒が飲めなくなるのは寂しいけど、今日は勝てて良かった」
ちょっとニヒルな顔に、ホッとした笑顔が浮かんだ。
受賞作「容疑者Ⅹの献身 」(文芸春秋)は、思いを寄せる女性が犯した殺人を隠匿しようとする天才学者と、物理学者の名探偵が対決する。
「見事なトリックを生み、完成度が高い」(阿刀田高選考委員)
謎解きミステリーは不利とされる直木賞の常識を覆した。
大阪の下町出身。
日本電装のエンジニアを経て、27才の時、「江戸川乱歩賞」を受賞しデビュー。
青春本格推理から、近年は「秘密」「トキオ」など家族愛や社会派テーマにまで作風を広げてきた。
受賞作は、これまでの自分の試みが融合した」集大成的作品で、昨年の各種ミステリーベスト10で3冠に輝いた。
理系出身でクールな印象だが、若者に交じりスノーボードに熱中する一面を持つ。
受賞連絡を受ける直前まで、締め切り間際の原稿に追われていた。
プロ意識は人一倍強く、「読者のためだけに小説を書く」が持論だ。
「これからも読者の期待を裏切らないように、裏切る時はいい意味で裏切るようにしたい」
(1月18日付読売新聞「顔」より)
■テレビ・スタートライン
■12月17日午後9時~10時54分 フジテレビ
プレミアムステージ・パラリンピック委員会推薦ヒューマンドラマ
「スタートライン~涙のスプリンター~余命僅かの青年と盲目の少女は障害を越え、走りぬくことができるのだろうか」
山田孝之・鈴木杏 共演
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パラリンピックを初めて見たのは、1998年の長野の冬季競技だった。
手足や視力が不自由でも果敢に体力の限界に挑む選手の姿に驚き、勇気づけられた。
このドラマは、スポーツが結びつけた、健常者と障害者の心のきずなを描く。
シドニーオリンピック出場有力といわれたスプリンターの駿は、採集選考レースでゴール直前に気を失い、転倒。
医師から致命的な脳の病と診断される。
挫折し、無気力な日々を送る駿はある日、視覚障害者の短距離走選手・瞳と出会う。
瞳は伴走者不在で、パラリンピック出場の夢をあきらめていたが、駿は瞳の伴走者となる決意を固める。
画面には走り幅跳びや高飛び、車イス競技などに本物の障害者アスリートたちがエキストラで登場。
心がくじけた健常者も体に障害がある人も、まずは、人生のスタートラインに立つことが大事だと、ドラマは訴える。
駿と瞳を結ぶ一本のひも(ガイドロープ)に込められたさまざまな意味をかみしめながら見た。
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(12月17日付読売新聞テレビ番組欄「試写室」より)
小説「スタートライン~盲目のスプリンター 」のテレビドラマ化です。
週一回発行している メールマガジン でもテレビドラマ化を予想していましたよ。
テレビ化されてとてもうれしいです。
