まず場所や建物に驚いた。場所は近くにベルギー大使館があるようなところ。オフィスか官公庁が多い地域。建物も立派だ。こういっては悪いが、今まで見てきたところと雰囲気が全然違う。受付は声も体もでかい黒人の方だった。その近くに本が置いてある。シルバーバーチの本がいくつかある。その他、印象に残っているのは、ドリーン・バーチューの本もあったことだ。彼らが、良いと認めるものは置いているらしい。
今日は、最初にヒーリングを受けに来た。ヒーラーは3人くらいいたようだが、全員黒人だった。これだけで今までと違う。さすがロンドンだと思う。ヒーラーは白衣を着ており、ヒーリングする場所は「ヒーリング・クリニック」となっており、「患者」という言葉づかいがされているが、バースの教会とちがって、問診表などはなし。今、これを書いていて、医療とヒーリングの関係について確認しておかなければ、と思う。
「どこか身体の問題がありますか。それとも全般的なヒーリング general healing ですか」と聞かれたので、
「全般的なヒーリングで」とお願いした。
部屋は薄暗くて、瞑想用の音楽がかかっている。ゆっくり落ち着けた。感想としては、非常に透明な感じでリラックスするものだった。肩に軽く手を置いたが、それ以外に触ることはなかった。
終わったあと、自販機が置いてあるだけのカフェで、ヒーラーを捕まえることができた。会話の中で分かったことをまとめる。
SNUとの違い。宗教ではない。聖典を信じるようなことがないから。
「教会」でもない。教会ではなく、「チャリティ」(慈善団体)だと言われた。
SNUとは単に組織として違うだけ。
レイキとの違い。レイキのようなマントラやシンボルを使わない。スピリチュアリズムでのヒーリングは、霊界のヒーラー役の霊との交信による(これはシルバーバーチの本で読んだことがある)。そのため、ヒーリングは一種のミディアムシップだ。
サイキック(霊能者)との違い。自分たちは、あくまで霊界とのチャネル(経路)にすぎない。サイキックは彼ら自身の能力を使う。
「僕の意見だけど」と留保したうえでの答えだった。
そのヒーラーはもう9年もヒーラーをやっているという。日本人が先生だったと聞いたので、名前を聞いてみると知っている人だった。江原氏に出会ってSAGBに通うようになり、帰国後、スピリチュアリズム関連の組織を作り、活動している人である。
休憩中にあまり引き止めるのもあれなので、それで会話を切り上げた。しかし、質問に一生懸命きちんと答えようとする誠実な人だと思った。自販機で買ったお菓子を結局、一口しか食べずに答えてくれたので、申し訳なかった。
その後、デモンストレーションがおこなわれる。場所はコナン・ドイル・ルームで、コナン・ドイルの肖像が飾られている。ここはとにかくこういう歴史的なことを重んじているように思われた。
そして、日本で「スピリチュアリズム」として語られていることは、要するにSAGBなのだということが分かった。SNUとどちらが大きいかと言われたら、全国の教会の連合体であるSNUだと思う。では、SAGBは何なのだろう。ひょっとして比べるのが間違っているのかもしれない。なぜなら、SNUの全国スピリチュアリズム教会リンク集みたいなページには、ロンドンの中にSAGBも含まれているからである。
デモンストレーションは、男性ミディアムによるものだった。ちなみに、霊媒は廊下に飾ってある写真を見るかぎり全員白人である(HPでも確認できる)。
どかどかと入って、チケットを集めて受付に持ってゆき、ドアを閉めて、「さあはじめるか」というと、いきなり「あなた」と僕を指名してきた。
かな~~~~り早口。しかも、方言というかなまりがある。江原啓之氏が江戸弁で絶好調に早口の時のしゃべりを録画したものを1.5倍にして再生したら、日本に来た外国人がきちんと聞き取れるか、いやそれは不可能だ、というくらい早口だ。
多分、こんな感じ。
「(ジェスチャー付き)呼吸困難になっている。胸が苦しくて。Does it make sense to you? それで意味は通りますか」
このときのmakeが普通は「メイク」と発音するが、完全に「マイク」である。最初聞いたときは何のことか分からなかった。
しばらくちんぷんかんぷんなまま話される。最初、僕が呼吸が苦しいという意味なのかと思って、ウェスト・バッグを意味もなく外す(^_^;)。
「あなたのおばあさん」
という言葉が聞こえてきたので、やっと「誰かあなたの知っている死んだ人の中でこういう人は知っていますか」と意味なのだと分かる。
僕の実母は、去年の4月に間質性肺炎という肺が繊維化して呼吸困難になる病気で他界している。そこで、
「祖母ですか、母ですか」と聞くと、
「おばあさんです」とはっきり言われる。
しばらくそんな感じで、
「母なら、そうでした」と言う。横にいた紳士が、「ああ」と声を出してうなずく。
さらに、
「その人が言うんだけれど、何かあなたの組織に変化が生じた」
「変化?」
「そう。それで、組織に変化が生じて、利益がもたらされるようになった。当てはまりますか。」
「うーーーん(-_-;)」
「それは6ヶ月前のことです。」
しばらくそんな感じで話がつづき、分からない言葉が出てくる。「チャイン」とか「チャイナ」と聞こえるので、何のことを言っているのか分からないので、
「質問をしてもいいですか」
「はい」
「チャインって何のことですか」
「チャインジ、チャインジ」
「ああ、チェインジ!(変化)」
もはや、もう一人ミディアムが必要である。
「6ヶ月前ではなくて、7ヶ月前だったら、変化がありました。僕のポジションについて」
それで、ミディアムも納得する。
これは、ちょうど7ヶ月前に博士号を取っていることが思い当たったので、そう答えたのである。
総合すると、このミディアムは部屋に入っていきなり、僕の母親が肺の病気でなくなったことと、7ヶ月前に博士号を取ったことに「近い」ことを感じ取ったということになる。
この人は、他の人に移っても、知り合いの故人の亡くなり方を最初に言い、それに関連して何か感じたことを言うというスタイルをとった。非常に聞き取るのは難しかったが、かなり細かく亡くなり方を描写しているということは分かった。そして、感じ取ったことについてその8割が「イエス」という回答を即座に得られた。ということは、かなりの確率で、何かしら当てはまることを言い当てているということになる。総じて、優秀なミディアムだと参加者には思われたのではないかと思う。
それで1時間ぴったりで、10人くらいの参加者(男性は4人くらい)全員について一通りしゃべって出て行った。まったく、ただひたすら早口で、あいだに一口水を飲んだり、精神を集中させる(それもほんの一瞬)だけで、しゃべり通しだった。それだけでなかなかのものである。たとえば、完全なでたらめをそれだけ矢継ぎ早にしゃべったとしても、それはなかなかの才能であろう。
終わったあと、隣にいた老婦人と会話した。祖母のことを言われたのだけれど、良く覚えていないので、帰ってから確認すると話していた。帰りにコーヒーもいっしょに飲みながら、色々と話してくれた。
「今日のミディアムはちょっと早口すぎたわね」
と言っていたのでちょっと安心。あれは、エセックスの訛りだと言っていた。彼女は、来られるときは、必ずデモンストレーションに参加しているという。ちなみにデモンストレーションは有料で5ポンド(現在のレートで言うと750円くらい。経済危機前のレートだと1250円?)。
「あなたはキリスト教徒ですか」
「いえ、スピリチュアリストです。でも、キリスト教の教会にも通っているわ。他の人は、スピリチュアリストだって言うと、恐がるので、いつもはキリスト教徒だってことにしている。でも、私は、両親も祖父母もスピリチュアリストだったの。だから、恐いことなんか全然ないってことを知っているけど。」
「自分自身、ミディアムになろうとしたことはありますか」
「ときどきそうなるわよ」
といって、旅先で、この先に宿があるというインスピレーションを得て、その通りにあったということを話してくれた。また、僕については、「ガイドは、神道っていうのかしら、その関係の人だと思う」と話してくれた。
「でも、こういうのは常識が大事だからね。私は、今そう感じたってだけ。こういうのにはふりまわされないようにしなくちゃ」
別の文脈で、「僕は仏教徒だ(いちおう)」と言うと、
「そうそう、仏教のお坊さんよ、あなたのガイドは」と言う。
彼女は、また地元のSNUの教会にも通っているという。やはり、SAGBとSNUは別物で、両立可能なようだ。


