天竜区春野町は魏志倭人伝に登場していた⁉️ | 縄文家族|天竜楽市

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天竜川流域に岩宿、縄文の昔から連綿と続く山暮らし。

大祖先から受け継いだ五万年持続する森と共生するサスティナブルライフを未来の子供たちへ伝えましょう‼️



春野町の奥深い山中にひっそりと佇む遠淡海國最高神本宮小國神社

現存する遠淡海國最古の社です。

履中天皇四年(403)遠淡海國守護神を勧請し、磐田郡与利郷杉村神戸島に奉祀

延喜式神名帳 遠江国磐田郡鎮座 鹿苑神社

静岡県浜松市天竜区春野町杉字上ノ山485

祭神 
大己貴命 素戔雄命 猿田彦命 大山祇命 美知佐根命 品陀別命

嘉祥三年(850)文徳天皇の御代に従五位下
貞観二年(860)清和天皇の御代に従四位下
元慶五年(881)陽成天皇の御代に磐田郡を割ち山香郡を置く、この時磐田郡国府二宮に分霊
承平年間(931-938)小國神社と改称

古来は正国六音大菩薩社と称す。
歳々正月乾鹿壱石を貢とする習わしがあり、苑内に鹿を飼っていたため鹿苑神社と称された。

…あまり世に知られていないのですが、遠江一宮小國神社、二宮鹿苑神社の本宮は、天竜区春野町杉に鎮座しています。

延喜式神名帳にも載っている由緒正しき古社で、神戸島の地名は、現在門島(かどしま)として残っています。字の上ノ山は、神の山の意でしょうか?

神仏習合により小國鹿苑(おぐにかその)神が音読みされて正国六音(しょうごくろくおん)大菩薩と呼ばれていました。

磐田二宮への分霊を遷座とする説がありますが、本宮は現存しており分祀が正しいのです。

森町に鎮座する小國神社の創建は欽明天皇十六年(555)と本宮小國神社より百五十年程遅く、近年まで本宮小國神社大祭には、森の小國神社から必ず使者が参じていたようです。

本宮小國神社主祭神はオオナムチノミコト

オオナムチ神は大国主命の別名とされていますが、小國という神名の由来は、出雲(発祥の地)の大国に対して、出雲が滅んだ地だから小国という説もあります。

出雲族の残存勢力が天竜川を遡って信州諏訪へ逃げ込んだとするなら、天竜区付近で天孫族と出雲族の最後の戦いがあり、滅んだ出雲神の祟りを畏れて深い山中に小國神としてお祀りをしたということでしょうか…

与利郷を流れる杉川は下流の気多郷で気田川に合流します。
能登の気多大社、気多本宮の祭神もオオナムチノミコトですから、小國神=気多神ということになります。

秋葉大権現も江戸時代まではオオナムチ神であり、秋葉山を式内小國神社の比定地とする説もありました。

秋葉山や光明山の天狗の由来は出雲族が祀った天宮であるとは天狗研究家平野先生の説。

気田川流域は、出雲、オオナムチ神との強い結びつきがあるようです。

本宮小國神社祭神のうち、美知佐根命は聞き慣れない神名ですが、杉村から山を一つ越えた熊切川沿い長蔵寺地区の諏訪神社には菅原美知佐禰彦命が祀られており、おそらく菅原道真公のことと思われます。

磐田郡与利郷は、気多郷、大岑郷、岐階郷と共に山香郡として分置され深い山中であるにもかかわらず一郡が置かれました。

与利郷は、杉川流域(旧熊切村)から大井川西岸の川根地区までを含んでいたようです。

現天竜区龍山町大嶺辺りが大岑郷であったと思われ、のちの山香庄西手(北は瀬尻から南は横山、月、伊砂辺りまで)までを含んでいたと考えています。

大岑郷の北は平安時代以前は信濃国に属し、伊那郡奥山郷(現在の水窪町、佐久間町東部)であったと思われます。

気多郷は、内山真龍『遠江国風土記伝』を参考にすれば、気田川上流から下流の小川、更には相津付近まで。

岐階郷は、諸説ありますが…岐=クナト=二俣で、素直に考えれば二俣郷でしょう。
岐山(ふたまたやま)とは、山頂付近が岐(ふたまた)に分かれている光明山のことだろうと想定しています。

旧天竜区では、他に阿多古川流域は麁玉郡碧田郷。
鹿島は西が長上郡、東が長下郡といったところでしょう(長上、長下=長田郡は、磐田之海が干上がって出来た平野部と考えています)。

かつて二俣郷の旧名と考えられた壬生郷は磐田市匂坂付近が有力。山香郡とは別に磐田郡に属する山香郷は、旧豊岡村付近(敷地辺りから横川を含むと想定しています)が有力と思われます。

山間部ながら山香郡は独立した一郡が置かれたように、古代から人口が多かったと思われます。

そして、奇しくも山香郡の領域である現天竜区春野町、龍山町、旧天竜市域は、秋葉山本宮秋葉神社の氏地となっています。

山香郡が置かれた頃から秋葉信仰に繋がる山岳信仰が盛んになっていたと考えても良いでしょう。

明治の東洋史学者内藤湖南は、魏志倭人伝に登場する華奴蘇奴国を遠江国磐田郡鹿苑神社の所在地に擬定していますが、山香郡全域、秋葉の氏地に拡大して解釈すれば、ここに邪馬臺国に属する一国があったとしても不思議ではない気がします。

次回は更に天竜川流域に焦点を拡げ、邪馬臺国との関係について考察していきたいと思います❗



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