あなたと居た時は
悲しいことも
忘れたりして
あなたの笑顔が
つらいことも
忘れさせてくれた

あたしが寂しい
そんなとき
あなたに電話しようか
迷ったりして
悩んだ末
勇気をもってかけた
電話の向こうから
いつもの声
「どうしたの」
不意にこぼれた涙
電話でよかったな
赤い目してるの
見られたくないし

ねえ知ってる?
あたしの気持ち
あなたが思うほど
単純じゃないんだよ

でもわからなくていい
わかってとは言わない
だってそのままが好きだから
あなたを好きになったのは
あなたを選んだのは
あたしだから
良いに決まってる
あなたは
良いに決まってる

愛とか
希望とか
もう疲れたよ
ただ
眠りたいだけ
ただ
夢の世界へ

あの日の君に
会える唯一の手段
年をとらない君
夢の中の君

これから
誰も愛すことはできないだろう

これから
君以上の人が現れるわけがない

これから
僕にぴったりの人が現れるはずがない

そんなの君も知ってるだろ?
そう問う僕に君は微笑む
まっしろな世界で
君の笑顔だけが浮き上がる

その笑顔を見るために夢を見る僕
空へ飛んで行ってしまった君
大勢の天使を引き連れて

その笑顔を見るために夢を見る僕
不意に揺れた
あの満員電車
人がなだれの様に
流れてきて
とっさに肩を抱き寄せて
窓際に避難したあの日

人で混みあう
あの交差点
人の波流され
離れそうになた時
君の細い腕
とっさにつかんだあの日

あの日が特別だった
それまでなんとも
思ってなかったけど
胸が何かそわそわする
こんな気持ち
君に抱くとは
もう友達と呼べないよ
僕の好きな人だから

君はとても大人だから
僕の気持ち見透かしてるかな
でも隠すつもりはないよ
もう逃げるのはやめたから

とまらないこの気持ち
抑えられない思い
苦しいこの胸

帰路が遠い
あの終電待ちのホーム
君に思い伝えようと
決心したはずなのに
言葉が出てこない

愛してる
好きだよと
言いたいけれど
言葉が唇にのった瞬間
渇いた喉を癒すように
思いを飲み込んでしまうよ

いつか君に言いたい
いつか君に言いたい
どうか僕に勇気を
戦士のような勇気を
僕は君を守る戦士
そいつになりたいよ
勇気を出して手を握ぎろうとする少年
心のどこかでそれを待っている少女
夕日がやさしく彼らを包みこみ
暖かく話しかける

「君にはきっとできるよ」
「待っているだけじゃだめだよ」
やさしくそれぞれに話しかける

そうだと決心する彼
そうねと思う彼女
そんな彼らを夕日は包み込む

そして影はひとつに
彼の右手
彼女の左手
その繋いだ手が夕日に映しだされる
そして影を作る

赤いかばんと黒いかばん
その影は同じ色
その姿は同じ色

夕日が照らす
二人の姿

「好きだからな」という彼
黙ってうなずく彼女
門をくぐりぬけ
やがて別れ道

「またね」という彼女
「またな」という彼

その姿は美しく
夕日は彼らを包み込む

道草に咲く花
すべてが夕日に染まる
そんな夕暮れ
昔々
あるところに
あなたを大好きな人がいた
その人は今日も
あしたもあさっても
あなたに焦がれている

たとえ雷が響こうとも
このこころは
折れることはないんだよ

たとえ目が見えなくても
このこころは
あなたに会いたがる

好きだよと
震える唇
でも
声にはならず
ただ息が漏れて
あなたには
伝わらない

昔々
あるところに
あたたを好きな人がいた
その人は今も
過去も未来も
あなたに焦がれている

たとえ雨に濡れたとしても
このこころは
晴れたままなのさ

たとえ君が後ろ向いても
このこころは
変わりえない

好きだよと
震える唇
でも
声にはならず
ただ息が漏れて
あなたには
伝わらない
君といたことを思い出す

そんな場所がある

あのレストラン
あのデパート
あの街角
あのホームの上

あの公園
あの映画館
あのベンチ
あの空の下

どうしてだろう
忘れたはずなのに
どうしてこの心
うそをつけないのか

君といたことを思い出す

そんな場所がある

何年
何十年
何光年たっても
わすれない
僕の血となり
肉となり
今日も生き続ける
そんな思い出の場所

苦しくとも
愛しくとも
君といたことを思い出す
そんな場所がある
遠いところへ言ったのは君?
遠いところに逃げたのは僕?

そんなことはどうでもいい

ただ
今でも恋しくて
今でも苦しくて
今でも会いたい
これはほんと

君が先に離れていった?
僕が先に離れていった?

そんなことはどうでもいい

ただ
今も忘れられなくて
今も切なくて
今も会いたい
これはほんと

いまなら
空みたいな心で
暖かく
そして
優しく
包める気がする

これもほんと
「俺らって線路みたいだね。」
ある日君に呟く

二本のレールは終わりを知らず、
片方が右に曲がればもう片方も曲がる
片方が左に曲がればもう片方も曲がる
一定の距離を保ちつつ

どこまでも行きたいと思ったから
そんなたとえをした

時にはもっと近づきたいと思ったり
時にはもっと離れたいと思ったり
それでも一定の距離は保たれたまま
それでもそれが理想である

そんな思いが無数に浮かぶ夜は
君と手を繋いで行きたい

二人の手
それがレールを繋ぐ
唯一の手段

二人の手
それが二人を繋ぐから
「じゃあね」
そういう君の後姿
「またね」
そういう君の足音

明日のそのまた明日も
変わらない日々が続きますように
あいた喉のまた隙間も
あの日の君を呼ぶ
かれた声で

君が好きだと
いまなら照れずに言えるのに
いまさらかえることはできない
あの陽だまり

意味はない
一人で君といた町を歩く
あの日の話、笑顔、瞳、
思い出しながら

君の小さな手
握り締めて歩いた町を行く
いまは手にその感触はなく
思い出しながら

思い出にできない
君は僕の中で生き続ける
明日のそのまた明日も
きっと