カメキチの星と野鳥写真の部屋

カメキチの星と野鳥写真の部屋

Star and Birdwatching by Kamekichi
かつて天文少年だったカメキチが、長い冬眠を経て、定年退職を機に星と野鳥写真の撮影を再開した記録です

こんにちは、カメキチです。

今回はカメキチが数年前から試行錯誤している、動画風の天体写真についてご紹介します。

きっかけは、2023年に出現したZTF彗星(C/2022 E3)でした。何はともあれ、まず作例をご覧ください。

 

 

使用した機材はPentax K-70とSV503(80mm F.7 ED屈折鏡筒)です。

 

2023年2月21日の夜9時過ぎに、AZ-GTiの赤道儀モードで追尾しながら、10秒露出で連写した計330コマの写真を、Windows Movie Maker にて動画に変換しました。

折角ですから普通にコンポジットした画像も、下にご紹介しておきます。

 

彗星の動きに合わせてコンポジット(メトカーフ法)しましたので、恒星の光跡から、一時間近くの彗星の移動が感じられるかと思います。

 

これを、恒星に合わせてコンポジットすると、こんな感じになります。

 

当たり前ですけれど、今度は彗星が光跡となりましたね。

 

彗星の撮影でこうした試みが出来るのは、移動が比較的速く(つまり地球にそれだけ接近している)、短時間露出でも撮影できるほど明るく、なおかつ長時間の撮影が可能でないといけません。

最近のポン・ブルックス彗星みたいに、すぐに没してしまうと撮れませんから、なかなか好条件には恵まれませんが、人工衛星でしたらかなりお手軽に撮影できます。

下は、昨年2月に撮影したスターリンク衛星です。

 

 

よく見ていただければ、多数の人工衛星が右下から左上へと横切っていく様子がおわかりいただけるかと思います。

こちらはPentax K-70に、Tamron 30A (SP 80-200 F/2.8 LD:80mm)を使って1秒露出の連写100コマから動画を作成したものです。

暗いと写らないんじゃないかと思って露出は1秒に設定しましたが、もっと感度を上げて短い露出で撮った方が良かったかもしれません。でも人工衛星の光跡が「銀河鉄道」みたいで、これはこれで「作品」としてはうまく仕上がったと思います。

それにしても、最近のデジカメの高感度性能には驚かされます。一昔前なら、こんな写真はとうてい考えられなかったでしょうね。今では、流星写真まで動画で撮る時代ですから、恐れ入ります。

尚、人工衛星の出現予報については、ネットでいろいろと紹介されていますから、そちらをご覧ください。カメキチは、S天文同好会のYさんから、いつも情報をいただいてます(Yさん、いつもありがとう!)。

最後に、天体写真といえるかどうかわかりませんが、全く同じ手法で、湘南海岸のダイヤモンド富士を動画風にまとめましたので、ご笑覧ください。

 

 

 

撮影は2023年4月4日です。

本当はもっと最近の画像を張り付けたかったのですが、彗星もダイヤモンド富士も、今年はあいにくと好天に恵まれませんでした。

さて、動画(風)の天体写真はいかがだったでしょうか?

皆様のご感想をお待ちしています。

これからもいろんなことに挑戦してみようと思っていますので、ご期待ください。

 

カメキチ

 

 

カメキチです。

今回は、失敗談です。

天文ファンの間ではいま、ポン・ブルックス彗星(12P)が話題になっています。

カメキチも3月末から4月にかけての一番条件のいい時期に撮影しようと思っていたのですが、あいにく西空低空に彗星が見える夕刻の時間帯はずっと天気が悪く、おまけに黄砂が押し寄せてきて透明度は最悪の状態が続いてきました。

4月に入ってバーストを起こし、更に明るく尾も伸びてきたらしいという噂を聞いていらいらしているうちに、もう4月も10日になってしまったのですが、この日の夕刻も相変わらず霞がかかったような感じで、おまけに西の低空には飛行機雲が蜘蛛の巣のように張り巡らされてました。

それでも今後は彗星の高度がさらに下がり、もう写真に撮るのは難しくなるので、ラストチャンスと無理を承知で撮影を強行しましたが、やはり、ぼんやりした姿しかとらえることはできませんでした((+_+))。

下は天体写真処理用のソフト(Stellaimage)で、彗星の姿を雲や霞の中からめいっぱいあぶりだした画像です。よーく見ると、上に向かって尾が見えるような気もします。

 

みえない彗星の姿を無理やりあぶりだそうとして、かなり強力に補正をかけたのでノイズが多くなってしまいましたが、ご容赦下さい。

3月半ばでも結構立派な写真が撮れたはずですが、条件の良くなる3月末まで待ってしまったのが失敗のもとです。やはり、後で撮ろうと思わず、撮れるときに撮っておかないとだめですね。秋にやってくる期待の紫金山-アトラス彗星は、早くから撮り始めることにしましょう。

ちなにみ彗星を撮る前に、ピント合わせに撮影した月齢1.7の月は、霞越しにしてはきれいに撮れました。お口直しにどうぞ。どうせなら、木星と並んだ写真を撮っておけばよかったのですが。

 

 

今回はこれくらいで我慢して下さい。

それでは、また!

カメキチ

カメキチです。

今回のお題は、「ヤマガラ」です。

 

 

これはカメキチの思い込みかもしれませんが、多くの野鳥ファンにとって、最初に体験する野鳥らしい野鳥といえば、シジュウカラ、ハクセキレイ、そしてヤマガラといったところではないでしょうか。

 

 

もちろん決して珍しい鳥ではありません。

でも、野鳥撮影にはまり始めたころ、なぜかカワセミの次に惹かれたのが、いかにも「野鳥」といった感じのヤマガラでした。

なんといっても、表情がいいんですね。

 

 

ヤマガラというと、最近ちょっとした発見がありました。

昨年の5月に、近所の森林公園に野鳥撮りに出かけた際にヤマガラを見つけてバシバシとシャッターを切っていたのですが、その中に木立の中のヤマガラを撮ったコマがたくさんありました。

でもド逆光だったので、どのコマもほとんど真っ暗にしか写ってなくて、何が写っているのかよくわからずに、そのまま一年近くもほうっておきました。ところが最近になって見返すと、なんと、ヤマガラの求愛行動がしっかりと記録されていたのでびっくりしました。

以下はその写真です。

ただ、真っ暗な画像を強力に補正したもんですから、ちょっとノイズが目立ちますがご容赦下さい。

 

羽根を広げてオスがメスに迫っています。

これをヤマガラの求愛ダンスと呼んでいる方もいらっしゃいます。

 

 

 

青虫みたいな餌をメスが受け取ってくれれば、求愛成功です。

 

 

受け取ってくれました!

 

よかったね。

こころなしか、オスの表情にも喜びというか、安ど感がうかがえます。

 

 

こんな貴重な画像を収めていたことに1年近くも気が付かなかったなんて、カメキチも不覚でした。

 

 

 

 

これからも、いい写真がみつかったら、どんどんご紹介しますのでご期待ください。

使用機材はボディがPentax K-70、レンズがHD Pentax-DA 55-300mmF4.5-6.3 EDと、Sigma APO 135-400mm F4.5-5.6 DG でした。

 

カメキチ

カメキチです。

大変唐突ですが、まず土星の写真をご覧下さい。

 

 

輪の傾きから、天文ファンなら一目で「最近撮ったものではない」ことがわかる土星の写真をアップさせていただいたのには、ちょっとわけがあります。

このままでは申し訳ないのでブログをご覧の皆様にも簡単に事情をご説明しますと、実は昨秋に、大病を患ったごく近しい人のお見舞いにうかがいました。カメキチがかつて天文少年だったこともよくご存じでしたので、スマホに保存してあった画像を見せながら昔話に花が咲きました。つい最近もお訪ねして再び楽しい時間を過ごしたのですが、別れ際に、昨年お見せした天体写真、とりわけ土星の写真がとても気に入ったので、いつでも眺められるように、是非、自分のスマホに画像ファイル(上の写真です)を送って欲しいと頼まれました。でもAmebloでブログを始めたので、おいおい土星の写真も張り付けるから、そちらで思う存分見てくれ、ついでに「いいね」クリックも頼むねー、と笑って別れた次第です。

しかしそのたった1週間後に訃報が届き、70歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。ブログへのアップが遅くなったことがとても悔やまれますが、天国でもきっとWifi が使えて、この画像を楽しんでくれると信じています。

 

*惑星写真の撮影について

さて、故人も「元気になったらいずれゆっくり教えて欲しい」と言ってましたし、せっかくの機会ですからカメキチが日頃どうやって惑星の撮影を楽しんでいるか、簡単にご紹介します。ただ、多くの天文ファンにとっては特に目新しい内容ではありませんので、あらかじめご了解ください。

月や惑星の写真を撮るためには機材として、天体望遠鏡、追尾のできる架台とCMOSカメラ、そしてパソコンが必要になります。

天体望遠鏡の性能を最も左右するのは、口径、つまり対物レンズの直径、反射式の望遠鏡でしたら反射鏡(主鏡)の直径ということになりますが、惑星撮影に適した大きい口径のものが比較的安価に入手できるのは、反射式の望遠鏡ということになります。

その中で、惑星撮影に主に使われているのは、口径20センチ以上の大型の望遠鏡ですが、カメキチは持病の腰痛もあって、軽量のシュミカセと呼ばれる15センチの反射望遠鏡を愛用しています。これでしたら設置も楽で、これを支える架台も、それほど丈夫で重いものでなくても大丈夫です。

 

 

もちろん天文雑誌に掲載されているような、30センチクラス以上の口径の望遠鏡を使った写真には足元にも及びませんが、今回ご紹介した土星や、以前にアップした木星の写真をご覧いただければ、口径15センチにしては頑張ってるな、と自画自賛しています。

これを搭載している追尾機能付きの架台AZ-GTiについては既にご紹介してますが、惑星写真を撮るには架台の振動が大敵ですので、前回ご説明したように、何らかの方法でこの架台を強化する必要があります。

惑星の撮影には、一眼レフカメラは不向きです。何といってもセンサーのサイズが大きすぎます。また、基本的に惑星は動画で撮影して処理するので、一眼レフカメラで解像度を落とさずに動画を撮るとファイルサイズが大きくなりすぎて処理しきれません。

というわけで、惑星撮影にはCMOSカメラが、ほぼ必需品となります。

 

 

 

カメキチはCMOSカメラを二台使い分けています。左にあるのはフリップミラーですが、中央にあるのがSV-Bony のSV-305(旧型)となります。このカメラはセンサーサイズも手頃で、安価な割に(円安前だったので、1万3千円位だったと記憶しています)性能もよく、このブログでご紹介している惑星の写真も、みなこのカメラで撮影したものです。右の赤いCMOSカメラは、Player-Oneから出ているUranus-C というカメラです。SV-305よりセンサーサイズが大きいので、こちらは主に月面の撮影や、電子観望(いずれご紹介します)に使っています。ちなみに下の写真はUranus-Cと15センチシュミカセで撮影した月面です。

 

他に、フリップミラーがあると、大変便利です。

 

 

ミラーで光路を変えられるので、まず上につけた接眼レンズで惑星を導入し、その後、CMOSカメラに光路を切り替えます。接眼レンズ側にヘリコイドが付いているのは、眼視とカメラとが同じ光路長になるように調整するためで、光路を変更する度にピントを合わせ直さなくてすむので、とても便利です。

さて、このCMOSカメラをUSBケーブルでパソコンに接続し、惑星を数分の動画に撮影してデータを取り込みます。動画の取り込みにはいろんなソフトが出回っていますが、SharpCap と呼ばれるソフトウェアが便利です。このソフトは一部機能が有料ですが、惑星動画の取り込みぐらいでしたら、無料版で十分です。

数分の動画といっても、数千の静止画の集合ですので、このあまたの静止画から写りのよいコマを選別してスタック(重ね合わせ)します。この気の遠くなるような作業も、今ではパソコンが自動で行ってくれます。画像スタックに使うソフトは各種ありますが、カメキチはStellaImage(有料) がとても使い勝手がよいのでこれを愛用しています。処理の仕方は、メーカーのアストロアーツさんが下記のページでとてもわかりやすく解説してますから、こちらをご覧ください。

 

「惑星を撮影しよう」

https://www.astroarts.co.jp/products/stlimg9/tips/planets/index-j.shtml

 

Stellaimage 以外にも無料の画像スタックソフトが各種あります。カメキチは月面の写真についてはAViStacks という別のフリーソフトを使っていますが、もちろん惑星にも使えます。

 

Y.Iさん、とりあえずこんなところでよかったかな?

奮発して、数年前に撮った火星(砂嵐が発生した直後の記録的写真です!)と木星(矢印先に衛星付)の写真を添付しとくね!

 

 

 

また、いろいろアップするから楽しんでね!

 

カメキチ

 

こんにちは、カメキチです。

カメキチが野鳥撮影に出かける場所はいくつかありますが、中でも神奈川県秦野市の弘法山公園は車で手軽に行けて、とても気に入っています。

最近では3月13日に行きました。ちょっと間が空いてしまいましたが、今日はその際に撮影した野鳥のご紹介です。

弘法山公園には弘法山と権現山の二つの頂があるのですが、権現山にたどり着くと、さっそくトラツグミに出会いました。

影の中を歩きまわっていたので、逆光気味であまりきれいには撮れませんでしたが、魚の鱗を思わせる模様がなかなか見事ですね。

 

 

冬から早春にかけてのお楽しみといえば、やはりジョウビタキでしょうか。

 

 

もちろんジョビ子もいました。

 

この時期はメジロが梅や桜の蜜を吸っている様子をよく見かけますね。

カメキチも結構撮ったのでその写真をアップしようかと思ったのですが、ちょうど弘法山のサンクチュアリで水浴びをしていたメジロが撮れたのでこちらにしました。

ひとっ風呂浴びた感が出ているかな。

 

 

 

 

 

 

帰り道にも、ヤマガラ、シジュウカラ、ホオジロなんかを見かけました。当日は天候もよく、とても楽しい散策でした。

シジュウカラの背中が案外きれいなので、少し驚きました。

 

 

ちなみに使用した機材は、またまた ボディがPentax K-70、レンズがHD Pentax-DA 55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR REとなります。このレンズは小型・軽量で、パルスモーターによる合焦速度がとっても早く、野鳥撮りを兼ねたハイキングのお供に最適です。

前回のカワセミ同様、皆さんから忌憚のないご感想やアドバイスがいただければ、とっても嬉しく思います。

これからも、四季折々の弘法山をご報告します。それでは、また。

 

カメキチ