土星 | カメキチの星と野鳥写真の部屋

カメキチの星と野鳥写真の部屋

Star and Birdwatching by Kamekichi
かつて天文少年だったカメキチが、長い冬眠を経て、定年退職を機に星と野鳥写真の撮影を再開した記録です

カメキチです。

大変唐突ですが、まず土星の写真をご覧下さい。

 

 

輪の傾きから、天文ファンなら一目で「最近撮ったものではない」ことがわかる土星の写真をアップさせていただいたのには、ちょっとわけがあります。

このままでは申し訳ないのでブログをご覧の皆様にも簡単に事情をご説明しますと、実は昨秋に、大病を患ったごく近しい人のお見舞いにうかがいました。カメキチがかつて天文少年だったこともよくご存じでしたので、スマホに保存してあった画像を見せながら昔話に花が咲きました。つい最近もお訪ねして再び楽しい時間を過ごしたのですが、別れ際に、昨年お見せした天体写真、とりわけ土星の写真がとても気に入ったので、いつでも眺められるように、是非、自分のスマホに画像ファイル(上の写真です)を送って欲しいと頼まれました。でもAmebloでブログを始めたので、おいおい土星の写真も張り付けるから、そちらで思う存分見てくれ、ついでに「いいね」クリックも頼むねー、と笑って別れた次第です。

しかしそのたった1週間後に訃報が届き、70歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。ブログへのアップが遅くなったことがとても悔やまれますが、天国でもきっとWifi が使えて、この画像を楽しんでくれると信じています。

 

*惑星写真の撮影について

さて、故人も「元気になったらいずれゆっくり教えて欲しい」と言ってましたし、せっかくの機会ですからカメキチが日頃どうやって惑星の撮影を楽しんでいるか、簡単にご紹介します。ただ、多くの天文ファンにとっては特に目新しい内容ではありませんので、あらかじめご了解ください。

月や惑星の写真を撮るためには機材として、天体望遠鏡、追尾のできる架台とCMOSカメラ、そしてパソコンが必要になります。

天体望遠鏡の性能を最も左右するのは、口径、つまり対物レンズの直径、反射式の望遠鏡でしたら反射鏡(主鏡)の直径ということになりますが、惑星撮影に適した大きい口径のものが比較的安価に入手できるのは、反射式の望遠鏡ということになります。

その中で、惑星撮影に主に使われているのは、口径20センチ以上の大型の望遠鏡ですが、カメキチは持病の腰痛もあって、軽量のシュミカセと呼ばれる15センチの反射望遠鏡を愛用しています。これでしたら設置も楽で、これを支える架台も、それほど丈夫で重いものでなくても大丈夫です。

 

 

もちろん天文雑誌に掲載されているような、30センチクラス以上の口径の望遠鏡を使った写真には足元にも及びませんが、今回ご紹介した土星や、以前にアップした木星の写真をご覧いただければ、口径15センチにしては頑張ってるな、と自画自賛しています。

これを搭載している追尾機能付きの架台AZ-GTiについては既にご紹介してますが、惑星写真を撮るには架台の振動が大敵ですので、前回ご説明したように、何らかの方法でこの架台を強化する必要があります。

惑星の撮影には、一眼レフカメラは不向きです。何といってもセンサーのサイズが大きすぎます。また、基本的に惑星は動画で撮影して処理するので、一眼レフカメラで解像度を落とさずに動画を撮るとファイルサイズが大きくなりすぎて処理しきれません。

というわけで、惑星撮影にはCMOSカメラが、ほぼ必需品となります。

 

 

 

カメキチはCMOSカメラを二台使い分けています。左にあるのはフリップミラーですが、中央にあるのがSV-Bony のSV-305(旧型)となります。このカメラはセンサーサイズも手頃で、安価な割に(円安前だったので、1万3千円位だったと記憶しています)性能もよく、このブログでご紹介している惑星の写真も、みなこのカメラで撮影したものです。右の赤いCMOSカメラは、Player-Oneから出ているUranus-C というカメラです。SV-305よりセンサーサイズが大きいので、こちらは主に月面の撮影や、電子観望(いずれご紹介します)に使っています。ちなみに下の写真はUranus-Cと15センチシュミカセで撮影した月面です。

 

他に、フリップミラーがあると、大変便利です。

 

 

ミラーで光路を変えられるので、まず上につけた接眼レンズで惑星を導入し、その後、CMOSカメラに光路を切り替えます。接眼レンズ側にヘリコイドが付いているのは、眼視とカメラとが同じ光路長になるように調整するためで、光路を変更する度にピントを合わせ直さなくてすむので、とても便利です。

さて、このCMOSカメラをUSBケーブルでパソコンに接続し、惑星を数分の動画に撮影してデータを取り込みます。動画の取り込みにはいろんなソフトが出回っていますが、SharpCap と呼ばれるソフトウェアが便利です。このソフトは一部機能が有料ですが、惑星動画の取り込みぐらいでしたら、無料版で十分です。

数分の動画といっても、数千の静止画の集合ですので、このあまたの静止画から写りのよいコマを選別してスタック(重ね合わせ)します。この気の遠くなるような作業も、今ではパソコンが自動で行ってくれます。画像スタックに使うソフトは各種ありますが、カメキチはStellaImage(有料) がとても使い勝手がよいのでこれを愛用しています。処理の仕方は、メーカーのアストロアーツさんが下記のページでとてもわかりやすく解説してますから、こちらをご覧ください。

 

「惑星を撮影しよう」

https://www.astroarts.co.jp/products/stlimg9/tips/planets/index-j.shtml

 

Stellaimage 以外にも無料の画像スタックソフトが各種あります。カメキチは月面の写真についてはAViStacks という別のフリーソフトを使っていますが、もちろん惑星にも使えます。

 

Y.Iさん、とりあえずこんなところでよかったかな?

奮発して、数年前に撮った火星(砂嵐が発生した直後の記録的写真です!)と木星(矢印先に衛星付)の写真を添付しとくね!

 

 

 

また、いろいろアップするから楽しんでね!

 

カメキチ