昨日の昼食はリトルスプーンで食べた。たまにリトルの辛いカレーが食べたくなる。事務所は大通西10丁目の大通公園側を向いているが同じブロックの電車通側にリトルスプーンがある。

 注文を決めるのに結構時間を食った。もちろん迷うほどメニューは多くなく、(つまりすべてカレーなのだから)トッピングと辛さを選べば終わることなのに。

 経営でも直感で判断する社長さんもいれば熟考タイプの社長さんもいる。ビジネスでは直感でいくべきか熟考するべきか。

 将棋の羽生名人は自らの著書に、「直感で決めた指し手は7割方正解」「長考した末に打つ手はあまりよくありません。結局、迷っている、ということですから」(「決断力」角川新書、2005年7月)と書いている。

 実は直感は間違わないのだ。

 では直感はどこから湧いてくるのか。

 いろいろな研究本を総合すると右脳には生まれてから今まで見たこと感じたことなど雑駁な事柄がいっぱいためこまれていると考えられる。三択、四択の中ではっきりとした理由はないけれどなぜか確信を持って選びとることができる。あの感覚。あれが直感だ。

 今までのコンサルティング経験や自分自身の行動を分析してみると結局、たいていの答えはすでに右脳の中にあってそれが「直感」という形でアウトプットされるのだろうと思う。

 たとえば「虫の報せ」というのがある。なんとなくいやな感じがしておへその裏の辺りがむにゅむにゅした感じになる。これは、「過去似たようなケースで失敗している」、と右脳がアラームを鳴らしているのだと思う。

 ここに実はキーがある。

 直感は精度を上げることができる。基礎となる情報量を増やしてやればいいのだ。過去の経験を参照するのに10しかサンプルがないのと100あるのとでは当然信頼度が変わってくる。

 つまり、

 「貪欲に知識を吸収すること」

 「考えること」(一見無関係なものを頭の中で結び付けてみる、など)

 「感じること」(一つ一つの情報や知識は実は触覚や色彩や重量感などで表現できる。単なる文字情報として情報を扱うと、「忘れる」。)

 など、どんどん情報を右脳に送り込んでやればいいのだ。

 熟考しても間違える。直感を信頼する、といってもベースとなる情報量が乏しければそれは「あてずっぽう」と紙一重ということになる。(直感はいいが直「勘」は…?)

 脳科学者の苫米地英人氏の著作で、脳を鍛えるテクニックとして、レストランのメニューを使う手法が紹介されていた。

 まずメニューの中から一瞬で一品、食べるものを選ぶ。次に「それを食べてはいけない」理由を頭の中で5つ挙げる。そしてその5つの理由に対する反論を5つずつ、さらに一瞬で考える、という。(「洗脳力」ほか)

 全く、カレーごときで迷っている場合ではないのである。

 (船井幸雄著「直感力の研究」が直感力の高め方をわかりやすく解説している。元本は1993年刊、文庫版が1998年刊。(ただし残念ながら両方とも絶版となっている。)