こんにちは。すばるです。

 

アメリカに越してきてから色々と調べ物をしていたのですが、アメリカでのクレジットカードの必要性に圧倒されたため、早速クレジットカードを作成しました。

この記事では、なぜアメリカでアメリカのクレジットカードを持っていることが重要なのかをまとめたいと思います。

 

 

 

 

まず、アメリカのクレジットカードは、お金を使う機能としてはほぼ日本と同じような仕組みになっています(日本でクレジットカードを使ったことがないので経験的にはなんとも言えませんが......)。

 

詳しく述べると、

  1. クレジットカードで買い物をする(分割払いなども可)
  2. カード会社が一月分まとめて請求してくる
  3. 請求分を払う
という流れは同じになっています。
 
ひとつ違いとして、日本では何割払いかを支払い時に選択しますが、アメリカの場合では支払い時ではせず、請求分を払うときに、どのくらい払うかを自分で決めることができます。
自分で毎月払う分を設定できるリボ払いみたいのようなものです。
 
注意する点として、一月分の請求を全て払わないと、払い残しの分は翌月の請求に加えられるのですが、この際に「APR」という利子みたいなものをプラスして払わなくてはいけなくなります。
日本の家庭科の授業で「リボ払いは危険!」と教わったのですが、アメリカのクレジットカードだとリボ払いがある意味前提になっているので怖いですね......。
 
 
 
 
さて、ここまでは日本とアメリカで大差ないように見えますが、ここからが決定的な違いです。
 
アメリカでは、クレジットカードに付随してくる、「クレジットスコア」というものがあります。
クレジットスコアは、大まかにいうと「カード保有者の社会的信用の点数」を示しています。
 
例えば、カード請求を全部その月に払わないで翌月に持ち越しすると、「その月に全額を払う経済的余裕がない」とみなされ、クレジットスコアが減点されます。
逆に、毎月全額払っていたり、そもそもの使用金額が限度額よりも1~3割程度だと、「計画性を持って支払いを済ませている」ということで、クレジットスコアが加点される傾向になります。
 
 
そして、一番重要なのが、このクレジットスコアは実生活に大きな影響を及ぼす可能性があるということです。
例として、
  • マンションスタイルのアパートの一室を借りる
  • 就職活動をする
  • ローンを組む
  • ポイント制度が充実しているクレジットカードを作る
上のような時に、クレジットスコアを要求されることが多いです。
 
特に、
 
「クレジットカードを作るのにクレジットスコアが必要だなんて、鶏と卵じゃないか!」
 
って感じですよね。
 
この点に関しては、特に初めてアメリカに留学や駐在する人が直面する問題だと思います。
幸いなことに、ANAなどの航空会社が、アメリカ用のクレジットカードを作ってくれるような制度もあるらしいです。
特に学生の場合は、学生用のクレジットカードを作ってくれる銀行もあるみたいです。
 
また、最悪の場合、secured credit card という、限度額と同金額の保証金を先に銀行に払っておくことを条件に、発行してくれる制度もあったりします。
 
いろいろな手を使って、とりあえず最初のクレジットカードを作っておいて、クレジットスコアがよくなったらもっと特典の豊富なクレジットカードに乗り換えるといいと思います。
 
 
 
 
今回、私の場合は、学部時代の時から使っている Bank of America でクレジットカードを作りました。
オンラインでは作ることはできず、センターに赴いて恐る恐る申請したところ、
 
「もう5年もBank of Americaを使ってくれていて、その間なんの問題もなかったから、クレジットカード作れるよ!」
 
とのことだったので、無事作ることができました。
 
 
 
 
それと同時に、焦りすぎて、Stanford大学の信用組合を通じてもう一枚作ってしまったのですが、スコアとしてどうなることやら......。
カードを短期間に何枚も作ると、「なぜか大金が急に必要になった人」と思われて、スコアが低くなるらしいです。
 
この先、クレジットスコアがどう変動していくのか、見守っていきたいと思います。
 
 
 

こんにちは。すばるです。

 

さて、スタンフォードでは、月曜日から秋学期がスタートしました。

そこで、今回はスタンフォードでの最初の一週間の様子を紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

まず、スタンフォードには、文系、理系、医学系、法学系、ビジネス系など、さまざまな学科があります。

ほとんど全てが一つのキャンパス内にあるため、キャンパスがとても広いです。

建物同士の距離もそこそこあるため、授業と授業の間は15分以上の移動時間が設けられています。

 

私の場合はほとんど一日中数学科の建物にいるだけで事足りるのですが、特に学部生でまだ専攻を決めていない人などにとっては体力的に負担の多い(裏を返せば意識せずして運動できる)環境です。

 

 

 

また、学部生・院生の寮からキャンパス中心にあるメインビルディング(=教室)まで、徒歩で約30分ほどかかります。

通学時間を短縮するため、キャンパス内に住んでいる人のほとんどが自転車で通学しています。

 

 

私もスタンフォードに来てから数週間は徒歩だけで生活していたのですが、五年間はこの大学に居続ける予定なこともあるため、自転車を購入しました。

 

キャンパス周りには三店ほど自転車屋さんがあるのですが、私は The Bike Connection というところで購入しました。

 

 

 

(店内の様子。欲しい自転車が決まっていない場合には店員さんに話しかけると良い。)


 

 

自分「こんにちは。私に合うサイズの自転車ありますか。」

 

店員「これどうぞ。」

 

 

みたいな感じで、めちゃくちゃスムーズに自転車を選んでもらいました。

 

私が購入した自転車は、前3段 後ろ7段の自転車で $500 ほどです(自転車って結構高いんですよね)。

無知につけ込まれて高いものを買わされることもなかったので好印象です(他の自転車屋さんだと、高いものを買わないと機嫌が悪くなられるところもあるらしいです)

 

ちなみに、日本でよく見かけるママチャリなどは原則売っておらず、かごや荷台が欲しい人はオプションで自分で買ってつけることになります。

 

 

 

(購入したバイク。リフレクターはついているが、フロントライトなども自分で買うとよい。)

 

 

 

なお、カルフォルニアの州法として、自転車を運転する時にはヘルメット(と夜間はリフレクター・ライト)を着けていなければなりません。

留学生がヘルメットをせず運転していて、万が一警察に捕まると、ビザ剥奪になる可能性があるので注意してください。

 

また、公共の場で駐輪する際には、盗難防止として U-lock をつけることが推奨されています。

実際スタンフォードでは、自転車の盗難が地域で起こる犯罪の中で最も割合を占めています。

自転車のホイールだけ取られたりもするので、鍵の掛け方も意識するといいです。

 

 

 

 

 

さて、学生の本業は勉強ではありますが、キャンパス内に住んでいると、学業に限らないイベントもたくさん行われます。

 

住んでいるアパートによっては、委員会みたいなものがあり、その委員会が毎週住居者のためのイベントを実施することもあります。

例えば、私の住んでいる集合住宅アパートでは、先日「Friday Donuts」というイベントがありました。

 

言うまでもなく、イベントの内容は「ドーナッツを(タダで)食べる」ことです。

 

私も友達と一緒に一つ頂いてきました。

 

 

(好きなドーナッツを選べる。早い者勝ち。神経が図太ければ何個でも食べてよい(?))

 

 

 

 

 

このような感じで、スタンフォードでの生活がスタートしました。

 

今のところ、とても充実していた生活をしています。

 

忙しくてつらい時期も来ると思われますが、いろいろなイベントに参加して気持ちをリフレッシュしながら過ごしていきたいと思います。

 

 

 

 

学期中の授業の様子などは日を改めて紹介することにします。

 

 

 

 

こんにちは。すばるです。

 

今秋から、スタンフォード大学で数学科のPhD(日本でいう修士と博士を合わせたもの)をすることになりました!

今回の記事では、スタンフォード大学の雰囲気について紹介していきたいと思います。

 

 

 

まず、スタンフォード大学は、カルフォルニアの北の方にある「ベイエリア」という地域にある私立の総合大学です。

近くにはパロアルトというとても裕福な街があり、物価も比例して高くなっております。

また、スタンフォードから少し北に行くとサンフランシスコ、南に行くとサンノゼの街があります。

 

 

(スタンフォード大学のキャンパス。ヤシの木がたくさん生えている。)

 

 

 

気候としては、一年中ほぼ晴れていて、湿度は結構低く、山火事のシーズンを除いて穏やかです。

 

ただ、昼と夜の寒暖差が激しく、雪こそ降りませんが、スウェットなどは重宝します。

 

 

(パロアルト付近の街並み。乾燥しているため雲ひとつ見えず。)

 

 

 

地形は、スタンフォードの近くはとても平坦で、自転車でとても走りやすくなっています。

ちなみに、スタンフォード大学キャンパスはとても広いため、ほとんどの人が自転車で通学しています。

また、少し陸の内部に行くと山道が少し険しくなりますが、広大な風景が広がるためバイクライドを楽しむ人も多いことでしょう。

 

 

 

 

(内陸に少し入ると山に。奥に車道が見える。)

 

 

 
 

 

そして、太平洋側の海岸はビーチが連なっています。

なお、南カルフォルニアと比べて水温が低いからか、サーフィンしている人はあまり見かけませんでした。

 

 

 

(太平洋に面したビーチ。夕方に差し掛かり結構寒くなった。)

 

 

 

 

穏やかな気候と広大な地形のためか、ベイエリアに住んでいる人は結構エクササイズが好きみたいです。

外を歩いていると、ロードバイクをしている人やヨガをしている人などをちらほら見かけることができます。

私自身はそこまでアウトドアではないのですが、せっかくこんな爽やかなところにいるので、散歩くらいはしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、アパートについてですが、大学敷地内にも色々なアパートがあります。

例えば、日本でよく見るマンションスタイルのアパートや、一戸建てみたいなのが連なっているアパートがあります。

ただ、どこもとても家賃が高いです。

一番安いところで日本円で月11万円、高いところでいうと20万円は優に超えます。

私はあまり住む条件にこだわりはないため、なるべく安いところに応募し、月13万円ほどの、3人シェア一戸建てアパートに住むことになりました。

 

 

(手前が玄関・リビング、奥がダイニング・キッチン)

 

 

幸いにもハウスメイトがいい感じの人たちなので、今のところ仲良く3人で過ごしています。

 

 

 

こんな感じで、スタンフォード大学での生活がスタートしました。

今後は、数学科のプログラムのことや、スタンフォード大学の施設についてなど、いろいろ散策してからまた紹介したいと思います。

 

ご無沙汰しています。

かれこれ数ヶ月全くブログを更新しないまま、ついにPerimeter Instituteの修士課程を卒業してしまいました...😅

これではブログを始めた意味がなくなってせいまうので、この記事ではPerimeter Scholars Internationalというこの修士課程のプログラムの総まとめをしたいと思います。

 

 

 

まず、新型コロナウイルスの影響で、カナダのStudy Permitというビザは取得していたものの、学校側が渡航を禁止したため、結果的に年中を通してプログラムはオンラインで実施されることになりました。

そのため、同期の生徒や講師、アドバイザーなど、プログラムで出会った人とは誰一人とも対面で話すことはありませんでした。

イレギュラーな体験ではありましたが、それでも積極的にZoomやメッセージし合うことによって、関わることへの気まずさなどは早い段階でなくなっていったので、その点では本来の状態のプログラムに近い形で他の人々と関われたと思います。

 

 

 

さて、プログラムの内容についてですが、秋学期は基礎的な授業を取り、春学期ではより専門的な内容の授業とEssayという卒論みたいなものに専念するというスタイルで行われました。

秋の授業に関しては、古典力学、量子力学、統計力学など、物理ではよくある内容を扱いましたが、ただ学部の内容の繰り返しというよりは、違う視点から同じ分野や現象を理解するというスタイルになっていて、すでに内容を知っていたとしても学ぶことが多いスタイルになっていました。

気持ちに余裕を持った状態で授業に挑むことができたのはよかったです。

 

 

春学期は、好きな専門分野の授業を取りつつ、Essayという卒論を書きあげる時間となりました。

最初は授業数をなるべく減らそうと思っていたのですが、そこまで課題の量も多くなかったため、この学期を最後にもうほぼ物理の授業を取ることはないだろうこともあり、なんだかんだいって秋学期と同じくらいの授業を取ることになりました。

内容は詰め詰めで、正直身に付いた感じはしませんが、それでも一人で専門書を一文字一文字読んで理解しようとするよりは、全体の概念のようなものを講師の方々に聞いたりすることができたので、いい経験になったと思います。

 

 

Essayに関しては、独自の研究をするまでの知識を身につけることができなかったため、survey paperという色々な文献から特定の内容をピックアップしてまとめたものを書くことになりました。

内容としては、簡潔に説明しますと、物理の superstring theory(超弦理論)の中でよく見つかる mirror symmetry という duality(双対性)を数学的に理解することができると提唱する conjecture(予想)の一次元における範例をまとめた卒論になりました。

これは私が興味を抱いている symplectic geometry(シンプレクティック幾何)という数学の分野に関連づいた現象でもあり、数学と物理の両方を同時に扱うという貴重な経験になりました。

また6月末には、このEssayについてのDefense(審査会)をZoomで行いました。

結果、学位審査合格となり、無事修士号を取得することができました。

特にDefense前の1ヶ月はEssayを仕上げるのにキツキツのスケジュールでしたが、学術的なペーパーを書くのは久しぶりだったこともあり、今後も続くであろうアカデミックな生活へのいい練習になったと思います。

 

 

(卒業証明として唯一もらえた、JPEGのcertificateです😅)

 

 

 

このような流れで、Perimeter Instituteでの修士プログラムで一年間学ぶことができました。

コロナ禍だったこともありますが、理論物理という一見一人で黙々と研究していられそうな分野でも、人と人との繋がりは学術面でも生活面でもとても重要だということを痛感させられました。

今回私が通ったプログラムは、受験時点で生徒の多様性も重視しているのですが、実際にクラスメイトから他国の政治情勢や環境を学ぶ機会も多くあり、とても勉強になりました。

こういった「人と人との繋がり」を重視する流れが、世界中の学術機関に、特に生徒や研究員が長期間滞在するようなプログラムで増えていくと、回りに回って学術界に活気あふれたあたたかい雰囲気ができるのかなと思います。

私も、アカデミアに携わる一人として、こういったあたたかみのある環境の実現に貢献していきたいと思いました。

 

 

 

さて、次回からは、スタンフォード大学での数学科PhDに関する記事を載せていきたいと思います。
更新頻度がどうなるかは分かりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

こんにちは。

少し時間が空きましたが、今回は、アメリカへの留学には避けては通れないビザ申請について、流れを説明したいと思います。

なお、今回書く内容は書いた時点でのビザ制度を元にしているため、今後留学を控えている方々は、その都度公式のサイトなどを訪れて最新の情報をお確かめください。

 

 

 

 

最初に、留学生ビザにもいくつか種類があります。

 

大まかな括りとして「F」と「J」の2つのタイプがあり、さらに留学する本人なのか、またはその家族なのかで、「1」と「2」に分かれます。

FとJの判断基準としては規定があるかどうかも定かではないのですが、主な傾向として正規留学などの長期留学には「F」、交換留学などの短期留学には「J」がよく発行されます。

また、「F」は主に学術系のプログラムで発行されるのに比べ、「J」はインターンなど短期就労目的でも発行されたりします。

例えば、私は正規留学の留学生本人なので、F1ビザが発行されました。

さらに、家庭持ち(パートナー、子供)の場合は彼らも同伴者として留学に同行することができますが、その場合はF2やJ2のビザが各自発行されることになります。

 

 

 

 

ここから、本題のビザ申請の流れを説明します。

 

まず、アメリカの大学への留学が決まった時点で、学校側は「I-20」や「DS-2019」という留学の書類を生徒に送付します(場合によっては生徒側が学校に申請する必要があります)。

そして、「DS-160」というオンラインのビザ申請フォームに、個人情報や過去の犯罪歴など色々と記入します。

「DS-160」のページでビザ面接の予約と支払いもします。

また、大学や大学院へ留学する際は、「SEVIS」費用(アメリカドル)も払わなくてはいけません。

それぞれ1-2万円し、フォーム記入の時点で支払いするので、準備しておいてください。

 

詳細は以下の公式ページにあります。

 

 

 

 

 

 

次は面接です。

 

面接当日、パスポート、I-20、写真、支払い書類、ビザ面接予約証明書など、もろもろ必要な書類を持って、面接場所へ向かいます(東京の場合は赤坂の在日アメリカ大使館)。

なお、持ち込めるものに制限があるので、案内を事前に読んでおいて、万が一持ち物が多い場合は駅のロッカーなどに荷物を預けておくといいでしょう。

 

セキュリティチェックなどを終えて大使館の中に入ってからは、まずビザ書類チェックの列に並び、書類チェックをしてもらいます。

次に、面接の列で面接待ちをします。

 

ここで注意するといいのが、面接でどう受け答えをするかです。

ビザ面接の主な目的としては、「ビザが指定する目的通りにビザを申請しにきているか」をチェックすることだと思っています。

特に、留学生ビザを申請しにきている人が、「アメリカで職を見つける予定です」なんて言った場合には、「留学生」ビザの目的とは異なった意図を持つことになるので、却下される場合があります。

なので、留学するためにビザを申請しにいく場合は、「卒業した後はどうするの」と聞かれた場合は、そのつもりはなくても「日本に帰ってきて職を見つけると思います」と言っておいた方が無難でしょう。

また、「留学中は何を専攻するの」「留学している間はどこに住むの」など、具体的な質問をされる場合がありますが、これも「ちゃんと勉強をするつもりなのか」を量っているため、ハキハキと答えられるように意識した方がいいと思います。

 

私は学部時代も留学していて、この面接にも過去のF1ビザを持ってきたため(必要)、詰問というよりは日常会話のようなカジュアルさで面接が進み、15秒くらいで終わりました。

逆に、過去にビザ面接に落ちた場合は、次のビザ面接に悪影響がある可能性もあるので、準備は万端にして挑むといいと思います。

 

 

面接が無事終了すると、パスポートを含む書類は全て大使館が一時的に預かることになります。

おおよそ一週間でビザの発行とプリント(パスポートのページに貼られる)が終わり、郵送または直接書類を取りにいくことができます。

なお、最近になって郵送のオプションが有料になったのと、面接を予約する時点で郵送か直接受け取りかを選択するので、早めに計画を立てておくといいです。

直接の場合、平日の昼間あたりに取りにいかなくてはいけない場合があります。

 

また、時期にもよりますが、I-20発行からビザの入ったパスポートが手元に戻ってくるまで、1-2ヶ月かかります。

時間に余裕を持って申請するのがおすすめです。

 

 

 

 

 

これでビザ申請は終了です。

 

 

余談ですが、日本からアメリカへ出国する際には、念の為出国スタンプを出国審査窓口で押してもらいましょう。

後々に日本の書類更新(免許など)などで「日本にいない」ことを証明する場合に使われるそうです。

また、一時帰国の際の免税にも使うことができるらしいです。

 

 

さて、しばらく前の話になりますが、9月にPerimeter Scholars International の修士課程がオンラインで始まりました。

 

全体の流れとして、秋学期は物理の基礎となる授業、春学期は応用の授業を取り、並行して研究を進めることになっています。

秋学期の構成としては、長さ約一ヶ月の集中講義を二科目ずつ並行して受講し、三ヶ月間で合計六科目の授業を受けることになります。

授業の一覧は以下の通りです。

 

9月

  • Classical Physics 古典物理
  • Quantum Theory 量子論
10月
  • Relativity 相対論
  • Quantum Field Theory I 場の量子論 I
11月
  • Quantum Field Theory II 場の量子論 II
  • Statitical Physics 統計物理 
 
 
 
 
オンライン授業の様子はというと、主に
  • 録画された授業を各自聞き(週に2-6時間)
  • 出席必須のディスカッションの議題となる問題を事前に解いておき(各ディスカッション課題に2時間ほど)
  • 出席必須のディスカッションに参加し(週2回)
  • 加えて隔週に出される宿題に取り組む(週5-10時間ほど)
といった感じです。
インストラクターが、カナダ時間の朝と夜の両方にディスカッションのセッションを設けてくれているので、皆自分の都合のいい時間帯を選んでディスカッションに参加しています。
 
勉強時間の配分としては、週に28-35時間ほど授業の内容に時間をかけ、他の時間は先生との輪読や、自分の興味のある専門書を一人で読んだりすることに使っています。
個人的には、もう少し授業の課題を軽くしてもらって、自分の勉強にもっと時間をかけたいと思っているのですが😓
 
 
 
 
オンライン授業は、初めての割にはとてもよく管理されていて、授業用ウェブサイトに各科目のページがあり、講義の動画や課題などが以下のように全てここに掲載されます。
 
 
(科目の選択ページ。)
 
 
 
(相対論のページ。)
 
 
 
またPSIの他の約20人との生徒とは、主に Slack と Discord を通して連絡を取り合っています。
 
 
 
(Discord の様子。数人で一緒に録画された授業を聞いてわからないところを議論したりする。)
 
 
 
こんな感じで、対面では誰一人として会っていないものの、うまくコミュニケーションを取り合って授業や課題に取り組んでいます。
それでも、早くコロナが収束してくれると嬉しいですね......。
 
 

通常、合格した生徒のためにオープンハウスが開かれます。

アメリカからの旅費・滞在費はほぼ全て大学院持ちなので(日本から来る場合はまた違うと思いますが)、気楽にキャンパス訪問ができます。

自分の中で行きたい気持ちが強い大学院は、是非オープンハウスに参加してみてください

私は新型コロナウイルスの影響で全てのオープンハウスがオンラインとなってしまいましたが、普段ならこのオープンハウスで学科の雰囲気とか土地の過ごしやすさ、同期となる人達との相性を見ることができます。

オンラインのオープンハウスでも、その学科や環境の色が出ていて興味深かったです。

 

例えば、Princetonの物理科は、一見オープンな感じですが、生徒たちはほぼ白人で、オープンハウスに参加するだけでアジア人としては少し居心地が悪くなりました。

逆にStony Brookというニューヨークの公立大学の数学科は、アジア系の学生が多く、また他の大学と比べて大学からの経済支援が乏しいため、生活苦といった感じが滲み出ていました。

 

 

 

具体的にオープンハウスですべきこととしては、

  • 気になる教授の雰囲気を確認
  • 大学院生に気になる教授の評価を聞く
  • 大学院生に経済的状況を聞く
  • その他、住む環境や交通の便を確認

があります。

 

まず、院では教授と否が応でも関わらなくてはいけません。

そのため、自分の性格や研究スタイルと教授のそれらが似ているかどうかを印象だけでも確認することが重要です。

 

次に、興味がある教授と共に研究している現役大学院生に、その教授についての意見を聞くことも大切です。

大学院生は、数年後の自分の立場に今いるわけなので、彼らが興味がある教授に対して否定的な感情を持っていたならば、その教授の元で働くのは少しリスクが高いかもしれません。

 

また、金銭面も大学院で安心して研究するにはとても大切です。

実際にその土地で将来の自分と同じような生活をしている大学院生に実際の状況を聞きましょう。

 

最後に、実際にキャンパスに訪問できるのでしたら、住む環境などが自分に合うかどうかなどをフィーリングで確認するといいです。

 

 

 

ところで、オープンハウスですると面白いことは、「合格した他の大学院に関する意見を聞くこと」です。

プログラム側としては、自分たちが欲しいと思って合格通知を出した人材をなるべく自分のプログラムに取り入れたいと思っているのですが、ここで、具体的に敵対する他の大学院の名前を出して、相手のことをどう思うかを聞くと、とても興味深いです。

実験屋はまた違うかもしれませんが、理論屋に関しては、特に教授陣は生徒のためを思って発言してくれることが多いので、他のプログラム候補が自分のところより良さそうであれば、そう提言してくれます。

 

 

現役大学院生の雰囲気や経験談などをよく聞いて、自分がその大学院に合うかどうか見極めましょう。

出願の時点では何校も受験するでしょうが、実際に入学するのは一校だけです。

そのため、複数校に合格をもらった場合、行かないプログラムには辞退の連絡を入れることになります。

ルール的には4月15日までに返答すればいいのですが、実際にはなるべく早く入学辞退の連絡を入れましょう

これには、受験者全体の幸福度を上げるため、という理由があります(功利主義みたいですね)。

 

 

まず、前にも述べたように、合否の通知は人によってタイミングが違います。

一般的には、プログラムが欲しい人材から合否通知が届きます。

また、人によって受験する院のレベルが違います。

自分にとっての第一志望が誰かの滑り止めだったり、逆に自分の滑り止めが誰かの第一志望だったり。

ここで、複数の院に受かったとき、行かない方のプログラムに早く入学辞退の連絡を入れると、自分のために空けられていたスポットが他の人に回ることになります。

 

例えば、聞いた話によると、University of California 系列では受験者を実際にトップからビリまで順位付けして、上から合否通知を出していくそうです。

ちなみに、これはどちらかというと稀な方で、他の大学ではある程度のくくりは作りますが順位までは付けないそうです。

 

そのため、行かないことが確実に決まったプログラムには早めに入学辞退しましょう。

 

 

 

ところで、

 

「でも、トップの人が中堅の滑り止めを早い段階で蹴っても、中堅レベルの人の幸福が増えるだけでトップの人が得することはないじゃないか」

 

と思われる方がいるかもしれません。

まあ、実際その考えはおおよそ違ってはいないと思います。

ただ、ここで思い出して欲しいのが、「トップの人が思う第一志望は、人によってバラバラ」ということです。

例えば、MIT が第一志望の人がいたり、一方で Harvard が第一志望の人がいたりします。

そして、トップの人がトップ校を狙うとなると、合否はほぼ運要素です。

そのため、トップの人がトップ校だけど第一志望ではないところを早い段階で蹴ると、他の受験者でその学校が第一志望だった人にスポットが回る可能性があります。

逆に、他の人が蹴ってくれたおかげで、自分にスポットが回ってくることもあるかもしれません。

 

というわけで、自分の中で行かないことが決まった院には早急に辞退の連絡を入れてください。

 

実際、私が第一志望の Stanford を受験したとき、早い段階 (3月上旬) の時点で Waitlist の連絡が来ました。

即答で Waitlist に入れさせてもらい、そして幸い入学辞退の人が多かったのか、4月上旬に遅れて合格をもらうことができました。

 

 

 

ちなみに、入学辞退はサイトから連絡を入れるところもありますが、その案内がない場合、プログラムディレクターなどに辞退のメールを一通入れるだけで大丈夫です。私は、

 

After a lot of consideration, I have made a difficult decision not to accept the offer; I will be attending Stanford’s math PhD program. I really appreciate the time and effort that you devoted to considering my application.

 

みたいな感じで送りました。

入学する院が決まっている場合、それについて書くと、大学院側も他のどういうプログラムに人が流れているのかを把握することができるので、丁寧な言い回しで伝えることを前提に、書いてもいいと思います。

「私の出願書類をみてくれてありがとう」といった感謝の気持ちを伝えると特にいいです。

 

 

さて、ここで少し話題を変えて、新型コロナウイルスが流行っている現在、私自身がどう過ごしているか少し紹介したいと思います(興味がない方もいると思いますが笑)。

 

 

 

本来なら今の時期は「学生最後の夏休み」、そして I-20 (在学証明書のようなもの)の期限が切れて研究も続行できない時期なため、次の滞在先への引越しや長期旅行をする人が多いです。

私も秋からカナダに行くことが決まっていたため、今まで後回しにしていたボストン旅行と、あとはカナダ旅行とかしたいな〜と漠然と考えていました。

日本に帰ってもよかったのですが、東京オリンピックで航空券代が高くなりそうだったので、日本へ帰る予定はありませんでした。

 

 

ところが、3月中旬にパンデミックの影響で、急遽日本に帰国することになってしまいました。

旅行したいにも、コロナのせいで日本国内でさえ旅行できない雰囲気です。

 

 

そんな状況を利用して、この夏は、念願の「決めた科目の勉強漬け」をすることにしました!

 

学部時代も勉強漬けのようなものですが、なんだかんだいって「授業をとってその課題に取り組む」みたいな感じなので、自分のペースで思う存分勉強できないんですよね。

逆に夏休みって、長いからか、旅行したり友達と遊んだりした方が時間を有効に使えてる感じがして、どうしても勉強は疎かになってしまうんです。

 

 

しかし!

 

夏休みで授業がない!

しかも旅行もできないし友達もそんなに周りにいない!

 

 

というわけで、最近は自分が決めた科目を自分のペースで勉強する、ということをしています🥳

具体的には、

  • 数学の専門書を一人で読む(毎日)
  • 物理の専門書を友達とゼミ形式で読む(週3回)
  • PSIの物理の授業の録画を見て、課題に目を通し、PSIの同期と議論する(週1回)
  • 軽めの物理の本を暇なときに読む(不定期)

といった感じで勉強しています。

 

 

 

私は書いて理解するタイプなので、数学の専門書に関してはノートを取りながら証明を自分で追って書き足したりします。

ノートは、場所の節約なども考慮してiPad Proを使っています。

大きめのiPad Proなので、Notabilityなどのアプリで画面を分割して勉強すると、以下のように効率よく勉強できます!

 

 

 

 

 

ちなみに、私は1日10ページくらい分のノートを書くのですが、このペースだと、一年で一冊30枚のノートを 10*365/(30*2) = 60冊 分くらい書いているわけですね。

一冊100円のノートを一本100円のボールペンで書き切ると考えて、60*200 = 18,000円 を年間節約するわけなのですが、iPad Pro は12.9 inch で最低120,000円くらいするので、6年使うとノートをとるだけで元が取れる計算になります。

さらに小さめの iPad などだと最低で 40,000円 で変えるので、3年使うだけで元が取れますね!

ちなみに、木一本で200冊ほどのノートができるので、6年使うと木を2本弱節約することができます🌳

 

 

というわけで、iPadのようなノートテイキングができるタブレットは結構画期的なので、めっちゃおすすめです!

さらさらかけるので手に負担がかからず、さらにペーパーライクのフィルムを使えば、もう永遠と文字を書いていたくなるくらい書き心地がいいです!(これを親や友達に言ったら心配された)

友達にも勧めすぎて、Apple の回し者と思われることがありますが、全然違います🙅‍♀️

 

 

 

などと戯言はおいといて。

 

そんな感じで毎日数学してます。

また、自分の勉強を記録に残すために、Excelで大まかな進捗記録もつけ始めました。

最近は解析ばかりやっているので、解析の本しかありません。

 

 

 

 

各専門書について、専門書のページ数やかかった日数、ノートのページ数などを記録しています。

そして、先ほど私は書いて覚えるタイプと述べましたが、勉強した事柄をもっと身につけるために、自分が一回書いたノートを要点を押さえながら書き直すということをしています。

「v1」「v2」と書いてあるのは、ノートのバージョンです。

バージョンを上げるごとにノートのページ数も下がり、書いてあることの重要度も上がっていく感じです。

数ヶ月後に「v3」あたりを見返して内容がスッと入るくらいになるようになるといいな、と思っています。 

 

 

ちなみに、上に載せている専門書は、授業をとった場合に一冊を一学期で学ぶくらいの内容が入っているので、勉強の進度的には一学期に4−5個授業をとっているのと同じくらいの勉強量になります。

夏休みでも学期中と同じか少し上程度の学習進度が保てているので、満足です☺️

 

 

 

こんな感じで、

  • 効率の良い勉強環境で
  • 複数勉強科目を用意しておきながら(特定の科目に飽きた時用)
  • 自分の進捗や今までの達成状況がわかる記録をつける
ことで、学習への意欲をキープしています。
絶好の環境が整っているので、この手持ち無沙汰な時期に数学や物理の実力をつけていきたいです。
 
 

アメリカの大学院受験で特にストレス要因になるのは、合否通知がほぼ受かった順から来ることです。

(ちなみに、本当に勝算がないような場合にもすぐに不合格通知が届きます。)

生物や化学だと1月に合否が決まり始め、2月下旬にはほぼ全ての通知が届いていることが多いそうです。

物理や数学では2月下旬に決まり始め、3月上旬にほぼ全ての合否が決まります。

それ以降に結果が来ない場合は、受からなかったと思っておいた方がいいでしょう。

 

 

合否を待つ際のアドバイスとして、受験仲間とは結果を共有しない・受かっても誰にも言わないことです。

同じ大学院を受けて他の友達が受かっているのに自分は受かっていないと、結構憂鬱になります。

お互いのために、静かに合否を待ちましょう。

 

 

 

ところで、上のアドバイスと真逆の流れになりますが、実は大学院受験には

 

The Grad Cafe (https://www.thegradcafe.com/

 

という、とても精神衛生に悪いサイトがあります。

というのも、このサイトでは、受験者で合否通知などをもらった人が、受けた学科・通知の日時・合否などを載せていくのです。

同じ学科受験者が合否をもらったかどうかがわかります。

つまり、「他の人が合格をもらっているのに自分には全く連絡が来ない」という状況が分かるのです。

周りも全く音沙汰がないのなら希望はありますが、周りが受かっている中で自分がまだ受かっていないということは、合格する確率がどんどん低くなっていることに値するのです。

 

というわけで、もし3月上旬になっても The Grad Cafe で合格の報告があまり出ていない場合は希望を持ってもいいかもしれません。

ただ、受験生全員がこのサイトを使っているというわけではないので、過信しないでください。

 

 

さらに、物理科・数学科については、

 

MathematicsGRE.com

 

 

PhysicsGRE.com

 

という、学科別の受験ポータルがあります。

ここでは、受験生が各自

  • 学部のレベル
  • 自分の人種・性別・国内生/留学生
  • 専攻・GPA
  • GREの点数
  • 研究経験
  • 受験する/した大学とその結果

などを記載していく慣習があります。

ここで、過去にどのくらいのレベルの人がどういった院に合格したか、現在一緒に受験している人が既に受かっているかどうか、などという情報を得ることができます。

気休め程度に登録してみてもいいかもしれません。

 

 

最後に、原則4月15日までに全ての大学院に入学・辞退の意思表示を行います。

もし4月15日までにどの院にも受からなかった場合、もし空きがあればウェイトリストに載せてくれる大学院もあるので、辛抱強く待ちましょう。