内山vs金子 三浦vsハルドン ダブル世界戦 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

新年、明けましておめでとうございます。さて、昨年のラストはボクシング観戦。大竹重幸氏と共に大田区総合体育館へ足を運んだ。「オッ、見やすいな!」。それもそのはず、チケットには5万円とある。(ビータイトプロモーションさん、ありがとうございました)

「パンフレットもしっかりしてるねェ!」(^_^;)


「アレッ、ジュニア君来てるよ!」(^O^)/

まさか声が届くはずはないのだが、タイミングよくチラッと後ろを振り向いた。と思ったら、すかさず大竹氏に歩み寄ってくる。「金元さんと会うの久しぶりでしょう?」('-^*)/。トップ芸能人に対して「久しぶりでしょう」は全く逆なのだが、これもボクシングの世界ゆえである。

「成功する人は違いますね」(^-^)/

隣の席にはOPBF王者和氣慎吾(古口)選手。彼がまだランキングに入る前から出稽古先の三迫ジムさんで何度も顔を合わせ、同じ協栄系列、和氣選手の舎弟分が私の選手と同級生という関係もあって、いろんな話しをしたことがある。


「世界やりたくて、たまりません!」

「準備してれば絶対チャンス来るよ。この世界、今のポジションで満足したら、終わっちゃうからね。ここを通りぬけた人間が世界チャンピオンになるよ!」

すると、大阪から「宮崎敗れる」の報が。良識ある業界関係者が憤る。「あんなコンディションでリングに上げちゃダメですよ!」。

ダブルメインの一つ目は、WBC世界Sフェザー級戦。メキシコで初防衛を果たし大いに自信をつけたチャンピオン三浦隆司(帝拳)選手が、またもやメキシコからの刺客を迎えた。挑戦者ダンテ・クレイジー・ハルドン(メキシコ)は、一発強打と諸さを併せ持つ。

初回。攻撃力こそ最大の武器の挑戦者が、どれだけ元気よく出てくるかに注目していたが、三浦選手の左アッパーがボディをえぐると、早くも動きが止まる。周辺は「これは早いかな」という雰囲気。

5回、ハルドンはついにダウン。一気のフィニッシュが期待されたが、「今日は左にちょっと切れがないね」。王者の”ボンバーレフト”は、フィニッシュブローへと、なかなかつながらない。しかし、「腹、効いちゃってるよ」の挑戦者はすっかりジリ貧。


9回、三浦選手は全く力の差を見せ付けて世界2位をTKOに破り、2度目の王座防衛に成功。

そして注目の日本人対決。WBA世界Sフェザー級戦は、王者内山高志(ワタナベ)選手に同級4位金子大樹(横浜光)選手が挑戦。

左の多彩さ、自在なフットワークで、ボクシングの幅の違いを見せ付けるチャンピオンがポイントでは大きくリード。

「ああやって、スッと下がられると右ストレート打てなくなっちゃうんだよ」


左を伸ばし愚直に前進する挑戦者がだが、得意の右につなげられない。「もう判定じゃあ、難しいよ」との声が聞こえた第10ラウンド。ロープ際、金子選手の右をまともに喰らった内山選手がキャンバスへ落ちた。

場内大歓声。チャンピオンが起き上がる。ラウンド終了10秒前の拍子木が鳴る。挑戦者、ここぞのラッシュ。ラウンド終了ゴング。

11ラウンド。「もうあと2回、足使って動けば負けないよ!」。金子選手はKOを狙い猛然とスパート。すかさず、「内山逃げるなよ!」の声が飛ぶ。激しい打ち合い。「オッ!」、「アッ!」。

「これは年間最高ラウンドだな!」

最終ラウンド。「金子もよく倒れないな」。最後まで世界へのあくなき執念を見せ付けた、挑戦者の頑張りが試合を盛り上げた。判定は内山選手で、8度目の防衛に成功。好試合でした。

試合後はファイナルへ直行。つまみはボクシングで、2013年を終えました。

本年も、よろしくお願い申し上げます。

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