ドネア、リゴンドー、サーシャ 世界Sバンタム級戦線 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

4階級制覇王者ノニト・ドネア(比)を中心に動く世界Sバンタム級戦線。王座統一を希望する、WBO王者ドネアの次戦候補には、WBA正規王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)の名前があがっているが、果たして二人の対戦は実現するのだろうか。


近い将来のフェザー級転向は確実なドネア。その動向はSバンタム級タイトルコンテンダー達にとっても、大いに気になるところだろう。


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2011年2月、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を痛烈なKOに破り、バンタム級王座を獲得した時のドネアのファイトマネーは、王者の25万ドル(約2200万円)を上回る35万ドル(約3080万円)。


その後トップランク社と契約で揉め、一時は試合枯れの時期があったドネアは、バンタム級王座は1度防衛しただけでSバンタム級転向。ウィルフレッド・バスケスJr(プエルトリコ)に勝ちWBO王座を手に入れると、IBF王者ジェフリー・マセブラ(南ア)、WBC名誉王者西岡利晃(帝拳)選手、人気の元5階級制覇王者ホルへ・アルセ(メキシコ)を撃破。


報酬も大きく上がり、マセブラ戦70万ドル(約6160万円)=マセブラ14万ドル(約1230万円)=、西岡戦75万ドル(約6600万円)、アルセ戦ではついに100万ドル(約8800万円)の大台に乗せた。=アルセ80万ドル((約7040万円)=。


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WBA王者との対戦報酬はアルセ戦を上回るとは思えないが、それなりの金額にはなると思われる。


ドネアとの対戦を強く望むリゴンドーだが、米国内での人気はいまいちで、その報酬も安い。正規王者リコ・ラモス(米)とのWBA王座統一戦で、5万1500ドル((約412万円)。ラモスは5万5千ドル(約484万円)。


次のテオン・ケネディ(米)戦では10万3千ドル(約824万円)を獲得。ちなみに、同日ノンタイトル戦に出場したアルセの報酬は30万ドル(約2640万円)。最新のロバート・マレキン(米)では15万ドル(約1320万円)を得ているリゴンドーだが、これはトップランク社と契約で揉め、5万ドルの上乗せを獲得したもの。


気になるのは明らかに格下の挑戦者の取り分で、ケネディ7万ドル(約560万円)、マレキン5万ドル(約440万円)で、これはこのクラスの挑戦者としてはかなり良い。


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実力を評価されながらも不人気の王者。オリンピック2連覇の全勝王者は、もっとすんなり人気選手になっても良いのだが・・・。


ともかく、ドネアvsリゴンドー戦実現は、両選手、特にリゴンドーの報酬の満足度次第ということになるのではと思っております。


さて、タイトル・コンテンダー陣の中で、コアな日本のファンが気になるのは、なんといってもサーシャ・バクティン(ロシア)選手の動向。リゴンドー戦が中止になった元王者プーンサワット・クラティンデーンジム(タイ)は引退。サーシャ選手のWBAランクは3位まで上がっている。


一昨年の年末、「次はリゴンドーとやる」と語っていたサーシャ選手だが、その後はすっかり話がなくなった。昨年11月のWBA総会でロシアのプロモーター、ウラジミール・フルーノフ(ロシア・下写真)は、サーシャ選手の指名挑戦者昇格を請願したが、これは受け入れられていない。


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そこで、ドネアが放棄したIBF王座に目を向けると、1位アレハンドロ・ロペス(メキシコ)と、2位ジョナタン・ロメロ(コロンビア)の空位の王座決定戦開催が決まっている。


入札によってロペス側が、13万2千ドル(約1160万円)で落札(フェルナンド・ベルトラン)した試合は、2月16日(現地時間)にロペスの住むメキシコ・ティファナで開催の予定。


25歳のロペスは、24勝(7KO)2敗。175センチの長身ロメロは、22戦全勝(12KO)無敗の26歳で、昨年から米国を主戦場にしている。


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そしてサーシャ選手は、現在IBFランキング3位。このままいけば自動的に、最上位ランカーとなる見込みで、その後IBFルールにのっとり挑戦者決定戦を行い勝利すれば、指名挑戦者としての地位を自分の力で獲得できるポジションにある。


ようやく、念願の世界挑戦が現実化されようかというところまで来たサーシャ選手の次戦は、3月31日ロシアで予定。


サーシャ陣営の今後の動向に注目したい。


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