渡嘉敷vs榊原 村田英次郎・引退式 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

「来週の講演に使う予定だった俺の試合の映像が、どこいったっかわからなくなっちゃった。明日までに送ってくれないか」(;^_^A


元世界Lフライ級王者渡嘉敷勝男(協栄)氏からいきなりのメールが来たのは今年に入ってから。思えば20万円もしたSONYのベータ式ビデオを月賦で買ったのは、トカちゃんが世界タイトルへ挑戦することになった時だった。以来、記録係り。A=´、`=)ゞ


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世界チャンピオンになった夜。


「伊波と榊原だけでもあったらいいよ!」


おお、それはわかりやすい。('-^*)/


「トカチャン、アレしかないからなァ~。それだけあれば、ずっとっしゃべれるだろう」(^O^)/(大竹マネジャー)


しかし、期待の榊原戦は私の方もどこへ行ったかわからない。困ったときの、”とみぃさん ”頼みで聞いてみると、出てきました=感謝!=。1984年3月8日後楽園ホール。元世界王者(4位)渡嘉敷再起第1戦、12戦全勝(4KO)の日本フライ級4位榊原隆史(金子)選手との10回戦。


この日はメインを前に、元東洋・太平洋バンタム級チャンピオン村田英次郎(金子)選手の引退式がありました。世界バンタム級王座に4度挑み、2分け2敗。おいしいチャンピオンはいない時代でありました。


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『悲運の貴公子』村田選手のテンカウント、改めて聞いても泣けてきます。


WBA世界Lフライ級王座6度目の防衛戦で宿敵ルペ・マデラ(メキシコ・故人)に、後味の悪さ極めつけの納得いかないTKO負けで王座を奪われ、絶対勝たなければいけない再戦で判定負け。王座奪回ならなかった渡嘉敷選手の再起戦相手を決めたのは大竹マネジャー。


渡嘉敷勝男流血と怒号!WBA世界L・フライ級戦・判定が覆った


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福田洋二先生(現・福田ジム 会長)との絶妙なコンビで、素人から3年で世界王者となった渡嘉敷選手は、「ある意味天才」といえる。しかし、努力と意志の強さも半端じゃない、うそがすぐばれる?強気の男。今度の相手が12戦無敗のホープと聞かされると、絶対やりたくなっちゃうタイプ。


「あの試合。福田先生は反対したんだよ」


トカちゃんは榊原選手のことなどまるで知らない。しかし、福田先生はよくわかっている。長身のアウトボクサーが、最近5試合は3KO勝ち。倒せなかった試合でもダウンを奪い、ただのひ弱な若手ホープから脱皮しつつあることを。


WBC王者 張 正九(韓国)への挑戦話もある愛弟子の再起戦は、もう少し楽な相手とやらせたいと考えるのは当然だろう。しかし試合は渡嘉敷選手の強い希望が通って実現へ。


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福田先生とのミット打ち。


渡嘉敷選手が世界王座を獲得した4日後にプロデビューを飾っている榊原選手は、ロードワークする代々木公園でチャンピオンとよく顔をあわせていたという。「いい人だなァ」。('-^*)/それがまさか戦うことになろうとは。


試合は自信満々の渡嘉敷選手が仕掛け、榊原選手が足とジャブで交わすという展開。だが、さらに距離をつめようとする元王者に、無敗ホープの右ストレートがカウンターとなってヒット。試合を先にリードしたのは榊原選手。3回まではフルマークだ。


フライ級契約ウェイトで減量のない渡嘉敷選手の動きは衰えることを知らない。快調に飛ばす榊原選手も、元陸上長距離選手でスタミナに自信があるが10キロの減量はこたえてくるだろう。しかし、放送席の元世界王者白井義男氏は、「いやな相手ですよ。これはやっかいですよ」と榊原選手への警戒を高めた。


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第4ラウンド終盤。渡嘉敷選手の休みを知らない、しつこいアタックに榊原選手の動きが落ちる。懸命の防戦。タイミングよい右ストレート、アッパーも元王者を捕らえるのだが、息つく暇もなく、元王者は攻めてくる。このラウンドは初めて渡嘉敷選手がポイントをあげた。


5回も中盤を過ぎると、元王者の休みない攻撃にホープは劣勢の様相を呈する。ボディ打ちも効果的だ。終了間際、とめどない連打で榊原選手の足がもつれた。


そして迎えた第6ラウンド、何とか流れを変えたいホープだが、元王者はお構いなしの強引な攻めをやめない。連打からの左フックが決まると、ここまで堪えていたホープもついにダウン。ここで終わりかとも思われたが、立ち上がった榊原選手はファイティングポーズを取る。


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島川主審はカウント9で試合続行。だが残り時間は少ない。一気に出る渡嘉敷選手。とどめは右ストレート。榊原選手がロープ際に崩れ落ちた瞬間、ノーカウントで試合は終了。KOタイム6回2分56秒。伊波政春(横浜協栄)戦以来、1年8ヶ月ぶりのKO勝利をあげた渡嘉敷選手は、張への挑戦を発表した。


「しかし、よく出てきたねェ。ありがとう、助かるよ!」(^O^)/


「今度サイン頂戴ね。何でもトカちゃんの試合見てプロボクサーなった元選手が大切に持ってたらしいよ」('-^*)/


「エ~、どこの選手!」(=⌒▽⌒=)


「石丸さんだよ!」


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その主は、元日本ウェルター級6位高橋武寛 選手。1981年12月16日、渡嘉敷選手が、金煥珍(韓国)から世界王座を奪った試合に感動してプロボクサーになったのだという。ありがとうございました。(≡^∇^≡)


「たいしたもんだねェ、トカちゃんも」(^O^)/


「でも、いい話だよ。やっぱりボクシングは見てもらうことだねェ。俺も西城(正三)さんに憧れて協栄入ったし、修(佐藤)は鬼塚だろ。洋太は修だしね」


「人の人生変えちゃうんだから、凄いよボクサーは」


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