元IBF日本代表を務めた池田 久 氏が、8日亡くなられた。 73歳だった。JBC管轄下奈良池田ジム会長として、西日本ボクシング協会長としても活躍。私はIBF再興の時、西島洋介山選手のスカウトや、IBF参加選手のお手伝いで池田会長には大変に世話になりました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
1976年4月1日。奈良県で行われた初めての世界タイトルマッチ。WBC世界S・フェザー級王者・アルフレッド・エスカレラ(プエルトリコ)vs挑戦者バズソー山辺(船橋)戦のプロモーターは池田会長。
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まだスーパーバイザーという制度がなかったこの時代。第6ラウンド、レフェリーの突然のストップに橿原市体育館は大混乱。怒った観客に殴られたガードマンは気絶。ケガ人も多数出ました。リング上、試合再開を待って頑張った山辺選手でしたが、さっさとリングを降り控え室に帰ったチャンピオンがリングに戻るはずもなく、「早期再戦」ということで、この場は収まった。
3ヵ月後、同じ場所で再戦に漕ぎつけることが出来たのは、JBCの後押しと、両陣営、そしてプロモーターたる池田氏の器量あってこそ。
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再戦で山辺選手は大いにエスカレラを追い詰めたが、僅かに及ばず判定負け。しかし、いい試合でした。終盤は逃げるのがやっとのチャンピオンでした。
日東ジム所属選手だった池田氏は、同じ日東一門の石丸ジムからバトルホーク風間選手をトレード。日本ライト級王座獲得後、WBA世界Sフェザー級王者サムエル・セラノ(プエルトリコ)挑戦のチャンスを作った。
池田会長は、印刷業を柱にいくつもの事業を営む社長さん。多忙である。しかし、池田会長はねむい眼をこすりながら、挑戦者の為に減量スープを作る。マンツーマンで風間選手が勝つための条件を作り上げた。
1980年4月3日奈良市中央体育館。
「相手をなめきっている」と豪語した挑戦者だったが、良かったのは5回まで。なぜだかサウスポーにスイッチした風間選手は、「右に戻せ!」というセコンド陣の声を振り切って戦ったが、13回王者の連打に捕まりレフェリーストップ負け。池田氏の宿願達成はならなかった。
1982年春、沖縄の高校王者新垣 諭 選手は契約金1千万円で奈良池田ジムと5年契約を結んだ。5年という区切りをつけたのは池田氏の考えである。池田氏の理想はマネジャー制度だった。後にそれはIBF日本設立で実現される。
順調にランクを上げていった新垣選手は、1983年4月10日に行われたWBA世界Lフライ級王者渡嘉敷勝男(協栄)vs挑戦者ルペ・マデラ(メキシコ)戦で、マデラが新王者になると挑戦をぶち上げた。しかし、これは頓挫する。
そして同年8月26日、池田氏はIBF日本旗揚げへと動くのである。
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池田会長は新垣選手に対し、JBCに残るのなら移籍先を見つける旨申し渡し、「自分の進路は自由に決めてよい」と伝えている。新垣選手は自分の意志で、「会長に付いて行きます」と決断した。
旗揚げ戦で新垣選手は、空位のIBF世界Lフライ級王座決定戦出場のチャンスが与えられる。しかし、池田氏はJBCに訴えた。
「我々も一国一コミッション制度が望ましいと思う。JBCが12月10日の試合を認めるのなら、IBF日本(の組織)を降りてもいい」と発言。だが、JBC小島事務局長は、「IBFを認めることは今のところ考えていない」。
亀田興毅・IBF・WBO挑戦?IBF王者新垣諭
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新垣選手は84年4月、プロ8戦目でIBF世界バンタム級の王座を獲得する。王座防衛2度。しかし、3度目の防衛戦で豪州に遠征した王者は、ジェフ・フェネック(豪)に王座を追われた。
「世界チャンピオンとして評価してくれる国で防衛戦をやる」
「それが新垣の為だ」
国内で不遇扱いされる愛弟子の為に、池田氏はビッグな舞台を作ったのだった。
西島洋介山選手。契約金3千万円。ファイトマネー最低保障1千万円。住居、トレーニング環境の完備。池田会長の出された条件は凄かった。私も、この移籍をまとめることに全てを賭けちゃいました。(~~)
飯泉健二選手の一度だけのカムバック戦も良かった。全国から駆けつけたという飯泉ファンの熱い声援を受けてのリングは、血しぶきで真っ赤になりましたが、大きな感動がありました。
「この人は事業で大成功した、凄い人ですよ」
ヒルトンホテルで金平正紀氏(協栄ジム創設者)は、私に池田氏をそう紹介された。すると池田氏は、「この人は、世界チャンピオンを何人も作った凄い人ですよ」と切りかえされた。この時のこと、もの凄く印象に残っています。
つくづく、いい経験をさせてもらったと思います。感謝。ありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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