代打王者ローズvs金メダリスト桜井孝雄 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

世界バンタム級王者ファイティング原田(笹崎)選手、5度目の防衛戦は代打ライオネル・ローズ(豪)が相手。世界ランク1位強打のへスス・ピメンテル(メキシコ)との対戦に燃えていた原田選手の心にも、目に見えない隙が生じていた。

世界バンタム級王座の歴史

世界的に全く無名のローズは、「挑戦することが名誉」といった態の弱冠19歳。世界挑戦が決まりランキングは9位から6位へとアップしたが、これは興行側を配慮してのもの。


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昭和43年(1968年)2月27日の日本武道館は7千人の入り。原田選手の防衛戦で観衆が1万人を切ったのは初めて。「ローズでは相手にならないだろう」。原田選手は”黄金のバンタム”を破った男だ。

原田選手はいつものように初回からラッシュをかけるが正確さに欠ける。ローズは持ち前のスピードで王者に対抗。中盤は原田選手が盛り返す。この試合のオフィシャルは、レフェリー遠山 甲 、副審手崎弘行、副審森田 健 の3氏(当時はレフェリーも採点)。

8回を終えた時点で遠山39-37、森田38-37で原田選手リード。手崎38-37でローズ有利。そして運命の第9ラウンドを迎える。




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ローズを追う原田選手。ロープ際、ローズの右ショート・ストレートがカウンターでヒット、原田選手は前のめりで右ひざを軽くついた状態(一瞬、亀田vs中尾戦の幻のダウンと同じ)から、左ボディから右ロングフックをヒット。

ローズが倒れた。原田選手は右手をあげる。しかし、ダウンを取られたのはチャンピオンの方。首を振る原田選手に遠山レフェリーのカウントが入る。そしてラウンド終了ゴング。5-3でローズ。

俄然元気になった挑戦者は頑張りモード。王者は失点を取り返そうと攻め込むが、詰めきることが出来ない。14回はローズがハッキリ取った。原田選手が攻めてはいるが、もう一つピリッとしないまま試合は終了。

採点は遠山72-72、森田72-70、手崎72-69の2-0でローズ。大番狂わせ。攻める原田選手を交わしきったという内容で、19歳8ヶ月の新チャンピオンが誕生。第9ラウンドの一瞬の出来事が、二人の運命を変えた。


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豪州2人目の王者は母国で大歓迎を受ける。一夜にして無名から世界チャンピオンへ。豪州のシンデレラボーイ誕生である。初防衛戦では3位桜井孝雄(三迫)選手の挑戦を受ける為、再来日。

東京オリンピック金メダリストの桜井選手にとっては、プロの金メダルを奪取するまたとないチャンス。プロ転向後22戦全勝(4KO)。サウスポー・スタイルから放たれるカウンターブローは芸術を思わせる。


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原田選手に勝ってグッと自信をつけたローズは不適な自信を見せ付けていた。しかし、来日後のスパーリングでは新人桜井保男(協栄)選手の左ストレートを喰らってダウン。プールで泳ぎすぎて、コンディションを崩したとも伝えられた。

7月2日、日本武道館。観衆は8千人。自信満々の桜井選手と三迫会長。若い師弟は、はやる心を胸にリングに登場。挑戦者にかかる期待は大きい。「タイトルを取り戻してくれ」。注目の試合開始ゴングは鳴った。

第2ラウンド、挑戦者は左ストレート・カウンターで幸先いいダウンを奪う。立ち上がった王者に、桜井選手は追撃弾を浴びせることはなかった。中盤戦も桜井選手が押さえた。「これは行ける」。誰もがそう思った。ローズとてダウンのビハインドは大きいと思ったに違いない。




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オフィシャルは、主審ニッキー・ポップ(米・日本在住)、副審は遠山 甲 、羽後武夫の二人である。「パンチを貰わなければ逃げ切れる」。それはしごく普通な作戦であろう。

第10ラウンドが終わった時点で、3人のオフィシャルのスコアは揃って49-47。挑戦者リードで終盤戦を迎えた。

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原田選手に勝った時は早いフットワークが印象的だったローズだが、桜井選手が相手とあっては、その足についていけない。東京五輪金メダルのテクニックは超一級品。「勝っている!」。挑戦者陣営は、後半戦を交わす作戦に出た。

10回、桜井選手は逃げる。しかし、ローズも追うだけで身体で威圧するだけ。11回、前に出る王者はストレート攻撃に活路を見出す。挑戦者は受身から抜けられない。ポイントは3者揃ってローズの5-4。


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12回、疲れも加わり挑戦者は手が出ない。ローズは激しく責めるがクリーンヒットには乏しい。1人が5-4でローズ優勢。13回、相変わらず手数が少ない挑戦者。ローズは左を突いて攻め込む。1人が5-4でローズ。

14回、桜井選手は逃げるのが精一杯という印象で、チャンピオンは押しまくる。2者が5-4でローズのラウンド。貯金はどんどん吐き出されていく。青コーナーの作戦なのか、挑戦者の疲れなのか。ラストラウンド。挑戦者の奮起が望まれた。ベルトは目の前である。


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15回、桜井選手はフットワークを使い動き回る。ローズはKO狙い。必至の形相。挑戦者はポイントを取りに行かなかった。ついに試合終了ゴング。観衆は固唾を呑んでポイント集計を待つ。

ニッキー・ポップレフェリーは赤コーナーを指差し「勝者、ローズ!」




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思わぬ勝利?に喜色満面のチャンピオン陣営。対する挑戦者陣営は、「なぜだ!」と驚きの表情。三迫会長は呆然とリングに立ち尽くした。

スコアは、主審ポップ72-71、副審遠山72-70、副審羽後72-72の2-0。

「桜井が負けたんじゃない。俺が負けたんだ」

敗軍の将はそう語って愛弟子をかばった。

5-5と、5-4に大きな差があった時代。フットワークを使い、クリーンヒットを貰わずかわしていれば「5-4にはならないだろう」。しかし、この試合では後半ローズの攻勢点がものをいった。


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王座奪取戦では原田選手の攻勢点よりも、ローズのアウトボクシングにポイントが流れた。「引き分けでも良かった」試合との声も多い。無念の涙を呑んだ桜井選手であったが、「僅差で桜井の勝ちでも良かったろう」の声もあったのは確かだ。

不思議な運を持った男ローズ。原田選手に続き、オリンピック金メダリストを撃退し、豪州のヒーローは絶大なる人気を得ていく。   = 続 く =

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