WBAvsJBC・新垣諭IBF日本へ! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

1983年4月10日後楽園ホール。WBA世界Lフライ級王者渡嘉敷勝男(協栄)選手は、指名挑戦者1位ルペ・マデラ(メキシコ)相手に引き分け。5度目の王座防衛を果たした。観衆3200人。

WBAが選んだオフィシャルは、レフェリーラリー・ロサディラ(米)、ジャッジフェルナンド・ビソ(ベネズエラ)、シーザー・ラモス(プエルトリコ)。当時のWBAランキングは、2位レイナルド・べセラ(ベネズエラ)、3位へルマン・トーレス(メキシコ)と続く。


渡嘉敷vsマデラⅡ。  ★車のルームミラーに→【ミニグローブ】 お宝サイン入りは各1個限り!

渡嘉敷選手は12回にヒジ打ちで減点1。最終回チャンピオンはすさまじいアタックを敢行。マデラはピンチに立たされた。大歓声の中、最終回終了のゴング。

「ドロー!」

ロサディラ145-143渡嘉敷。ビソ145-144マデラ。ラモス144-144。12回の減点が悔やまれるチャンピオンだが、それでも私は優勢であったと思った。

「判定は盗まれた」。メキシコ陣営はこの判定にカンカン。「こんな判定なら、渡嘉敷と20回やっても勝てないよ」とは、マデラである。

協栄陣営は渡嘉敷選手のV6戦をハワイで行う計画を立てていた。しかし、4月20日WBAは協栄ジムに対して、「4月15日以後60日以内にマデラと再戦せよ」と指令。

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これに対し、協栄ジムはJBCと協議。「マデラとの再戦の間に一試合おきたい」と強く要望。この当時のWBA指名試合期限は6ヶ月に一度。これは案外真面目に守られていました。戻ってほしいですね。(~~)

しかし、WBAは強硬な姿勢を変えない。「渡嘉敷はマデラと再戦する前に、他のいかなる選手とも防衛戦をしてはならない」と通告して来た。

これに対しJBC小島茂事務局長は、「渡嘉敷vsマデラ戦は、2回とも中立国審判員によって運営されていた。ワンクッションおいての再戦が妥当」との、コミッショナー見解をWBAへ打電している。

だが、返って来た答は、「この指令を拒否すればタイトル剥奪も辞せず」。

かくて、マデラとのリマッチは避けられない事態に。試合は7月10日後楽園ホールと決まった。そして、この試合はとんでもない結末を迎える。4回、バッティングでマデラの額から激しい出血。挑戦者はくるりと背を向けた。試合放棄とも取れるポーズ。


渡嘉敷vsマデラⅢ。  ★携帯ストラップにも使える→【ミニグローブ】 お宝サイン入りは各1個限り!

宮本ドクターの、「傷の深さは骨髄。つまり筋肉まで切れている。これまでの経験で続行不可能」の診断が受け入れられ試合は停止。すぐさま小島事務局長が、「3回までに偶然によるバッティングで続行不可能となった場合はWBAルールによりドローと判定します」とアナウンス。

だが、試合が停止されたのは4回。一転、「3回までのポイントを集計しマデラの勝ち」に判定は変更される。「4回はまだ終わっていないから、引き分けなんじゃないですか」と、解説の具志堅用高氏。負傷判定という制度にまだ馴染みが薄い時代である。4回TKO負けで渡嘉敷選手はわけのわからぬ王座転落。


勝利を喜ぶマデラ。  ★車のルームミラーに→【ミニグローブ】 お宝サイン入りは各1個限り!  

「この試合はノーオプション。次は指名選手ではない相手と戦う」

新王者マデラには、新垣諭(奈良池田)選手が挑戦宣言。だが、新垣選手はまだOPBFランキングに入ったばかり。5月に世界9位金龍鉉(韓国)と引き分けたが、世界ランキングには入っていない。

プロボクシング協会の河合会長もWBAへ提訴宣言。これを受け協栄ジムのマック金平ビジネス・マネジャーと、JBC小島事務局長がWBAエリアス・コルドバ選手権委員長に直訴。

結果。「マデラは7月15日から90日以内に、渡嘉敷と初防衛戦を行わなければならない。勝者は来年1月15日までに1位選手と指名試合を行う」との指示を取り付ける。半年間に3戦連続同一カードの世界戦対決。渡嘉敷選手はべセラの下、2位にランキングされた。

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IBF旗上げ。  ★携帯ストラップにも使える→【ミニグローブ】 お宝サイン入りは各1個限り!

そんな最中の8月26日、IBF日本が旗上げされた。第1回興行では日本1位新垣選手が空位のLフライ級王座決定戦に出場する。マデラ挑戦は、マデラ陣営のルペ・サンチェス氏と池田会長が親しい間柄だった為、実現の可能性はあったろう。新垣選手はサンチェス氏に預けられた事もある。

しかし、マデラ挑戦とIBF日本旗上げは別問題であったと思います。池田会長は新垣選手に対し、JBCに残るのなら移籍先を見つける旨申し渡し、「自分の進路は自由に決めてよい」と伝えている。新垣選手は自分の意志で、「会長に付いて行きます」と決断している。

10月23日札幌。渡嘉敷vsマデラ第4戦には、ヒルベルト・メンドサ会長自ら来日。ルールミーティングは普段の倍近い時間をかけて行われた。王座奪回を期した渡嘉敷選手だったが、なぜか燃えず。ありえない後半失速で判定を失った。


渡嘉敷vsマデラⅣ。  ★車のルームミラーに→【ミニグローブ】 お宝サイン入りは各1個限り!

それでも、メンドサ会長は「もう一度やってもいい」と、まだ若い渡嘉敷選手を気遣った。しかし、日本ではこのカードはもう難しい。渡嘉敷選手のターゲットは自然とWBC王座に向けられた。

プロキャリア4勝(3KO)1分。契約金1千万円男新垣選手は、12月10日OPBF王者ドディ・ペニャロサ(比)との初代IBF世界Lフライ級王座決定戦が正式決定。

IBF日本池田会長は、「我々も一国一コミッション制度が望ましいと思う。JBCが12月10日の試合を認めるのなら、IBF日本(の組織)を降りてもいい」と発言。だが、JBC小島事務局長は、「IBFを認めることは今のところ考えていない」。

マイケル・スピンクス(統一)。マービン・ハグラー(統一)。アーロン・プライアー(WBA)らの世界チャンピオンは、次の防衛戦からIBF王者としての承認試合になるという状況であった。

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