亀田大毅ノーギャラ世界戦vs76年世界王者ゼロ! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

10月6日、WBA世界フライ級王者デンカオセーン・クラティンデーンジム(タイ)への挑戦を発表した亀田大毅(亀田ジム)選手。2年ぶり、デビュー以来2度目のフライ級リミットでの世界戦にやる気を見せている。

亀田大毅、10月に世界挑戦 「やるだけ」(毎日新聞)


撮影、Sumio Yamada    ★EVERLAST ミニグローブ!  【お問い合わせ】

36日前の前哨戦も予定通り発表され驚いたが、もっと驚いたのは次の報道。

王者のギャラ高すぎた…大毅世界戦はタダ働き?(スポーツニッポン)
大毅、赤字必至でノーギャラ世界戦?(デイリースポーツ)

王者のファイトマネーは3千万円を超えるという。ドル換算すると約30万ドル。これは破格である。亀田ジム初の世界戦自主興行。赤字覚悟で大毅選手を挑ませるその心は読めない。懺悔の反則騒動から2年の時を経て、再びの世界挑戦。

昭和51年(1976年)5月18日。輪島功一(三迫)選手が、ホセ・デュラン(スペイン)に14回KOで敗れ、11年間続いていた日本人世界チャンピオンの歴史は途絶えた。昭和40年(1965年)、くしくも同じ5月18日。ファイティング原田(笹崎)選手がエデル・ジョフレ(ブラジル)を破り、世界バンタム級王座を奪って以来続いていた日本の世界王者がゼロになったのである。

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ボクシングマガジン76年7月号は、中村 勇 氏の厳しい戒めからページが始まっている。

『”世界”ゼロ保有でボクシング界は初心に帰れ』

「問題は、再スタートに備えるボクシング人の姿勢だろう」

評論家やファン代表の声は、同情論を超えて”一から出直す謙虚な心を忘れるな”であり”こうなる日が訪れるのは当たり前のことだ。結構なことではないか。ボクシング界が総ざんげする絶好の機会ではにか”などという厳しい批判が多かった。

手を代え品を代えてチャンピオンをぞくぞく作ってうけに入っていた過去11年間に、日本のボクシング界は、いつも見つめていなければならない”原点”をリングの内外で見失っていたのであろう。

原点を見失った統率下に置かれたボクサーくらい、みじめなものはない。

ユメ忘れてならないのは、やはり”謙虚な心”であり”初心に帰って”出直すことだろう。

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昭和45年(1970年)1月6日。国内初のWBC世界戦が開催された。ファイティング原田選手が、前年シドニーでの不可解な判定に泣き、成し遂げられなかった3階級制覇。フェザー級王座奪取の悲願達成に、こんどこそはと期待が持たれたが、残念ながら原田選手は敗れた。。

4月5日、小林 弘 (SB中村)選手に王座を明け渡していた沼田義明(極東)選手が、WBC世界Sフェザー級王者レネ・バリエントス(比)に挑戦。これを判定に破り、日本人初のWBC王者となる。同じクラスには小林選手がWBA王者として君臨。WBA加盟国であった日本だが、王者が誕生した以上WBCを認めないわけにはいかなくなった。

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柴田国明(ヨネクラ)選手がメキシコでWBC世界フェザー級王座を獲得したのもこの年である。WBA王座には西城正三(協栄)選手が君臨していた。フェザー級、Sフェザー級で対立するACそれぞれの王者が君臨。王座統一をJBC主導により行う絶好のチャンスであった。

世界王座は一つを提唱し続けていたJBCは、”原田選手が勝ったら西城選手と王座統一戦を義務付ける”としていた。これは原田選手が破れ実現しなかったが、異なるTV局、興行権等の問題もあり、勝った場合でも馬の耳に念仏。現実的には実現不可能な話。

10月22日大場政夫(帝拳)選手がWBA世界フライ級王座を獲得。この年、日本の世界チャンピオンは5人となり、世界チャンピオン最多保有国にのし上がる。

しかし、それもつかの間。翌46年は、小林、西城、沼田の3王者が雪なだれ式に敗れる。柴田選手、大場選手が王座を護り、輪島選手が初めて世界を獲得したのもこの年だが、TV局のボクシン離れは加速する。TV局の前にオンブぶにダッコで、ぬくぬくと育ってきたプロボクシング界とある。

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TV局のバックアップ。

「これで腰をすえて選手要請に専念できる」

「テレビが金を出してくれる限り、試合さえ組んでいればいい。これでラクが出来る」

TVボクシング全盛の昭和34年当時。協会長本田 明 氏は、厳しく業界を戒めておられる。

「今はテレビ局もゼニを出してくれるが、いつか冷たくなる時がある。その時が来てから考えても遅い。テレビ局に好カードを売るという考えを常に持っていないと、やがてテレビ局に振り回され、最後にポイされてしまう」

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世界一のチャンピオン保有国の陰で、国内ボクシング人気の低下。46年の最高TV視聴率は大場政夫vsベツリオ・ゴンザレス(ベネズエラ)戦の38%。日本TVは定期番組打ち切り。続いてフジTVも中止に踏みきる。新しく参戦したTV東京も早々と姿を消した。いや、それどころかフジTVは、世界王者柴田選手との専属契約も解除してしまった。

この時代、世間で流行っていた言葉は、「原点に返れ」

「業界は大局的に判断し、もっと団結する必要がある」

亀田ジムの誕生は紆余曲折を経てのものだった。大毅選手の世界再挑戦は、世界ランカーを倒してのもの。しかし、指名挑戦権ある興毅選手が本来挑戦すべきとのファンの声は多い。それが、ノーギャラ挑戦と報道されては残念という他ない。「原点に返った」ファイトを期待するのみである。

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