元王者リオスは、小さな体を変幻自在のフットワークで絶えず動かし、思わぬ角度からパンチを放つ、やりにくい事この上ないタイプだ。初防衛戦でリオスと対峙した王者はダウンを喫し、顔面を腫れ上がらせながら勝利していた。

3度目、4度目の防衛戦をKOで飾ったチャンピオンの人気はうなぎのぼり。会場は6千人の観衆で埋まった。動き回ると見られた挑戦者であったが、意に反し初回から打ち合いに出て来た。パンチ力では、王者が大きく上回っている。
王者の的は挑戦者のボディ。左アッパーをボディにめり込ませ、スタミナを奪う作戦。これが功を奏しリオスのフットワークは、5回を過ぎたあたりでハッキリと鈍る。頭を下げながら、いきなり放つ右。真っ直ぐには来ない。リオスは右一辺倒のボクシングに追い込まれた。
激しい消耗戦が続く中、7回挑戦者ついにダウン。どうにかピンチを脱した挑戦者は、しきりに足を使うが、ボディを打たれると苦しそう。

しかし、リオスの右がチャンピオンの視界を奪っていく。カットマン、スタンレー・イトウ氏は、氷で必死に目を冷やす。両目が腫れ上がった王者は、試合終了時もう薄っすらとしか見えない状態だった。今なら途中でストップされても文句は言えないだろう。

まれに見る消耗戦は13回に幕が下りる。すっかり消耗した挑戦者を、両目がふさがったチャンピオンがメッタ打ち。2分59秒、ついにレフェリー・ストップ。王者5度目の防衛に成功。リオスは引退。後、再起したが、既に過日の動きなくさびしい結末を迎えている。リオスの受けたダメージはそれ程大きかった。

19時30分から放送されたこの試合のTV視聴率は、43.2%(TBS)。以後、30年間に渡り最高視聴率の座を護っているのは凄い。
広島は、先代金平正紀会長の故郷である。海老原博幸選手との二人三脚でボクシング界に頭角を現した会長を頼り、広島から夢見て上京、ボクシングを志した選手は数多い。 沖 ジムで元WBA世界ミドル級王者竹原慎二選手を育てた宮下 功 会長もその一人。広島で竹原ジムを営む竹原選手の父、竹原三郎会長の紹介で協栄ジムに入って来たのが、坂田健史選手である。
人が繋がって、今度のタイトルマッチがある。チャンピオンの思い入れも強い。3ヶ月で高校ボクシング部をスポイルした男が、なぜ、故郷に晴れの姿を飾るに至ったかは、次のインタビューを参考にされたい。
Divers eye 全力で生きるために 坂田健史 〔前編〕
お父さんだけ、知らなかったようです。(~~)「私だけ、だまされとりました。ボクシングやりたい言うんで、あの学校行かせたんですが」
「東京に行ってから初めて広島に帰ってきた時、あんなに変わるものかとビックリしました。あの健史が」

スタンレー・イトウ先生のルーツも広島。
広島出身。竹原会長からの紹介という事で、先代会長は直に坂田練習生を知る事になる。そして、大竹マネジャーに預けた。しばしば食事に連れて行ってあげなさいと、気も使って頂いた。
「どうだい坂田は、大竹さん」
「真面目に頑張ってますよ。面白いかもしれませんね」
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気の早い先代会長は、アッという間に後援会を作ってしまった。”ゼロから夢を創る会”。自らの故郷出身の青年を、それは大事に育てた先代会長。最後のセコンドを務めたも坂田選手だった。
あれから10年。坂田選手に憧れ、広島から協栄ジムへ入って来た子もいる。
「(先代)会長も喜んでるだろうな坂田。広島じゃ、負けられないぞ」
ハワイキャンプ終了後、初日の練習メニューはOPBFフライ級王者大久保雅史(青木)選手との8ラウンドスパー。全ての思いのたけは、広島のリングで魅せてくれるだろう。只今、好調です。(~~)
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