そして、この日以来、日本はWBA世界フェザー級タイトルと縁がない。実に37年間空白が続いている。ロイヤル小林、、フリッパー上原、スパイダー根本、杉谷 満 選手らの挑戦者。来日した王者もアルゲリョ、ペドロサ、エスパラゴサ等、皆強かった。
調印式での西城、ゴメス両選手。
自信満々でやって来た挑戦者は、兄ペドロ・ゴメスの敵討ちを喜んだ。ペドロは、西城選手初防衛戦の1位挑戦者として来日したが、判定負けに退いている。
「故国で小さなアパートを経営して暮らしている兄も喜んでくれるだろう」
西城選手は、元プロの実兄正右氏とのコンビでプロボクシング界入りした。当時としては、いや、現代日本でも画期的なコンビでの活動を許可した金平会長。西城選手は、稼ぐボクサーに成長し、大成功を収めた。
【ゴールデンボーイvsシンデレラボーイ・西城正三】
ゴメス戦では西城選手の軍師スタンレー・イトウ先生と、エディ・タウンゼント氏が一緒に赤コーナーにいた。弟のピンチを目の当たりにして、リングに飛び込もうとする正右氏を”羽交い絞め”で、必死に止めたのはタウンゼント氏でした。(~~)
実力者と目されていたゴメスは、念願を果たし得意の絶頂。羽田空港に現れた新チャンピオンは、アルコールの飲み過ぎでへべれけだったという。故国ベネズエラでは帰国までの僅かな時間で、ゴメスの自宅へ通ずる道路があわただしく舗装された。
2ヵ月後、小林 弘 (中村)選手から王座を奪った同僚アルフレッド・マルカノの初防衛戦(対岩田健二)のリングで、ノンタイトル戦に出場したゴメス。しかし、英雄の雄姿を期待した地元ファンを大きく裏切る。相手の負傷に救われて勝ちを拾った。
モラvsゴメス。
2週間のインターバルでメキシコへ遠征したゴメスは、無名のラウル・マルチネス・モラに意外な判定負け。有頂天のゴメスには早くも落ち日の影が忍び寄る。
しかし、ここで気持ちを入れ替えたのか20日後の再起戦では、後の世界王者エスデバン・デ・ヘスス(プエルトリコ)に初黒星を与える。ヘススが、ロベルト・デュラン(パナマ)に初黒星を与えるのは1年後の事だ。
72年2月、モラとの再戦を地元ベネズエラで行い7回TKO勝ち。王座の初防衛に成功。だが、8月1位エルネスト・マルセル(パナマ)との二度目の防衛戦では、いい所見られず判定負け。1万人の地元ファンの前であっさりとタイトルを手離した。
マルセルは柴田国明(ヨネクラ)選手のWBC王座挑戦では、挑戦者に同情的なドローで王座奪取を逃していた。そしてラストファイトでは、アルゲリョを降している実力者。
マルセルのパンチで右目を大きく腫れ上がらせたゴメス。
東京のリングであれほどの強さを発揮したゴメスの王座が、1年持たないとは誰が想像したろうか。一気にヒーローの座に駆け上がったゴメスは、その座に溺れた。ボクサーの転落は早い。その後のゴメスは泣かず飛ばず。散財しつくした元王者は、元の港湾労働者に戻る。
同僚マルカノの王座も長くは持たず、72年4月、やはり2度目の防衛戦で19才のベン・ビラフロア(比)に敗れ無冠となっていた。マルカノには、もう一度世界タイトルマッチのチャンスがやって来たが・・・。
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「やっぱりああいう国は、いい気持ちになっちゃうんだよなァ」(~~)
「急に変わっちゃうんだから。怖いよ」(~~)
勝つことで自信を付け、さらに飛躍するのがボクサーであるが、あまりに勝つと過信が渦巻く。多くの才能あるボクサーが、勘違いで去っている。
「いい気持ちになったら、負けですから」(坂田健史)
WBA世界フェザー級王座挑戦が決まった、”待たされた挑戦者” 榎 洋之(角海老宝石)選手。4年前、佐藤 修 (協栄)選手との防衛戦を前に、一人で黙々と走り、計量後はビック・マックをかじっていた王者クリス・ジョン(インドネシア)に挑む。
いきなりナックル・パートにテープを巻きつけたトレーナー等、全く意にかえさず自分のやるべき事を黙々とこなしていた。ジョンの控え室は観光気分満々。そんな中、ヤング王者の心の強さだけが目に付いた。お金持ちになったジョンの心は、今いかに・・・。
榎選手には、日本へのWBA世界フェザー級タイトル奪還を期待します。
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