TBSvsTV東京・TVボクシング仁義ある戦い! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

WBA坂田健史(協栄)、WBC内藤大助(宮田)。世界フライ級の両王者を擁するTBS。また、プロボクシング界入り以前から亀田家とは契約があったという。今後のフライ級戦線の鍵を握るTBS。

そのボクシング放送の歴史は、1955年(昭和30年)6月から放送が開始された東洋チャンピオンスカウトから始まる。1969年(昭和44年)まで678回放送。番組カードは極東ボクシングクラブ・小高伊和夫会長によって提供されていた。

TBSと極東ジムの合同企画”ボクシング教室”からは、世界Sフェザー級王者沼田義明(極東)選手を筆頭に、多数の日本、東洋王者が誕生している。新日本木村ジム・木村七郎会長、楠三好ジム・三好渥美会長らが指導にあたっていた。

1967年(昭和42年)4月、世界Sライト級王座に就いた 藤 猛 (リキ)選手は、豪快なKOパンチとで空前の人気を博した。日系三世らしい片言の日本語、「ヤマトダマシイ」、「岡山のオバアチャン」は流行語にまでなった。


ロポポロvs 藤 戦。

前年、TBSと独占専属契約を結んでいた世界チャンピオンは、8月タイトル獲得第1戦を故郷ホノルルのリングで迎える。ノンタイトル戦ではあったが、日本ファンの注目は高い。しかし、この試合のTV放映権はもめる。

世界9位フェル・ペトランザ(比)を相手の凱旋試合は、藤選手が世界王者になる前から契約済。1年前、6回KOで藤選手はペトランザに敗れているという、興味深いカード。状況が一転したのは、予想を覆しロポポロをKO。世界王者になった藤選手の人気が一気に爆発したからである。

州政府によって管理されるハワイ・ボクシングの興行契約。ボクサーのサインがなくともマネジャーのサインした書類は法的に通用する。その書類には、WBAマネジャー・ライセンスを保持するエディ・タウンゼント氏のサインがあった。サム・イチノセ&エディ・タウンゼントのライン。

イチノセ氏は、ヤングボーイのタウンゼント選手にステーキをご馳走し、シューズを買い与えた。エディさんにとっては恩人であり、WBAに顔が利く、ハワイの天皇といわれた実力者。


世界フライ級王者ダド・マリノと相撲観戦のサム・イチノセ氏(右)。

放送権の自由契約を主張するイチノセ氏。専属契約を主張するTBS。やり手のイチノセ氏は、TBSを出し抜いた。TV東京へのプロモートに成功したのである。同時中継、放送権2万5千ドル(900万円)の契約。藤選手のファイトマネーは1万ドル(360万円)である。

新興のTV東京は、ボクシング界の実状に通じていなかった。結局、TVボクシング界の秩序と発展を期する為、両局トップ同士の会談が持たれる事に。

結果、TV東京はTBSの主張を全面的に認め、無条件撤退を決める。円満解決である。しかし、イチノセ氏はあきらめない。試合当日までTBSも必死の交渉。ようやく合意に達したのは試合開始1時間半前の事。無事日本へ録画中継されたこの試合は、藤選手が2回KOで雪辱を果たした。

まさに粘りの交渉です。昭和45年の柴田国明(ヨネクラ)vs桜井保男(協栄)の日本フェザー級王座決定戦では、桜井選手のファイトマネーが安いと、金平会長は試合直前まで米倉会長に迫っている。結果、試合直前ファイトマネーの上積みがあった。

「金平さんには負けました。僕も見習わなくちゃいけない」太っ腹の米倉会長でした。(~~)

長年に渡りTBSの名物プロデューサーとして活躍された 森 忠大氏は、解説まで手がけた事もある。具志堅用高(協栄)選手の世界挑戦が9戦目で実現出来たのは、森氏の、眼力と尽力によるものである。


予想は全く不利だった9戦目の世界挑戦。

「こっちは入院してるのに金平君が来てねェ。しつこいんだよ、凄いのがいるから見てくれって」(~~)

イトウ先生らと当時を振り返りながら食事をご一緒させて頂いた時に伺いました。

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以後、ボクシング中継に力を注ぐ事になるTV東京。現在の伴田プロデューは、良い番組を作ります。試合場にもよく足を運び、勉強も怠らない。”4大世界タイトル3時間ブチ抜きSP” 楽しみですね。

70年代、ナポレスvsモンソン、オリバレスvsアルゲリョを放映し、オリバレスvsチャコン戦では前座のサラテの試合まで流した。 龍 反町vs辻本章次、ロイヤル小林vs豊島正直、上原康恒vs岡部 進 戦もTV東京で放映された。芸人好みの好カードばかりだ。昔からボクシング通スタッフが多いTV東京。

ボクシング撤退していたTBSの放送カムバックは、1975年10月のアルゲリョvsロイヤル小林のWBA世界フェザー級戦から。やっぱり好カードありきですね。

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カカアコジム。佐藤 修 (協栄)選手にアドバイスを贈る元世界王者・鬼塚勝也氏。