大場政夫vsアモレス・史上最強挑戦者粉砕!フライ級11 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

史上最強の挑戦者オーランド・アモレス(パナマ)迎えた、WBA世界不フライ級チャンピオン大場政夫選手。自信満々の挑戦者は、試合開始ゴングが鳴るやその強打をブルン・ブルンと振り回す。

”褐色の弾丸”アモレス。その強打を喰らったチャンピオンは、不覚のダウンを喫する。静まり返る日大講堂。

28戦27勝(19KO)1敗。唯一の敗戦相手にも1ラウンドKOで報復を済ませている挑戦者は強気だ。しかし、チャンピオンは確たるプライドを持ってチャレンジャーを迎え撃つ。世界最高の座を争うにふさわしい、魂のぶつかり合いが始まった。



2回。王者の右ストレートがカウンターで炸裂。今度は挑戦者が倒れた。だが、目はまだ生きている。「なんだこのヤロ~」という感じであろうか。王者の額はバッティングでざっくり割れた。

両者の懇親の力をこめた激しいパンチの応酬が続く。

どちらも譲らない。自信のなせる業であろう。弱気になった方が負ける。このままでは、どちらも15回は持つまい。騒然の場内。



一月前、WBC世界フェザー級王者柴田国明選手が、クレメンテ・サンチェス(メキシコ)に痛烈な3回KOでタイトルを奪い取られたリングサイドで、大場選手が感じたことは・・・。

「ボクシングっていうのは弱気になっちゃいけない」

「追われる立場にいるチャンピオンが逃げ腰になって、守ろうとする姿勢を見せたら絶対負けだ」

言行一致。大場選手は見事にそれをやってのけて見せる。

激しい打ち合いが続く。5回、挑戦者のスピードが落ちる。チャンピオンの連打は止まらない。先に弱気になったのは24才の挑戦者。



ロープを背に懸命に耐える挑戦者。リングサイドはしびれている。これぞボクシング!

倒れるまで打ちまくる。打ち合いでは絶対に引かないチャンピオン。

挑戦者の心の糸がプッツリと切れた。



うつぶせに倒れた挑戦者は、ゴロリと仰向けになりカウントを聞く。

精も根も尽き果てたアモレス。



カウントは続く。エイト、ナイン、テン。

喜びを爆発させる王者。なにより大場選手の表情が、この勝利の重たさを痛切に表している。会場は興奮の渦に包まれる。

「やったぞ大場~」

「カッコいい」

試合後チャンピオンは、たくさんのちびっ子に囲まれサインをせがまれた。



”72年のプリンス”なる称号を頂戴した大場選手。

昭和47年6月20日のこのファイトは、多くの人間の人生を変えた。

すっかり打ちひしがれて帰途につく挑戦者アモレス。”史上最強の挑戦者”の面影はない。彼には2度と世界挑戦のチャンスはやって来なかった。



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バンタム級に転じたアモレスは世界ランキングこそ入ったが、3年後の6月20日カルロス・サラテに3ラウンドKOで敗れると一気に下降線をたどる。

エウゼビオ・ペドロサ、ルペ・ピントールと、日本にもお馴染みのチャンピオン達の世界進出への踏み台にされリングを去った。

勝負の世界は非常である。ボクサーが、一度壊れた自信を取り戻すのは大変だ。

心の鍛練、大事ですね。練習、試合の中で気持ちを磨く。

”見当たらないアモレス以上”。

当時のスポーツ誌の見出し、不思議なほど鮮明に覚えています。

WBA世界フライ級チャンピオン大場政夫選手は、5度目の防衛戦に向けひた走る。 -続 くー

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