大場政夫・憎悪対決とスポーツマンの心・フライ級Ⅸ | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

1972年3月4日、記者会見では互いに、「憎らしい」と口にした因縁の対決。WBA世界フライ級チャンピオン大場政夫(帝拳)vs同級4位花形 進 (横浜協栄)の一戦は、挑戦者の攻勢から始まった。

試合は激しい打撃戦に突入。挑戦者が一発必中の構えで飛び込み、チャンピオンが迎え撃つ展開。前半は、花形選手のワイルドなパンチもずいぶんヒット。王者の顔も腫れた。



しかし、この日の大場選手は”憎悪”等おくびにも出さず冷静に戦った。

いつもなら一発打たれれば、その負けん気でムキなって打ち返しに行くのだが、この夜は挑戦者の動きを見計らい、冷静に対処。挑戦者の突進に耐え、ストレートから細かい連打で対抗。



執念で放つ挑戦者のフックも重く、チャンピオンを捕らえては大きくよろめかす。しかし、後続打を許さないチャンピオン。

発熱、計量遅刻、ウェートオーバー(半ポンド)と散々の挑戦者。世界戦での計量失敗日本人第1号という事になるが、後年、オーバーウェートのチャンピオンと戦う初の日本人ともなった。運命は皮肉であり、面白い。

「これじゃあ、大場のKO勝ちだな」

反発心が支えた15ラウンド。挑戦者は頑張った。



激しい打撃戦は終わった。大観衆は惜しみない拍手を両選手に贈る。判定は2-0で大場選手3度目の防衛を支持。スコアは、71-71、74-69、72-68。

チャンピオン大場選手は勝利コールを受けると、セコンドに付いていたフラッシュ・エロルデ氏に即され、青コーナーに歩み寄る。

「ありがとう」

先輩挑戦者に対し、チャンピオンが頭を下げた。控え室に戻った大場選手は、ここでも花形選手の控え室を訪れ握手を交わしている。

「やってよかった」



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初対決から3年半に渡る因縁関係に終止符が打たれた。初対決のポイントは、47-46、49-48、48-46の3-0で日本フライ級5位花形選手の勝ち。大場選手は、同級8位。

土曜夜8時は、”ドリフターズ・全員集合”(TBS)が控えていたTV視聴率も27.3%を記録。関係者を喜ばせた。

舌戦以上に、力と力で、激しくぶつかり合った両選手に、ファンは大満足。

「こんな試合ならまた見たい」

「低迷を続けるボクシング界も、こんなカードを提供していければ再び隆盛を迎えるのも夢ではない」

「ファンの見たいカードはいくらでもある。要は実現させるの一語だな」

関係者もうなった両選手の戦いぶりでありました。

そしてこの関係者の言葉に応えるかのように、大場選手は”史上最強”とまでいわれたオーランド・アモレス(パナマ)を次の挑戦者に指名する。

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