試合は激しい打撃戦に突入。挑戦者が一発必中の構えで飛び込み、チャンピオンが迎え撃つ展開。前半は、花形選手のワイルドなパンチもずいぶんヒット。王者の顔も腫れた。
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しかし、この日の大場選手は”憎悪”等おくびにも出さず冷静に戦った。
いつもなら一発打たれれば、その負けん気でムキなって打ち返しに行くのだが、この夜は挑戦者の動きを見計らい、冷静に対処。挑戦者の突進に耐え、ストレートから細かい連打で対抗。
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執念で放つ挑戦者のフックも重く、チャンピオンを捕らえては大きくよろめかす。しかし、後続打を許さないチャンピオン。
発熱、計量遅刻、ウェートオーバー(半ポンド)と散々の挑戦者。世界戦での計量失敗日本人第1号という事になるが、後年、オーバーウェートのチャンピオンと戦う初の日本人ともなった。運命は皮肉であり、面白い。
「これじゃあ、大場のKO勝ちだな」
反発心が支えた15ラウンド。挑戦者は頑張った。
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激しい打撃戦は終わった。大観衆は惜しみない拍手を両選手に贈る。判定は2-0で大場選手3度目の防衛を支持。スコアは、71-71、74-69、72-68。
チャンピオン大場選手は勝利コールを受けると、セコンドに付いていたフラッシュ・エロルデ氏に即され、青コーナーに歩み寄る。
「ありがとう」
先輩挑戦者に対し、チャンピオンが頭を下げた。控え室に戻った大場選手は、ここでも花形選手の控え室を訪れ握手を交わしている。
「やってよかった」
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★女子ボクサーのハワイ・カカアコジム日記
初対決から3年半に渡る因縁関係に終止符が打たれた。初対決のポイントは、47-46、49-48、48-46の3-0で日本フライ級5位花形選手の勝ち。大場選手は、同級8位。
土曜夜8時は、”ドリフターズ・全員集合”(TBS)が控えていたTV視聴率も27.3%を記録。関係者を喜ばせた。
舌戦以上に、力と力で、激しくぶつかり合った両選手に、ファンは大満足。
「こんな試合ならまた見たい」
「低迷を続けるボクシング界も、こんなカードを提供していければ再び隆盛を迎えるのも夢ではない」
「ファンの見たいカードはいくらでもある。要は実現させるの一語だな」
関係者もうなった両選手の戦いぶりでありました。
そしてこの関係者の言葉に応えるかのように、大場選手は”史上最強”とまでいわれたオーランド・アモレス(パナマ)を次の挑戦者に指名する。
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