浜田剛史VSレネ・アルレドンド対決への道！

１９８５年８月２１日、マジソン・スクエア・ガーデンでは二人のボクサーが夢をかなえた。

前王者となったコステロは１２月に再起戦を白星で飾る。しかし無名相手のこの試合でも、やっぱりダウン喰らう始末。

２月にはアルゲリョと対戦することが出来たが、全く歯が立たず４回TKO負け。

赤井VSコステロは噛み合ったと思うだけにホントに惜しい。写真は引退式での赤井選手。

２５日発表のWBCランキングは、１位にコステロ、２位シールズ、３位オリバ、４位にレネ・アルレドンドとなっている。浜田剛史(帝拳)選手は、７月はじめてWBCランキングに顔を出し、ライト級９位。

WBCライト級王者はへクター・カマチョ（米）。ファイトマネーが高く、とても日本に呼べる選手ではなかった。

WBA王者はリビングストン・ブランブル（米）。こちらはボクシングの相性を考えて、最初からターゲットにしてはいない浜田陣営。狙いは、Sライト級王座という事になった。

赤井英和選手に取って代わり、チャレンジャーに選ばれた新王者ロニー・スミスは、当然オプション契約を握られている。

これに絡んだ指名試合。２位シールズが指名挑戦者とされていたが、これはひっくり返る。キングは、より自分の自由になって、お金になる選手を使いたい。

めった負けの前王者コステロ１位にはビックリさせられる。

なかなか決まらないスミスの初防衛戦。

浜田陣営は３月２０日、両国国技館でロニー・スミスへの挑戦がほぼ決定と発表している。浜田選手もキャンプまで張り、準備していた。

さて、レネ・アルレドンドはというと、７月ベテラン・ロドルフォ・ガトー・ゴンザレス(メキシコ）にまさかの敗北を喫している。が、内容的には将来を悲観するようなものではなかった。

９月２６日、再起戦の相手は５位ソウル・フリオ(コロンビア）。４回KOで不敗のホープを切って落としたレネ。実に逞しいマッチメークである。

１０月発表のランキングで１位に躍り出たレネ。２位シールズ、３位コステロ。浜田選手はライト級７位。

レネ・アルレドンドは、指名挑戦権争奪戦でキングに勝つ。１位コステロはあまりに露骨すぎた。

２ヶ月間で５度もスケジュールが変わったスミスVSレネ戦。

５月５日レネ・サイド、アステカ・プロモーションの手でこの試合は興行された。試合地はレネのホームタウン・ロサンゼルス。

そしてこの試合の結果が出る前に、浜田選手が勝者へ挑戦することが正式発表されている。世界戦交渉開始から１年、絶妙のタイミングで挑戦権を獲得した浜田陣営。強運である。

試合は５回、レネが右ストレート一発でKO勝ち。見事、陣営の期待に応えると共に、兄リカルド（Sフェザー級）との兄弟世界王者を達成。スミスは９ヶ月のブランクもこたえたろう。

それでも指名挑戦者レネの報酬は１万ドル（１７０万円）。カリー、へーリーらよりよっぽど派手でKO率も高く、ロスでは人気があったレネ。

そんな挑戦者に、４万ドルも５万ドルも支払っていたドン・キングはある意味凄い。(~~)

写真左が日本のリングで大活躍した元世界Sフェザー級王者リカルド・アルレドンド。

いよいよ決まった両国決戦。

日本ボクシング界は大変な盛り上がりを見せた。

１５連続KO記録保持者・浜田選手は１９勝（１８KO）１敗１NC。チャンピオン・アルレドンドは３５勝（３３KO）２敗。その戦績の中味は濃い。

１９８６年７月２４日、両国国技館。チャンピオン・アルレドンドの控え室に私はいた。　　　－続　くー

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