サウスポー同士のベテラン対決。本田秀伸（グリーンツダ）ＶＳ名護明彦（全日本Ｐ）。共に元日本王者、世界タイトル挑戦者でもある両選手のサバイバルな一戦が実現する。
本田選手、０２年フライ級ポンサクレック、０３年Ｓ・フライ級ムニョスと２年連続の世界挑戦も実らず、現世界王者・名城信男（六島）選手に敗れた後、長期ブランクを作った。
名城戦は、93-97 | 96-98 | 94-96 のスコア。２度の世界戦も強打者相手に判定まで粘っている。倒れない男。３1才。
昨年２年２ヶ月ぶりの再起戦を飾り再起。２連勝で日本Ｓ・フライ級４位にランキングされている。再起後はバンタム級リミットでの試合が続いている。
対する名護明彦選手。３０才。０５年１１月の高吉戦まで私はコーナーに付いた。１０ヶ月のブランク後昨年９月再起。１０月にも試合をこなしている。１０月の試合ではバンタム級リミット１ポンドオーバーまで体を絞った。
名護選手の強打が当たるのか、本田選手がディフェンス・マスター振りを発揮して裁くのか、興味深いカードである。
名護選手のＫＯ勝ちは０３年１２月以来ないが、０４年１２月”不倒の男”瀬川設男（ヨネクラ）選手から２度のダウンを奪っている。左ロング・フックと左ボディだった。
グリーンツダジムは、強気のマッチメーク路線で選手同士を競わせ、やる気をあおっている。本田選手も好状態で試合に挑むだろう。そのスタイルから、ポイントの取り方が問題か。
名護選手。実兄がトレーナーに付き、充実した練習を行なっているだろう。打てる距離になった時に、いかにパンチをまとめるか。距離をとっての一発狙いでは、本田選手の思う壺になる。
相手を押し倒すくらいの気構えで前に出て、ガードの上からでもパンチを叩きつけ、次の一発を狙うようなスタイルを見せてほしい。やる気は十分。
実は名護選手には、サーシャ選手との試合話もあった。残念ながら既に本田戦が決まっていた為、これは見送られた。
サーシャＶＳ名護。これも好カードですね。
この日セミでは、ＷＢＡ世界Ｌ・フライ級１５位翁長吾央（沖縄Ｗ）ＶＳ日本フライ級９位奈須勇樹（グリーンツダ）の一戦も行なわれる。これも新鋭同士の好カード。
９戦全勝７ＫＯの翁長選手。デビューは０３年６月の２６才。アマキャリアも豊富である。０５年２試合。０６年は世界ランカー・エスピノサに５回負傷判定した１試合のみ。０７年１月タイ選手を３回ＫＯで仕留めている。
翁長選手。試合数の少なさと、８回判定経験が一度だけ、後の試合は全て５回以内に決着しているという事で、キャリア、スタミナ面が少々気にかかるが、好センスのサウスポー。好青年だ。学生の頃、協栄ジムにもよく練習に来た。
一方の奈須選手。２４才。０５年度の全日本新人王獲得、デビュー以来１２連勝（９ＫＯ）の快進撃を続けていたが、ワンミンチョーク戦では勝ったとはいえ不本意な内容だった。採点は、97-96 | 95-94 | 95-97 の２－１。
試合後の姿は、まるで敗者のそれであった。ワンミンチョークが判定聞いて笑ってたのが印象的。。
亀田興毅（協栄）選手は豪快なＫＯで、このワンミンチョークからＯＰＢＦタイトルを奪っている。
この試合ではずみをつけて、一気に上位進出したかったのだろうが、不安を覗かせる試合となった。
そして、次戦では比国選手に初の黒星を付けられた。０６年１２月タイ選手を２回ＫＯで破り再起を果たして迎える、世界ランカーとの一戦となる。
０６年以降、重めのＳ・フライ級で戦っている奈須選手。翁長選手は軽めのＳ・フライ級。体格的には奈須選手有利。その分、いいウェート作りが出来るかどうかが鍵になる。失敗をしでかしたぶん、意欲は十分と見る。
翁長選手、奈須選手共に、ボクサー・スタイル。馬力と体力で押し切りたい奈須選手を、翁長選手が巧妙な左カウンターを武器に裁く展開になろう。好試合が期待出来そうですね。
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