パリのリングへ坂田健史・74年名王者同士の激突! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。


ようやく正式発表となった坂田健史(協栄)選手の世界戦。まとめた金平会長も苦労があった。9月東京でのWBA総会時には、アスルムとの決定戦でほぼ決まりのはずだった。期日は同じ12月2日パリ。

BOXーON!【坂田-バスケス発表。12月2日フランスで】

しかし、いつまで待ってもその後の返事が来ない。届いた返事は「坂田とはやりたくない」大竹マネジャーはこの時点から、サウスポー対策と共にパーラとの対戦も考えた練習に切り替えた。

パーラと対戦するはずだった指名挑戦者バスケスは10月16日に試合が予定されていたが、延期また延期で試合地もコロンビアからパナマへと変わったりで様子が掴めない。

ようやく試合したのが10月28日。S・フライウェイトでの10回戦はフルマークの楽勝だが、負傷したらしいとの情報。ここまで来ては返事を待っていられず、12月2日やるつもりでハワイキャンプに出発したのが10月31日。金平会長と大竹マネジャーの素早い決断は見事。

正式発表は遅れたが、9月の段階から12月2日パリに照準を合わせてトレーニングして来ている坂田選手。サウスポー対策はバッチリ。時折、オーソドックスにチェンジするのも承知済み。

全ては大竹マネジャーの立てたスケジュール通り、ここまでは非常に順調。何より坂田選手は試合がどうなるこうなるの愚痴は一切言わい。与えられた練習メニューを黙々とこなして来た。だが、「自分で考えなきゃダメだよ」とも厳しく言われている。

ハワイキャンプ終了後は連日スパーに入っています。昨日見ていると疲れはピーク、「まあ計算通りだな」「あんなもんですね」体は重そうだが、時折今までにないパンチを見せる。大竹マネジャー、昨夜は勝利宣言。「アイツはチャンピオンなるよ」(~~)

昨年4月フランスはマルセイユのリングで、世界王者モンシプールと正面衝突。潔く散った仲里 繁 選手は坂田選手の兄貴分であります。地獄のハワイキャンプで成長して来た二人は妙に気が合う。

昨年の激闘の印象が強いであろう仲里選手。フランスのボクシング・ファンには、「あの仲里選手は兄貴分である、仇を取りに来た。あれ以上の試合をお見せします」とでもメッセージを送りたい。(~~)

フランスのリングでも数々の名勝負が演じられて来ているが、忘れられないのが、74年2月世界ミドル級王者カルロス・モンソン(亜)に世界ウェルター級王者ホセ・ナポレス(メキシコ)が挑んだ一戦。プロモーターは超大物俳優のアラン・ドロン。

モンソンが12年間負け知らずなら、ナポレスもこの7年間で負けたのは、ビリー・バッカス(米)にバッティングの傷で負傷TKO負けしただけ、半年後バッカスには痛烈なKOでお返し、タイトルを奪回6度防衛中。

64年の初来日では世界10位吉本武輝選手を1回でKO。日本のファンを驚かせた。2度目は72年11月世界ウェルター級王者として来日、OPBF王者龍 反町(野口)選手と2回のエキジビションを行なっている。

反町選手「どんな時でも絶対にバランスを崩さない。だから空振りしてもすぐに次のパンチを打てる。近ずくと必ずボディを打ってきた」「うまいもんです」しきりに感心していたとあります。

ナポレスをはさんで、左 龍 反町選手、右は金沢英雄選手。現金沢ジム会長です。

対戦相手がいないのが悩みのナポレス。そのパンチは全てがカウンターになっていると言われた。「名王者同士の対戦はウェートの重いほうが勝つ」昔からこう言われて来ているが、ナポレスにとってもウェートの壁は高く、試合は6回終了後ナポレスが棄権して終わった。

モンソンは不敗のまま引退するまで14度のタイトル防衛に成功、その連勝記録は73(9引き分含む)で自らストップした。ライフルのような長い右ストレートが強かった。きわめてオーソドックスな基本に忠実なボクシング。

この試合には1万1千人のファンが詰め掛けた。12月2日パリのリングでは12回戦が5組の他にも試合があるそうで、「一晩中かかるんじゃないか」と心配。(~~)近代的なベルシー総合体育館。さいたまスーパーアリーナみたいな感じだろうか。

どんな時も、どこで戦おうとも精一杯の戦いを演じる坂田選手。ファンの皆様、どうかご声援よろしくお願い申し上げます。

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